綱渡り
先日、父と二人でランチに行った。何年ぶりだ?と思いながら、喫茶店に入る。
わたしのこの春からの過ごし方を、まだ父と直接話せていなかった。それを聞くために、珍しく父から誘ってくれたのだと思う。お互いに話すべきことは分かっているのに、どことなく気まずい空気が流れる。父の方から、話を切り出される。
今考えていることをとりあえず話す。反対されることはなかったが、自分が本当にやりたいことなのか?と、それだけは何度も念押しされた。
やりたいことをやるためには、ここぞと言う時に勝負をしなければいけない時があって、わたしは今その時なんだと思った。父は、このことを、生きていく中で、綱渡りみたいに、一歩一歩必死で歩かないといけない時がある、と言っていた。
これからしばらく、わたしはぴんと張られたロープの上を歩く。必死にバランスを取りながら、足を竦ませながら、落ちないように。愚かなわたしには、これくらいがちょうどいい。
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