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水夏希バウ初主演 ロミオとジュリエット'99

宝塚歌劇専門チャンネル タカラヅカ・スカイ・ステージの編成が、ここのところ気合十分で攻めまくっています。ただいま放送されているのは、花組99年のバウ公演「ロミオとジュリエット'99」。

レオナルド・ディカプリオ主演映画「ロミオ+ジュリエット」(1996年)にインスパイアされたのかどうかは知りませんが、これもシェイクスピアのロミオとジュリエットを現代に置き換えてのバウ公演です。

宝塚歌劇は勿論、厳しいところで有名なのですが、水夏希さんもご本人の意思とは反して、歌劇団がとても厳しいプレッシャー状況に置いてきたのは事実だと思うのです。1993年入団で、95年には、新人公演主演を果たす。しかも、本役は当時大人気トップスターである天海祐希。しかも、その公演が退団公演ですからね。

そして、バウ初主演がこの1999年。しかも、シェイクスピア。この芝居、最初から激しい、激しい。叫びますし、絶叫もします。いくら現代に置き換えていると言いながらも、歌劇団なのでダンスがあると言いながらも、シェイクスピアらしい聞き覚えのある台詞が並んだ芝居がメインです。そして、それが小劇場のバウ公演というのが、またいいのです。

誰もが知るストーリーだからこそ、芝居の期待は主演に自ずと注ぎ込まれます。こんなに激しく難しい芝居で主演を張り、しっかりロミオを演じきった水夏希、あっぱれであります。最後に拍手の中で頭を下げる姿に、宝塚の芝居は、やはり本物なんだなと感じました。もちろん大劇場のレビューも、派手な演出などが良い大型ものも大好きですが、このように呼吸が聞こえそうな小劇場で、大道具や美術を最小限であっても、芝居が光る作品を見せてくれる宝塚歌劇団。さすがです。

昨日は専科公演を放送し、そして今日は水夏希の麗しいバウ公演を編成してくれるスカイ・ステージの攻めた企画も素晴らしい。専門チャンネルはこうでなければ、と思いますよ。

タカラヅカ天海祐希の最後の指導を受けたであろう、水夏希の初期作品を見るのは好きなのです。例えば、この作品の開演挨拶も、決してヅカの男役っぽくはなく、月組の天海祐希のアナウンスの印象が垣間見えて、とても好きなのです。俺が勝手にそう思っているだけですけどね。

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