数ヶ月前に予告を見に行った時から気になっていた『ドラゴンクエスト YOUSTORY』を観てきました。

公開当初から賛否両論を集めており、比較対象に『デビルマン』(有名なクソ映画)が挙げられるほどとのこと。

『ドラクエ5』という確固たる基盤とフルCGムービーを使ってどうして『デビルマン』クラスのクソ映画が作れるというのか……？

期待に胸を高鳴らせながらTOHOシネマズに足を運びました 笑

なるほど、これはファンを冒涜するクソ映画と言われてもおかしくないですね。

ドラクエ5の皮を被ったオ○ニーに近いものを感じます。

とはいえ、監督が真に伝えたかったものは確かに感じたので、それでも観たいという方のために心に留めておいてほしいポイントをいくつかまとめました。

あらすじ(重要)

少年リュカはゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母マーサを取り戻すため、父パパスと旅を続けていた。しかし、道中での魔物たちとの激闘により、パパスはリュカの目の前で非業の死を遂げてしまう。それから10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」と書かれた父の日記を発見。パパスの遺志を受け継ぎ、冒険へと旅立つ。次々と立ちはだかる試練の数々、ビアンカとフローラをめぐる究極の選択など、リュカの壮大な冒険が描かれる。(映画ドットコムより)

これを読むと『ドラクエ5』を知る人なら、あるいは『ビアンカ』と『フローラ』の名を知る人なら

「ゲーム過去作のCGアニメーション版かな？」

と思うに違いないでしょう。
何を隠そう私自身もドラクエ5は未プレイだからです。

しかし、それはある種正解でありながら、大きく間違えていました。

タイトルからして『ドラクエ5』ではない！

ドラクエファンの方にどうしても心に留めておいて欲しいのがこれです。

この映画のタイトルは

ドラゴンクエスト5 天空の花嫁

ではなく……

ドラゴンクエスト YOUR STORY

なのです。

つまり、この時点で既にドラクエ5とは全く異なる足跡を辿る可能性があることを心に刻んでおかねばなりません！

そして、『YOUR STORY』というサブタイトル。

この時点で勘のいい映画オタク達は何かを察するはず……！

そうです。この映画にはメタが張られています。

具体的なことは言及しませんが、このメタはタイトルのみにしか伏線が無いと言っても過言ではありません。

そしてこのメタこそがファンを冒涜していると言わしめているのです。

私はこの映画を観た後、映画公開数ヶ月前に起きた農水事務次官の悲劇の事件ことを思い出しました。

(そんなに関連があるわけじゃありませんが、どうしても気になる方はこちらへ)

おそらく総監督と脚本はファンを足蹴にするつもりはなかったのではないかと思います。

真に読み解けば、ドラクエファン全員を讃えるような内容を考えていたのではないかと思いますが、あまりにも伏線がなさすぎた！

そういう内容だったら、ストーリー冒頭からそうだと説明すべきです！

これじゃあ、ファンが怒るのも仕方がない。

夏休み真っ只中の公開で、

「子供にもドラクエの面白さを教えてやりたいな」

と思っている子供連れのドラクエファンにこの内容は酷すぎる。私個人はそんな風に思った次第です。

見方を変えれば

しかし一方で、あらかじめ「メタ内容かも」という心構えがあればこの作品の完成度は一変します。

実際、終盤の展開を除けば、序盤中盤はテンポよくまとまっていたんじゃないかと思います。

フルCGでの戦闘シーンにはワクワクしましたし、フローラとビアンカの求婚では私もドギマギさせられました(本当はSchool Daysが頭をよぎった)。

ビアンカ・フローラ論争には総監督なりのルートが示されていますが、まあ批判されるような内容ではないと思います。

「内容端折りすぎ」との声も多いですが、2時間程度の作品なら余裕で合格点のまとめ方でしょう。

結末が全ての悪評の元凶

以上のように、私は今作はラストに奇をてらい過ぎたせいで悪評が集まってしまったのではないかと考えています。

実際、メタ作品としては極めて完成度の高い内容でした。

ただ、どうせメタ内容にするならストーリーも丸ごとメタをテーマにすべきだったと思います。

試写会もなしに公開したあたりも前評判で左右されたくなかったのか、ネタバレを恐れたのか、もしくは炎上商法を狙ったのかわかりませんが、ファンを騙したと捉えられても仕方ないでしょう。

最後に

そういえば、総監督兼脚本の山崎貴氏は今作とほぼ同時期に『アルキメデスの大戦』という邦画も公開しています。

こちらもなかなかにすばらしい作品でした。
(変な結末とかではないのでご安心を)

感想はこちらから

私は『ドラクエユアストーリー』を観る前日に『アルキメデスの大戦』を観ていたせいか、非常に落差が大きいです。

でも山崎貴氏は結末を面白く(？)するのが好きなのかなとも感じています。この監督の他の作品も観てみようかな？

ここまで読んでいただきありがとうございました。よければスキと厳しいご意見をお待ちしています！

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