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【奥津渓】山深い渓谷に溶け込む 調和の取れた紅葉美(岡山県苫田郡鏡野町)

「名勝」とは、日本における文化財の種類の一つ。本連載では国指定名勝の庭園、峡谷、海浜、瀑布などを、臨場感あふれる撮りおろし写真で紹介します。旅に出たような気分で、日本の美しい景勝地の数々をお楽しみください。(ひととき 2019年11月号「名勝アルバム」より)

 岡山県東部を流れる吉井川上流に位置し、花崗岩の柱状節理と浸食によって形成された奥津渓(おくつけい)。もともと交通アクセスの悪い一帯で、一般にほとんど知られていなかったが、大正3年(1914)に現国道179号が開通すると、その美麗な景観に一躍注目が集まった。今では岡山県を代表する景勝地の一つとして、県内外から年間12万人が訪れる。

 新芽の春、清流の夏、樹氷の冬、四季折々に優れた渓谷美を堪能できるが、なかでも紅葉の秋は格別に趣深い。「多彩な紅葉が無理なく渓谷全体に溶け込み、調和の取れた景色を生み出します。毎年開かれる奥津もみじ祭りには、およそ3、4万人が訪れます」と、鏡野町観光協会の難波庄司さん。

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 昨年、この地域は台風に襲われ、土砂崩れなどの被害を受けた。観光客も激減した。

「奥津渓の紅葉は、鏡野町の宝。今年は大きな災害もなく、祭りを迎えられる。この美景を多くの人に体感してもらいたいと思います」

蛭子 真=写真

◉名勝指定
昭和7年(1932)4月19日
岡山県苫田郡鏡野町
[問]鏡野町観光協会 ☎0868-52-0711
http://www.kanko-kagamino.jp/
毎年10月下旬〜11月中旬にかけて開かれる奥津もみじ祭り。2020年は10月31日(土)~11月15日(日)に開催される予定。期間中は夜のライトアップも行われ、黄金色に輝く幻想的な紅葉が楽しめる。

出典:ひととき2019年11月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。


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