見出し画像

冷凍パスタへの流れ

まだ冷凍パスタの話をする。

幼い頃、俺はピザをアメリカの食べ物だと思っていた。なぜならミュータント・タートルズが食べていたからである。実際はイタリア発祥であるけれども、俺が知っているピザはアメリカナイズされたものだ。それにピザに欠かせないトマトはアメリカ産の食物だ。ゆえに幼い頃の俺の認識は、半分あっていたと言えるだろう。

ではパスタはどうかというと、幼い頃どう思っていたかは覚えていない。大人になった今はイタリアの料理だと認識している。だが冷凍パスタを食べた時にはこう思った。これはイタリアではなくアメリカの食品だな、と。

俺は冷凍パスタを主役として捉える。ラーメンと同様に主食であると同時に、おかずでもある。一つの器の中に全てが収まっている料理だ。サラダくらいは別に用意してあってもいいが、俺は面倒なので代わりにブロッコリーを載せて満足した。

その全てが収まった器を手にし、モニターの前に座る。そしてアニメを見ながら淡々と食べる。終わり。

俺にとってのパスタはこんな扱いだが、本場のイタリアでは違う。イタリアにおけるパスタはプリモ (最初の料理) である。まずパスタを食べ、それから肉やら何やらが出てくる。『麺の文化史』ではイタリアで様々なパスタを食べるために、コース料理を繰り返し食べるはめになって辛かったとあった。

ここから先は

527字 / 2画像
この記事のみ ¥ 100

人に対し何かをしてあげるという事は、全て「見返り」を期待しての行為だ。noteのサポートは文章を読むための「見返り」である。