夜の本気ダンス結成16周年に寄せて

夜の本気ダンスというバンドが好きだ。

好きになってまだ1年にも満たないが、結成記念日(は明日だが)に寄せて、わたしなりの好きなところを書いてみようと思う。

まず、何よりもライブが楽しい。正直ここでこのnoteを書き終わってもいい。そのくらい、夜ダンの魅力はライブに詰まっている。「踊れる準備は出来てますか?」と何度も問いかける、絶対に観客を置いていくことのないライブ。わたしが夜ダンを好きになったきっかけが、『戦争』のライブ映像。この映像が楽しそうすぎて、速攻でワンマンのチケットを取り、にわかもにわかな状態で飛び込んで、見事に惚れた。曲も全然知らないし、メンバーもふんわりとした認識しかない。それでも、「踊れる準備は出来てますか?」の問いかけに全力で頷き、手を挙げ、踊った。梅田クアトロの2段目から、踊り慣れた夜ダンファンでいっぱいの前方の熱気を見て、自分もあの中に混ざりたい!と思った。

夜ダンのライブを語る上で欠かせない、「踊れる準備は出来てますか?」という言葉。わたしには「日々ちゃんと生きてますか?」という問いに思える。日々の生活で起こる様々なこと。辛いこと、腹が立つこと、悩んでいること、楽しいこと、嬉しいこと。色々な気持ちが堆積した状態でライブに行く。2時間のライブの中で、歌詞の一言一言にライブまでにあったそれらの気持ちを引っ張り出される。あの時の気持ちって、この歌詞だったんだ!と、もやもやしていたよく分からなかった気持ちが、見事に言い表されていることに気がつく。普段飽きるほど聴いているのに、ライブで初めて気づくことが多い。日々の自分の生活が伏線となっていて、それがライブを通してどんどん回収されていくような感覚。その伏線を張っていく、生活こそが「踊れる準備」なのだと、だから夜ダンのライブのために頑張ろうと思う。

その強固な楽しさを作る根源は、夜の本気ダンスというバンドの高いアイドル性にあると思う。アイドル、という言葉をロックバンドである彼らを形容する言葉として出すと誤解を招くかもしれないが、敢えてこう書く。自分たちの見せ方、強み、求められているもの、それを表現する技量、これらを総括して、ここではアイドル性と呼ぶ。そして、このアイドル性の高さを支えるのが、途中加入のメンバーが4人中3人を占める、という歴史にあると思う。これは、夜の本気ダンスというバンドを、バンドの強み、弱み、求められるものを、外から客観的に見た経験がある人がバンド内の過半数を占める、ということだ。この視点をかつて持ってきた人がいるからこそ、今の見せ方にとんでもなくプラスに働いているのではないだろうか。外から見た夜ダンの魅力をなんとか守りたいとか、楽しそうだから混ざりたいとか、詳しくは分からないけど、とにかくポジティブな何かを感じてちょねさん、マイケルさん、ニシカズさんは加入したのだろうし、オリジナルメンバーの鈴鹿さんはそう思わせる夜ダンを守ってきたのだろう。メンバーの変更が比較的多いバンドだから生じる大変なこともきっとあったのだろうが、代わりに客観性という武器を手に入れ、それを今上手く使っている。何もかもかっこよさに変換できる、本当に強いバンドだと思う。

何回ライブに行っても、曲を聴いても、いくらでもときめける。こんなに一気に夢中になれたバンドは片手で足りるほどしかいない。そのひとつが夜ダンで本当にうれしく思う。

最後に、夜の本気ダンス結成16周年本当におめでとうございます。

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