脱する

春。やりたいこと、進むべき道へ、確実に向かっていく友人たちの話を聞いて、自分は何をしているのだろうか、と思う。半分は自分の意思、もう半分は不可抗力で、わたしは一度立ち止まることにした。立ち止まってばかりもいられないので、一応、向こう半年くらいの目標は立てたし、それに縋り付くしかないのだけれど、あまりにもわたしが変わらない。

嫌なことは嫌。興味があることしかしたくない。美徳としている生き方に近づこうとすると、偏屈で、面倒くさくて、そういう自分を確かにわたしは好いているけど、気がつくと周りに随分と遅れを取る形になっていた。周りはありがたいことに何も言わないでいてくれるけど、流石にへらへらと誤魔化してばかりいられない、と分かる。

友達は春からこうするんだって〜、と、軽い世間話のつもりで母に言うと、へ〜!すごい!あんたには無理やろな〜!と、何の気なしに返される。そんなことは自分でもわかっていて、だから友人を尊敬していたのに。人から言われると、ひしひしと自分の無力さを感じざるを得ない。

今の自分を脱したい。そればかり考えていて、今の自分から逃げようとばかりしている。向き合うと、正面から自分に潰されるような気がする。

来月、といってももうすぐだが、生活が大きく変わる。今のわたしにあらがって、絡まって抜けない気持ちから脱せるように生きていこうと思う。

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