平成の思い出

 飲み友のライターさんの“赤ペン教室”と言う文章を見てもらえる企画に文章を書いたのでこちらにもアップします(一文字だけ追加しましたがチェック前の文章です)。
 お題は「平成の思い出(500字)」。
 字数制限というのが、入試以来でまた懐かしいです。
 みなさんは、平成の思い出。何を思い出しますか?
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 思えば平成の初期は世の中がゆるやかだった。

 バイト代を握りしめた高校生の無邪気な質問に呆れながらも、お酒を売ってくれた酒屋のおばちゃん。初めにそんなの飲んだらつまらないよと言ってくれたが、買ったお酒は4合一万円の天狗舞「吟こうぶり」。飲んでみて思った。「…日本酒だな。」当たり前だ。でも、アニメ「美味しんぼ」では違う飲み物のように言っていた。グルメブームの始まりだった。

 それから、数年経った大学入学式。お酒は飲んで構わないが一気だけは絶対にダメだとの学長の発言は、前年、一人亡くなった上でのお願いだった。それでも、学生は一気しながら飲んで、何年かして、また一人亡くなった。

 それから20年。未成年が酒屋で酒を買えなくなり、飲み屋の年齢確認が厳格になり、成年年齢が十八になっても、飲酒は二十歳からのままだ。
 大学入学時にお酒を飲まない若い人達は、そのままお酒を飲まなくなってしまって、居酒屋やバーのカウンターで話に花を咲かせるのは30代以上の人達ばかりだが、自分は毎日のように通っている。

これから、どうなるのだろう?

みんなどこに集まりワイワイするのだ?

杯を空け、想いをはせながら、平成がもう終わる。

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