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公園(終わりはどこなのか)

日曜日、何もしたくないけれど部屋にもいたくなくて、近くの公園をぶらぶらすることにした。

公園に着くと、何処からともなくQueenのAnother One Bits The Dustがきこえてきた。誰かが爆音で流しているようだ。特徴的なベースのフレーズが繰り返される中、渋い顔をしてベンチで本を読む人。よくこの環境で本を読める、と感心して通り過ぎる。

公園を抜けたところにある喫茶店で、おしゃれなシナモンナンチャララテを手に入れて公園に戻る。

公園で流れている曲は神田川に変わっていた。
「あなたはもう忘れたかしら、赤い手拭いマフラーにして……」

温かいラテをすすりながら、公園の石に腰掛けてぼんやりする。子どもが駆け抜け、2人組がキノコを見つけて珍しがり、足早に通り過ぎる人あり。
いろんな他人の気配を感じて心が解れる気がした。

そうして、今週は少し元気になってきた。
元気になって、会社の人とランチなどにも行った。笑った。
元気になって、そして、死にたくなってきた。

今までも何度もこんな夜を乗り越えられたのだから、飼い慣らして、大丈夫。大丈夫。
こういう日に人はお酒を飲むのだろうか。でも、お酒を手にしたら、わたしは本当に死んでしまう気がする。

軟弱な甘ったれだな、と自分を嘲笑い、布団で目を閉じる。

次に目が覚めたら、わたしの自我は消えていて、なんだか勝手にこの体が動けばいい。もう人生はほとんどルーティンなのだから、わたしの意識なんて必要ないじゃないか。苦しいだけだ。乳幼児期は自我なんてなかったのに生きていたじゃないか。目が覚めた時、わたしは消えていればいいのに。

そんなことを願いながら。明日が来る。

最後まで読んでくれてありがとう。