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羽黒山神社(日常の不思議ファイル 34)

羽黒山神社の宮司さんの夢枕に大神が立ちました。
40年以上まえくらいの話です。

出羽三山ではなく栃木県の羽黒山神社の話です。

栃木県神社庁によると
江戸時代、宇都宮城主奥平公が出羽の羽黒山の分霊を祀った。
との記述がありますが、

地元の言い伝えによると、
地元の豪族が東北の安倍一族と戦った時、
福島にある羽黒神社からご神体を盗んできたという話が伝わっています。

現在の感覚から言えば
ご神体を盗むなんてなんて罰当たりな!と思うのですが、
どうやら相手方を守っている神様をこちらに持ってきてしまえば
相手は神の加護を失ってこちらが勝てる、
ということなのではないか、と思います。

そして、この羽黒山神社は梵天祭りでとても有名なのですが
その祭りというのが
町内の班ごとに長い孟宗竹を持って練り歩き、
羽黒山のふもとの一の鳥居から、
竹の先を大きくしならせて、しめ縄を切りながら上に登っていきます。

それを見て、これは私個人の感覚ですが、
相手方のご神体を盗む時、結界を破りながら行ったなごりではなかろうかという気がします。

それはさておき、車で頂上付近まで行けるのですが、
さらにそこからゆるやかな長い階段をのぼって神社にたどり着きます。

頂上の神社の手水舎の脇には石の碑があって、
この水はふもとから引いていたが
長い年月に管が古びて水が枯れていたところ、

ある時宮司の夢枕に大神が現れて井戸を掘るように言ったとあります。

令和の時代から見れば、ずいぶん前の話ですが
テレビも電化製品も宇宙ロケットもあった時代に
夢を信じて井戸を掘ったというのがかなりビックリな上に、

そこは山の一番上なのです。
水が出たというのが不思議です。

東京から高速で一時間ちょっとで着く場所です。
可能なら一度訪れてみると、山全体が不思議なエネルギーに満ちていることに気がつくかもしれません。

今年の二月、友人たちとこの山の前を通った時、
上記のような話をしたら、口々に行ってみたいという話になり

冬の早い日暮れ、4時くらいでもう暗くなりつつあったのですが
行けるところまで行こうということになりました。

周りはどんどん暗くなっていくのに
暗闇に目が慣れた、という理由だけではなく
階段のところだけがほんのり明るく、私たちはどんどん登っていきました。

神社の境内も全体が薄明るく、
冬なのになぜかあたたかささえ感じる羽黒山神社に手をあわせ、
お参りしてまた薄明るい坂道を降りてきた時には
すっかり夜になっていました。
振り返った階段はもう暗くて先が見えません。

私たち4人を守ってくれていたのでしょうか。



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