見出し画像

オタクの生前整理:8日目

画像を整理していたら自分のツイートをスクショしたものが出てきて、
「これが私のオタク生前整理の根幹だったんだな」と思い出しました。

多少はRTしてもらえたので、もしかしたらヲタクの同志様の心に何か伝わるものがあったのではと期待しています。

■腐女子で歴女だった亡母の死後

オタクの子はオタク、腐女子の子は腐女子とでも言いますか、亡母も立派な腐女子でした。
おかげで「漫画やアニメを禁止されなかった」という一点に於いて、私は人生の勝ち組だったような気がします。辛いときは二次元が慰めてくれたし、漫画やアニメから得られる知識で大学受験を制覇したようなもの。母には感謝です。

この母は病のため40代で亡くなりました。早すぎる死で、私はまだ高校生、弟Bに至ってはまだ小学生だったので、それ以後の生活がとても大変だったのを覚えています。

…が、今回はそんなお涙頂戴な話ではなく、腐女子がいきなり亡くなったらその後どうなるのかという、身につまされる話です。

■父は理解があるのではなく、スルーしていただけだった

人が亡くなりますと、当然遺品整理というものを行います。
母は本の虫ともいうほど本が好きで、漫画だけでなく活字も大好きな人でした。当然本棚は本で埋め尽くされており、その頃の我が家は本のために部屋を増築したほど。

我々家族は全員オタクなのですが、残念ながら全員で趣向が違います。しかも蔵書は増える一方なので、亡くなった母の本は否応なく捨てられることになりました(多ジャンルに情け容赦ないヲタクの本性)。

悲しみに暮れながら父と私の二人でその蔵書整理をしていたのですが、その時にぽつりと父が漏らした言葉が上のツイートの内容です。

■「おかーさんの漫画はホモばかり…」

※数十年前に訊いたセリフを原文のまま表記しています。ホモという言葉がとても差別的だというご指摘は、悪しからずご容赦ください。

これを聞いた瞬間、私は笑っていいのか嘆けばいいのか分かりませんでした。
最近は腐男子と言う言葉もあるように、腐女子(もしくはBL作品)に理解のある男性も増えています、が。
この時代にはまだ少なかったし認知もされていませんでした。

父はよくこんな母と結婚したな、よほど度量が広いのだなと思っていましたが、そうではなく単にスルーしてくれていただけなんだなと思い至ったわけです。

また、この時「人に理解されない趣味」というものがあることも痛感したものです。
もちろん、人の趣味に口出しをしないというのはどんなジャンルでもマナーだと思います。が、やっぱり「受け入れられないもの」って誰にでもあるじゃないですか。好きなのに受け入れられないアレルギーみたいなものだってあります。「理解はできる、しかし共感は出来ない」みたいな。
それをスルーしてくれていたのは、間違いなく父の優しさだと思うんですよね。

■残された家族のために

そんな優しい家族のために、私たちも一人ひとり、きちんと持ち物の整理はしていかねばならないなと思います。
しかも、人間はいつ死ぬか誰にも予測できません。
そうなる前に、私が日ごろから取っている方法は、別に裏技でも何でもなく、

・棺と一緒に焼いてほしいと思えるレベルのもの以外は保存しない
・自作同人誌は1ヶ月のみ頒布、それを過ぎたら即廃棄
・保存しない(手放す)本も、同志の手に渡るように専門中古屋へ売却

ということです。

※ちなみに自作同人誌は「1ヶ月で廃棄します」などと言うと煽り商法と言われてしまうため、何も言わずにサクッと廃棄が原則。
後日「読みたい」と言ってくださる方には個別に発行してあげることが容易にもなりましたし、私は発行後1年で必ずweb公開するのでそんなに苦情は来ないですね…。

推しジャンルのものはなかなか捨てがたかったりしますが、自分が死んだときにはその処分を別の誰かに委ねるしかないのです。
その人が自分の趣味に理解ある人ならまだしも、本当は嫌々ながら付き合ってくれていた可能性だってあるんです。
それでなくとも遺品整理は時間もお金もかかるので、せめてその総量だけでも減らしておいてあげると、きっと残された人が助かると思います。

↑こちらのnoteでは、「完ぺきとは言えないけれどかなり確率の高い方法で(死後まで)腐女子グッズを隠せる方法」を書いています。誰かの参考になれば幸いです。


もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)