来世で会おう

今日、家で飼っていた猫が永眠した。

家の近くでにゃあにゃあ泣いていたのを、私が拾ってきたのだった。下町の通りに歩く人に片っ端からついていき、「僕を飼ってくれ」といわんばかりの子猫だった。

柄はシャム風のポイントカラーで、青い目のきれいな猫だった。

拾ってきたのは私だったが、一番甘えられていたのは母だった。突然背中に飛び乗ったり、だっこをせがんだりしていた。

また、非常に食い意地が張った猫だった。カレーを食べてスパイスでお腹を壊し、パンをつまみぐいするために引き戸の戸棚を開けてのけ、料理中にたびたび食材を盗んだ。

そのことが、腎不全に影響したのかもしれないが、実際のところはわからない。

腎不全でゆっくりと衰弱していく彼を見るのは苦しかったが、今はそのことは書かない。

できればつらかったことよりも、幸せだったことを思い出したいからだ。

普段は不思議なことを重んじないタイプだけれど、今だけはオカルトを信じてもいいよね。

いつかまた会おう。

さよなら。元気でね。