中禅寺湖と赤い大鳥居

湖底に見える都(日常の中の不思議ファイル 7)

昔、湖底に眠る都を見に行ったことがあります。
それは日光の中禅寺湖でした。

いろは坂を登り切って中禅寺湖畔に出ると
立木観音の方に左に曲がる道があります。

立木観音を通り過ぎてまっすぐ行くと、
有料道路になる予定だった道に出ます。

そこは途中で終わっていて行き止まりなので
そこを行く人はあまりいません。

ある晴れた日。
友人の車でその道を登っていきました。
そして途中、みさきのように突き出たところがあり、
そこに車を停めて、さらに3、4m先までいくと

美しい中禅寺湖が見えました。

「あそこを見て、あの場所に都みたいのが見えるでしょ。」

友人が指さす方を見てみると
湖の中にゆらゆらと、
碁盤の目のようになった京の都のようなものが見えます。

それは晴れた日に光が底までとどく時間帯でなければ見えないものらしく
友人も先輩に教わったと言っていました。

その場所からでしか見えないのだそうです。

その時は不思議に思ったのですが、
あまり深く興味も持たず、それきり忘れていました。

それから20年以上、ふと思い出したら
もう一度あれが見たくなって

日光に行くたびにもう何度もその道を通るのですが
その見えるポイントがどのあたりだったのか
すっかり分からなくなってしまっています。

木々もあれから大分大きく成長して、もうどこがどこやら。
午前中だったのか午後の光だったのかさえ、思い出せません。

もし情報を知っている方がいたらぜひ教えてください。

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