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答えなさい(2005年06月27日)

2005年06月27日 記

 ウチの子は去年から「進研ゼミ」の小学講座に励んでいる。「チャレンジ3年生」というやつ。毎月20日ごろになると、テキストやら付録やら、食材宅配のちらしやらがドンッと送られてくる。ポストに入りきらないので、郵便屋さんはわざわざ玄関先まで運ばなくてはならない。もうしわけない。それはともかくそのテキスト一式の中に保護者向けの副読本も入っている。テキストの回答やアドバイスの他に、「夏休みの上手な過ごし方」みたいな編集記事もあったりして、なかなか参考になる。

 今月の特集は「考える力を育てる」。なんでも今の社会では〈「なぜ?」と疑問を持つこと、そしてそれを解決するためにはどうしたらよいかを考え、行動する体験を積むことが大切〉なのだそうだ。だから学校現場での教え方も変わってきている。それを端的に象徴するのが数学のテスト問題の長文化である。〈生活に関連した場面〉を取り入れることで、より身近なものとして数学を学んでもらおう、というわけだ(少なくとも学校側はそのつもりらしい)。その結果、問題文は国語の文章題のように長くなるというわけ。以下は副読本で紹介されていた昨年の数学の入試問題(図は割愛)。


 図Iは、ある室内の上部のようすを示している。
 この室内の天井の形は長方形であり、そこには同じ大きさの正方形の板がすき間ができることなくどの2枚も重なることなくはられており、そのうちの何枚かの板に蛍光灯が4本ずつ取り付けられている。Tさんは、この天井の板と蛍光灯の並び方に興味をもち、その規則性について模式図をかいて考えてみた。
 図IIは、天井にはる板の配列と蛍光灯を取り付ける位置を模式的に表したものである。図IIにおいて、縦1列分の板の枚数、横1列分の板の枚数はそれぞれ奇数である。■は蛍光灯を4本取り付ける板を表し、□は蛍光灯を取り付けない板を表す。最も左の列から数えて偶数番目の列にあって最も上の列から数えて偶数番目の列にある板はすべて■であり、それ以外の板はすべて□である。
 最も左の列から数えて偶数番目の縦1列にある■の枚数をmとし、最も上の列から数えて偶数番目の横1列にある■の枚数をnとして、次の問いに答えなさい。


 さて、あなたはこの問題が何を問うているのか、一読してわかりますか? 僕はさっぱり理解できませんでした。読解力を高めたいという意図は理解できますが、その前に出題者の文章力を高めたほうがよいのではないでしょうか。思わず校正してやろうかと思いました(笑)――たんに自分が解けなかったから難癖をつけているような気もしないではないですが。いやぁ、難しいなぁ。いまどきの問題は。これじゃ、高校入れません。オレ。中学浪人かぁ。つらいな……。どこかに「大人のための数学ドリル(文章題編)」ってありませんか? 昨日探したんだけど(探したんかいっ!)、計算ドリルばかりで見当たりませんでした。大人たちよ、四則計算ばっかりやってる場合じゃないぞ!

中島の答え:Tさんは授業中に天井を見てちゃダメだと思います。

2024年02月28日 追記

 せっかくのチャレンジも、5年生ぐらいで断念。テキストだけが送られてくる日々が、数年続いただけで終わってしまった……。今どうなってるのか気になって公式サイトを見てみたら、タブレットを使った学習に移行している模様。紙ベースのテキストもあるみたいだけど。


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