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あの人のヒゲは何なのか

今週の週プレには俺の記事が載っている。これに関する話をしよう。

取り上げた本は『ヒゲの文化史』だ。しばらく前に本しゃぶりでもちょっと紹介したやつである。

西洋の歴史上の人物を取り上げ、その人のヒゲにまつわる話を語っていく本である。当たり前ではあるが、誰が出てもヒゲの話になるのが面白い。中にはアレクサンドロスのように、一切ヒゲを生やさない人も登場する。ヒゲは勝手に生えるものなのだから、ヒゲを剃るということは何かしらのこだわりがあるということ。だから語るべき内容があるわけだ。

正直、この本を最初に知った時は面白いものだとは思わなかった。なにせテーマが「ヒゲ」である。俺はファッションなどには興味ないし、ヒゲも深く考えることなく剃るタイプである。いや、剃るのは仕事がある日だけで、休日は面倒なので剃らない。それくらいヒゲに関してこだわりが無いわけだ。

しかしAmazonの目次を見て考えを改める。これは「アタリ」のタイプの本ではないか、と。

【目次】
はじめに──男性のパターンの歴史

第1章 なぜ男にはヒゲがあるのか
 1 ヒゲの進化
 2 装 飾
 3 武 器

第2章 古代文明とヒゲ
 1 シュルギ王は神々を喜ばせる
 2 ハトシェプストはヒゲつきの権威を手に入れる
 3 ダヴィデ王の使者がヒゲを切られる

第3章 古典的ヒゲ剃り
 1 アレクサンドロスは世界を変える
 2 スキピオはローマを新しい方向へと導く
 3 ハドリアヌス帝は賢く選ぶ
 4 ユリアヌスは懐旧の思いにふける

第4章 イエスはどうやってヒゲをえたのか
 1 イエスは記されたことを否定する
 2 古典的なイエス
 3 過渡期の数世紀
 4 イコンのキリスト
 5 教父がヒゲを促す
(以下省略)

文化史本をいろいろ読んでいて思っているのだが、歴史が古代ギリシアから始まっている本はアタリの可能性が高く、古代メソポタミアから始まっているとなお良い。こいつは更に遡って進化の話から始まっている。これは読むべきだろと思った。

それで本しゃぶりで紹介するほどに面白かったわけだが、こうなると俺もやりたくなる。誰かのヒゲについて好き勝手言うやつを。俺はハンマーを手にしたら、何でもかんでもぶっ叩きたくなるタイプなのだ。

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