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第34回世界コンピュータ将棋選手権 HoneyWaffle視点のまとめ&自戦記(2)


前回の記事の続きです。

二次予選

1回戦 ▲HoneyWaffle(三間飛車) - △東横将棋

棋譜
東横将棋の開発者の方とは面識がありませんが、floodgate上で定跡のいたちごっこを延々と続けている関係です。そのため81手までこちらの定跡どおりでした。逆に東横将棋の方では定跡を途中で切っていたようです。
しかし定跡を抜けてからすぐにまさかの自滅。両者の読み筋を見ると93手目で成桂を寄った手がまずかったようです(33香がよかったらしい)。
その後はいいところなく押し切られ0勝1敗になりました。

2回戦 ▲技巧 - △HoneyWaffle(四間飛車)

棋譜
一次予選からの再戦でまた後手番でした。今局は角道を閉じた四間飛車でした。46手目まで定跡の進行で、その後も80手すぎから千日手含みの展開で着いていきました。しかし100手あたりから打開されると徐々に押し切られてしまいました。数の攻めや角のにらみなど、基本に忠実な技巧の攻めが光りました。0勝2敗と、去年に続いて連敗スタートとなりました。
技巧の開発者の出村さんとは席が対面で、この局に限らずいろいろとお話ししてもらえて非常にうれしくありがたかったです。
公式YouTubeでも解説していただいたようですが、いまだに内容を確認できていません。
※5/11確認しました。渡辺和史(当時六段、七段昇段おめでとうございます)先生の解説で2:05:00-2:20:00あたりまでです。ワッフルの飛車切って57角に対して技巧が受けずに21竜と攻めたのがすごい踏み込みだったみたいですね。

3回戦 ▲なのは - △HoneyWaffle(三間飛車)

棋譜
角道を閉じた三間飛車で、先手から角不成等から急戦調に仕掛け乱戦に。
なのははミニPC(といってもミニPCの中ではかなりハイスペック)ということで、ハードの差で徐々に有利に進め、初勝利し1勝2敗となりました。
この局も公式YouTubeで解説していただいたようですが、未確認です。
なお、なのはの開発者のかずさんは対局中に川崎家に向かっていました。
私は朝に続いて昼もマックでした。
※5/11確認しました。高野智史先生の解説で3:13:50-3:21:50あたりまでです。95歩と端の位を取って急戦を受けるのは欲張っているがうまく攻めを受け止めたということでした。

4回戦 ▲HoneyWaffle(中飛車) - △タンゴ

棋譜
今大会2局目の中飛車となりました。初手78飛と56歩は50%50%のはずなのですが、なぜか56歩が少なかったです。穴熊に組んだ後手に対して端に香車のロケットを設置し、82手目の77同銀成が甘いと見るや玉頭戦に。相手の攻めを見切って勝ち、これで2勝2敗となりました。

5回戦 ▲W@ndre7 - △HoneyWaffle(ダイレクト向かい飛車)

棋譜
昨年は3位のW@ndreERは、今回DL系にチェンジした影響か、2勝2敗となっていました。が、さすがに強豪で、徐々にリードされ80手ごろにはなかなかの差になりました。しかし97手目の銀打ちが微妙だったようで、コンピュータ将棋では珍しい逆転勝利となりました。
2連敗からの3連勝で3勝2敗となり、上位陣も荒れ模様の混戦になっているのでチャンスが見えてきました。(暫定10位!)

6回戦 ▲AobaZero - △HoneyWaffle(四間飛車)

棋譜
AobaZeroとも、floodgateでかなり当たっていました。HoneyWaffleの定跡は、勝った将棋はいったん定跡手としているのですが、AobaZeroは手にランダム性が少ないため、勝った棋譜と同じ手順で詰みまで進むことも珍しくなく、相当勝ち越していました。そのため、正直なところ勝てると思っていました。
しかし本譜では30手目に定跡を抜けると、徐々に押され始めました。大差でリードする先手は入玉がらみでもたつき、お互いに5秒フィッシャー将棋となりますが、320手逃げ切りには至らず。
痛い3敗目を喫して3勝3敗となりました。

6勝3敗というか勝ち点6がボーダーと言われていて、千日手や320手引き分けが多かったのもあり、勝ち点3.5のあたりの層が異様に厚くなっていました。

7回戦 ▲HoneyWaffle(三間飛車) - △Daigorilla

棋譜
石田流の形で角道を閉じなかった影響で比較的経験の少ない変化になり、わずか19手目から定跡を抜けました。そこから徐々に押されるという、ここまでよく見た負けパターンに。最後はまたも5秒フィッシャー将棋となり、なんとか320手に到達し引き分けに。将棋としては完敗ですが。
お互いに3勝3敗で絶対に負けられない状況で、まさかの痛み分けに。
これで3.5勝3.5敗となりました。

ボーダーには1勝分届かない計算ですが、荒れているので2連勝すればまだなんとかなるかもしれません。

8回戦 ▲HoneyWaffle(三間飛車) - △nshogi

棋譜
一次予選では後手番で負けていました。先手番で再戦となります。nshogiとはfloodgateで頻繁に当たっていた時期もあり、ペースに持ち込めれば行けると思っていたのですが。またも角道を閉じないまま進んで角交換に。そしてやはり27手目と早めに定跡を抜け、徐々に押されるお決まりのパターンに。
別途総括するつもりですが、ここで中飛車を出せていたら…
3.5勝4.5敗となり完全に決勝リーグ進出の道は断たれ、残すは来年のシード権(18位)争いです。

9回戦 ▲Ari Shogi and フレンズ - △HoneyWaffle(居飛車💢)

棋譜
まさかの飛車振れず。本当に最悪でした。飛車振れなかったら負けくらいの覚悟で取り組んできましたが、有終の美を飾るどころかこんなことに。
言い訳をさせてもらうと、後手番の場合、振り飛車をすんなり見せてしまうと振り飛車のペナルティ(評価値のマイナス)が大きくなりがちです。そのため、飛車を振る手はなるべく保留したいのです。しかし本譜のように牽制で早めに両端を突かれる等、先手も態度や飛車先を保留するのはfloodgateでは少数派だったため、定跡が網羅できておらず。32金型であっても四間飛車にする余地はあったはずですが、残念ながら居飛車になってしまいました。
先手も振り飛車党の場合に駆け引きで相居飛車になるならまだましですが、当然そうではなく。先手が居玉のまま戦いが始まった影響か、徐々に後手優勢となり勝ち。
これで4.5勝4.5敗の指し分けとなり、順位は17位でシード権を獲得しました。

またもや思ったよりも長くなったので総括については明日以降に書きます。

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