見る、考える

ライブを見ている時、大抵何かを考えている。見ている景色そのもののことではなく、そこから派生した自分のことを考えていることが多い。これは映画や小説など、ほかのエンタメにも言える。

だから、ライブが終わったあとはライブそのものへの感想よりも先に、それによって引き出された自分の記憶や考えが頭にある。それらを取っかかりに、また頭を使って考えて、疲れた頃にまた別の何かを見る。そうするとまた別の記憶が引き出され、振り出しに戻る、ということを繰り返している。

目の前のことに集中しているつもりでも、頭では全く別のことを考えていて、フロアで手を挙げてゆらゆらと踊っていても、頭ではここ最近の悩みについて考えていたりする。

こう書くと、目の前のことを楽しめていないように見えるが、こういう時のわたしの気持ちは極めて前向きだ。

悩みについて、ああでもないこうでもないとうんうん唸るのではなく、は!こうすればいいんだ!という道筋が、これしかない!と言わんばかりに見える。終わったあとは、何もかもが綺麗さっぱり片付いていて、だからライブ帰りの足取りは疲れていても軽いのだと思う。

放っておくとネガティブな方に思考が走りがちだし、何もかも考えようとしてしまう。そのせいで何度もキャパオーバーを起こして生活が止まる。そんな中でも、翌日のライブのチケットは決して無駄にしたことはないし、行けば必ず何か解決の兆し、くらいは手に入れることができる。そういう時間がわたしには不可欠だ。単に楽しいから行くのではなく、記憶を引っ張り出しにライブに行くのだと、そんなことをぼんやりと考えた。

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