見出し画像

コピーバンドは愛

先日、夜の本気ダンスのコピーバンドでライブに出た。

大学で軽音部に入って、いくつもコピーバンドを組んで、ライブハウスにも何度も立った。そのたびに思うのは、たかがコピーバンドが、こんなにも楽しいなんて、ということ。

心のどこかで、コピーバンドなんて、と卑下する自分がいる。どれだけ好きで、どれだけ練習して、どれだけ楽しんでも、それはコピーに過ぎなくて、そのことがとても空しい。

空しく思うと同時に、嘘みたいに楽しい気持ちもある。自分が好きな、かっこいいと思う曲を自分の手で鳴らして、今目の前のフロアにはそれを楽しんでいる人がいる。笑っていたり、踊っていたりする。好きを共有していることが、手に取るように実感できる。

ライブ中、この二つの気持ちがずーっと頭を回るから、終わった後は大体ぼーっとしている。楽しかったのか、悔しかったのか分からない。

先日のライブで、うれしいことがあった。自分がいた下手側の最前に全然知らない他団体の人が、ライブの途中で他の場所から移動してきて、ライブが終わるまでずっとその場で見てくれたのだ。いくつかの団体が集まってのライブでは、自分の団体のライブは前で、それ以外は後ろで見る、というのがスタンダード。なので、他団体のライブを最前で、というのは珍しい。しかも、ライブが終わった後、「ベースの音作りめっちゃよかったです!機材何使ってますか?」と、わざわざステージ裏にきて声をかけてくれた。そんなこと今まで一度もなかったから、あたふたしながら答えるのがやっとだったのが悔やまれる。ライブが終わって、打ち上げでは「よかったです!」とか、「夜ダン他の曲も聴きます!」とか、手前味噌ではあるが、かなり好評いただいた。

これは、わたしなりの夜ダンへの愛が通じた結果だと思う。コピーバンドの評価軸は大きく二つあると思う。一つは再現度の高さ、もう一つはどれだけ本家への愛があるか。前者は、簡単に言うと演奏の上手い下手なので、練習すればある程度の域には達することができる。しかし後者は、練習だけではどうにもならない、にじみ出る何か、である。正直、上手くなくても、愛の大きさで圧倒されることも多々ある。何より、愛があれば、再現度も自然に上がる。本家のようになりたい、楽しませたい、という気持ちで、練習がはかどる。実際、今回の音作りは本家のインタビュー記事を漁り、手持ちの機材でできる範囲ではあるが、寄せられるだけ寄せた。マイケルさんの音作りが大好きだからできたことだ。

音楽を好きな人が、全員楽器を触るわけではないし、さらにそこからバンドを組んで、ライブに出る人となると、かなり限られた数になる。ありがたいことに、自分がその少数にいられているからこそ、コピーバンドという形で愛を返したいと思う。自分がやりたいと思うからやる、それも勿論あるけれど、このバンドってこんなにかっこいいんだよ!と、少しでも届くように。

以下、セトリ

1.Crazy Dancer
2.Japanese Style
3.Without You
4.LOVE CONNECTION
5.STARLET
6.WHERE?

動画はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?