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出産レポート|誇りをもって

出産直前〜産後24時間の記録です。
現在は3/15 朝6:00
こんなんだったな…と
自分が振り返えれる用、夫に詳細を伝えたくて
整理するために書きました。

出来るだけリアルに、そのまま書いたので

※血やお下の描写あり〼
※あくまで個人の一体験・感想にすぎません

※出産体験は本当に様々なので、妊婦さんやこれから妊娠を望む人が「自分事」として読むのはオススメしません。(私も出産前にレポをたくさん読んで不安を煽られましたが、必要なかったと思っているので…!)

 こんなこともあるんだ!こんな感じなんだ!と、「第三者目線」でいることをオススメします。

●出産前日〜陣痛まで

3/13(水)39w5d 検診日

*14:00 検診
 予定日2日前ということもあり、通称:内診ぐりぐりをされました。…卵膜剥離(らんまくはくり)と呼ばれる分娩誘発方法の一種らしいです。先生が子宮口に指を入れ、グリグリとされます。人によるそうですが、私は結構痛くて…帰宅途中も痛みが尾を引いてました。

*16:00 帰宅 前駆陣痛はじまる
 前駆陣痛は、37wに入ってからしばしばありました。生理痛のような、下腹がきゅーーーとなるような痛みが不規則にやってきます。この日もそれがはじまったなーと思っていました。

●陣痛のはじまり

*18:00 前駆陣痛レベルアップ
 いつも感じていた生理痛のような痛みとは一線を画す痛さがありました。下半身全体が、同時に痛みはじめるような感じです。ただ、時間を測ると不規則で、なにより「まだ耐えられる痛さ」でした。

*19:00 間隔がまばらながら10分をきる
 「痛み」が、8分後、5分後、4分後、5分後…と不規則ながら短い感覚で襲ってくるようになりました。いてててて…とその場で固まってしまうレベルの痛みです。「まだ耐えられるレベル」だと判断して隙をみてご飯を食べました。
 今日内診ぐりぐりされたからそのせいで、これもきっと前駆陣痛。今日は産まれないかも…の気持ちが半分、もういっそこのまま本陣痛になってくれ!が半分でした。

*21:00 痛みが強くなってくる
 ここへきてまた痛みのレベルが上がりました。「いてててて…」から「いっっっっっっっ!!」くらいで、何かを強く握ったり、痛い痛いと声を出して発散しないと気が変になりそうなレベルでした。1分〜1分半痛みが続いて、5〜8分後にまた痛くなる…を繰り返していました。でも、個人的には「まだ耐えられるレベル」と思っていて。

 痛みの間隔にバラつきがあり、まだ陣痛ではないと思っていましたが、のちの聞き取りでこのあたりの時点から本陣痛扱いとなりました。

*22:00 病院へTEL
 痛みがある間隔は変わらず5分〜8分くらいでした。21時からのレベルと変わらず、「声が出る、何かものを握ってないとしんどい、でもまだ耐えれる痛み」である旨を病院へ連絡しました。
 気持ちは速く病院へ行きたかったのですが、「まだ前駆陣痛かもしれないからもう1時間、家で様子見てほしい」との回答でした。実際、痛みが消えてしまうこともあるらしいので仕方ないのですが、心細さはMAXに…

*23:00 再度病院へTEL、いざ出動!
 1時間様子をみて、痛みのレベルがまた上がりました。下半身、主に恥骨と肛門周辺がビリビリドリルされているような痛みです。もうこの時点で、痛みがあるとき誰かと真っ当に会話をすることはできませんでした。病院への電話も苦し紛れでしたが、「とりあえずきてください」との解答。これは「返される可能性あり」なので、どうか陣痛が進んでますように…と祈りを込めて車に乗り込みました。
 移動の間2〜30分ですが、既に3回痛みの波があり、車内で苦しむ…。間隔は3〜8分くらいでまばら。もっと均等にくることをイメージしていたので、不安な気持ちが止まらず「とりあえず」で病院へ。

●病院到着〜陣痛室(呼吸と痛み・おしるし)

*23:30 病院到着、子宮口3センチ
 到着してみてもらうと、子宮口は3センチ。「全開が10センチだから、まだまだです」「このまま陣痛が遠のく可能性もある」の2点を言われました。軽く絶望…(苦笑)そして、「呼吸が浅すぎるのが痛みの原因かもしれない」と息の仕方を教わりました。

 今までは、痛みを感じるままに「声を出す」「近くのものを握る」をしていたのですが、これをすると全身にも子宮にも力が加わって硬直・筋肉が収縮するので、お産が長引くと言われてしまったのです…!

 ありがたいけどもっと早く知りたかった!!
 2時間くらい前からずっと力んじゃってる!!
 と、軽く絶望(2回目)

 ここから、痛みが来るたび「鼻から長く吸って口から長く吐く…」をひたすら繰り返すようにシフトします。つい手をかたく握ってしまいがちだったのですが、都度注意され我慢しました。(この、息だけで痛みを紛らわすのが最初はけっこう難しかったです)看護師さんからは、「ここからは体力勝負になる。今は痛みがない間どのくらい休めるかが一番大事。痛くないときはウトウトするくらいが丁度いいからそうなれるようにしっかり呼吸をしよう。」と言い聞かせられました。

 なんと、この呼吸方法を教わって慣れると楽になり、一時期陣痛が遠のきます(1時間のあいだに痛みの波が4〜5回しかきませんでした←それでも十分痛いけど…!まだ分娩には程遠いということで。)返されるのが嫌で、明日になれば夫が出張でいない、最悪遠のいてもいいから一晩ここにいさせてくれと、痛がりながら看護師さんに懇願しました(必死)

*24:30 一旦入院確定、陣痛室へ移動
 懇願してる間にまた痛みが強くなってきて、またお股をチェック。少し進んでいるかも?となり、とりあえず今晩は入院してみるか?と話が進んでいきます。夫は、言葉を交わすことなくいつのまにか帰されてました!(まだコロナ禍の影響で立ち会いNG、病棟も立ち入り不可だったので、やむを得ず退却!)LINEで声援メッセージをくれていたのに、読めたのは産まれたあとでした。(可哀想な夫…←)陣痛室へ案内され、しばらくここで様子見だね…となります。

*24:30〜 陣痛室で孤独な闘いスタート
 出産で呼吸…というと、「ヒッヒッフー」しか頭になかったのですが、今回その掛け声は一切登場しませんでした!
 夜間の陣痛室は私以外誰もおらず、暗がりで一人、痛みがきては「鼻から長く吸って口から長く吐く…」(調べたら、俗にフーフー呼吸というらしい)を繰り返します。一回遠のいた陣痛ですが、5分に1回は激しい痛みがくるように。
 そのうち、痛みが強すぎて「口から吐ききる」ことが出来なくなってきました。勝手に身体に力が入って、手足が痺れはじめました。(どんな痛みについてかはこの後で。)

*2:00〜 おしるし!助産師さん登場
 フーフー呼吸が難しくなって、痛みを逃すために身体に力が入ってしまったとき、「あ、股からなんか出た」となりました。ナースコールを押して伝えると、破水かおしるしかな?ということで(この間も5分おきくらいに痛みがくるので)痛みが途切れているうちにトイレへ。

 下着を下ろすと……大量のネバ血!でした

 「重たい日の生理」みたいな感じで、赤黒い血のネバネバこってりの塊がそれはそれは大量に出ていました。一瞬怯みましたが、助産師さんが「おしるし」だから大丈夫!と心強い言葉をくれました。(おしるしって薄ピンクとか茶色っぽいとか色々説があってどんななの?って感じでしたが、私の場合のおしるしは超グロテスクだった。)

 おしるしが出ると、もう陣痛が遠のくことはないから産まれるよ!と声をかけてもらいました。帰らなくてすむ!もう産まれるんだ!と嬉しくなって、「あとどのくらいで産まれますか?」と質問したら「進み具合によるけど…今日の日付中には。」と言われてあと22時間あったので軽く絶望(3回目)

 相変わらず痛みは5分感覚で、かなり大きくなってました。でもこのとき子宮口は5センチ。痛みと闘いはじめて8時間経過していましたが、全開までまだ50%だったのですね…。ここから産まれるまで助産師さんがつきっきりで、呼吸を終始サポートしてくれました。孤独からの解放です。


〜閑話休題〜「陣痛ってどんな痛み?」

 いろんな表現がネットででいます。鼻からスイカ…とか。その中から私がしっくりきたのは『肛門ドリル』と『とんでもなく大きいウンチを出す感じ』の2つでした。

 『ドリル』の方は、フーフー呼吸でなんとか逃がせるくらいの痛み。とにかく肛門を中心にドリルでガリガリされた衝撃が下半身全体へ一気に痛みとしてドーーーン!と衝撃的にくる感じです。(伝わるのか?これ)

 そしてもうひとつの『大きいウンチ』はこれ以降(おしるし後)の記録で感じた痛みですが、ちょっとイメージしてたニュアンスとは違っていて。パッと聞くと、「大きいウンチが出そうな感覚で痛い」と思っていたのですが、全く違いました。
 もうどうにも、逃しようのない・説明しようのない痛みが全身を襲ってきます。よく陣痛を『骨折以上、指切断未満』と言ったりするそうですが、痛みの感覚・種類が別物で。外からの刺激で痛いというより、もっと内臓的な、身体の芯から込み上げる激痛…。普通そんなに痛かったら、声をあげたり、目を強く閉じて身体を強張らせるところ、分娩をすすめるには力を入れてはダメで、深呼吸を求められます。
 でも深呼吸だけでは逃せない痛みです。絶対に力が入ってしまう。そのとき、最後に力が込もるポイントが、肛門でした。(これは俗にフーウン呼吸というらしいのですが)激しい痛みがくると息をフーーーーーと吐ききる、息が全部なくなった瞬間にグワっと身体にとんでもない力が入るのでウンっと踏ん張る。…その力が自然と最後に肛門に集結して、『大きいウンチを出す感じ』になる!と今振り返って思います。

 ちなみに、よく聞く「テニスボールを押しあてる」が効くのはこの時で、『息が全部なくなった瞬間にグワっと身体にとんでもない力が入る』瞬間、その対等になる形でお尻を押されると痛みの衝撃がちょっと中和されるので楽に感じます。

*2:30〜 出血が続くのに破水しない…
 ここから、陣痛がきてフーウン呼吸をするたびに股からは血が溢れ出てていました。(通常は出ないらしい)。痛い!と波がくる1回の陣痛で呼吸を4〜6回するのですが、フーーーーーウン!と息をひと吐きするたびに、ぶわぁ!と柄杓ひとすくい分くらいの水分が股からでている感覚です。
 私は破水かと思って、「水が…水がでてます、ずっと」と訴えていましたが、それが血でした。
 陣痛室のベットの防水シートを2回は変えました。助産師さんは何気なくやってくれて「お産進んでるよ!」と励ましてくれていましたが、ツンとする血の臭いがなんとなく不安な気持ちにさせます。持ってきていたショーツ3着が全部血まみれになって「もう替えがないです」と半泣きになってしまいました。病院着も血まみれになって一旦着替えます。(出血の原因は産まれたあと分かります)

 そうこうしてるあいだに陣痛はどんどん強くなってこの辺りは一番記憶が曖昧です。肛門あたりの刺激がだんだん強くなってきて、子宮口8センチ。赤ちゃんが降りてきてる、いいペースで進んでるから早く終わるかもよ?!と励ましてもらいました。
 「あとどのくらいで産まれますか?」と30分前と同じ質問をしたら「進み具合によるけど…今日の昼までには」と言われて、「12時間も巻けてる!」と希望が見えました。

 この頃から、陣痛がきてない時間は「いつか終わる、いつか終わる…」とブツブツ繰り返して口に出して、自分を奮い立たせていました。

*3:00〜 2〜3分間隔で陣痛
 ここから産まれるまで、痛みの強さはおそらくピークだったと思います。とにかく早く終わらせたい一心で、呼吸をアドバイス通りやることに専念していました。それでも、やっぱり痛みに負けて変に力んだり声が出たりしてしまって。「今、上手くできなかった」「どうしよう、もうダメかもしれない」と弱音が出るようになりました。その度に助産師さんが「そんなことない、できてたよ!」「上手だよ、赤ちゃんどんどん降りてきてるよ!」「初めてなのにすごいよ!」と褒めまくってくれました。
 この助産師さん、陣痛が来るたびに例の「テニスボールを押し当てる」のをやってくれていたのですが、なんとテニスボールじゃなく、素手で!!終始、ずっと素手!ピンポイントで、ものすごんごい力で押してくれるんです…。本当に助かりました。よく立ち合いエピソードで旦那さんが「そこじゃない!」ってキレられる図を見てたのですが、納得です。あれやるのは想像以上に場所が(腰とかじゃなく)お尻の穴で、とにかくタイミング重視、且つめちゃくちゃ力が必要なのだから…!

●分娩室〜お産(破水せぬまま…)

*4:00〜 1〜2分間隔で陣痛・子宮口9センチ
 子宮口がほぼ全開に近くなり、分娩室へ移動することになります。終わりが近づいている感じがして嬉しかった!時計をみて、「よよ、よじ…!(4時)」と驚愕しました。こんな長時間、寝ずに自分が何かを頑張り続けたことがなかったからです。
 ところが、足が痺れて立ち上がれません。そのあいだに陣痛がきてまたフーウン呼吸…産まれたての子鹿のように震えながら、助産師さんにしがみついて気力で分娩台にのぼりました。このときはずっと横向きの姿勢で、痛みはMAXなものの出血は少しおさまっていたと思います。

 肛門への刺激がどんどん増してきました。本当に、とてつもない大きさのウンチが迫ってきている感覚でした(迫っているのは赤ちゃんなのだけど!)
 そして、分娩台に上がってからは一旦先生が様子を見に来てくれ、ついに子宮口全開宣言!陣痛間隔も1〜2分とかなり短くなりました。待ちにまったはずが、ここから私にとってさらに厳しい時間になります。
 陣痛間隔1〜2分…ということは『体感60秒くらい陣痛(激痛)がありその間5〜7回呼吸、1〜2分は痛みが遠のいたあとまた60秒…』というループにハマっている状態です。出血が原因なのか、体力の限界なのか分かりませんが、陣痛がない1〜2分間で何度か落ちそうになりました(眠いのか気絶なのか謎だけど、意識が遠のきそうになる)。つまり、落ちそうになって呼吸を忘れる→陣痛で叩き起こされる→慌てて呼吸するのループに突入しました。間隔が1〜2分なので、これを何回繰り返しているのか、あとどのくらい続くのか、途中ワケが分からなくなりました。もうすぐ赤ちゃんに会えるとか、何時までに産まれるとか、一切合切考えることなく、ひたすら耐える・呼吸をするの繰り返し……
 この間に試験管5本分採血されたり、血圧測ったり、点滴が入ったり…と腕にブスブス針を刺されまくっていたのですが、陣痛が痛すぎてほぼ何も感じていなかったです。

 どれくらい時間が経ったか分かりませんが、肛門への刺激は更に強まりました。どこからか助産師さんの「赤ちゃんまた降りてきた!」という声でふと正気になり、「速く出てきてー!」「もっと降りてきてーーー!」と何回か叫びました。

*5:00〜 下半身に激痛、絶対何かある!
 このときも、分娩台の上で横向きに体勢を変えながらフーウン呼吸をしていました。叫びはじめてから何回か陣痛を越えると、痛みがないはずのタイミングなのに、明らかにお股が痛い。激痛というよりはなんだか違和感…これまできていた痛みとは種類が違う…明らかな「異物感」でした。

 「なんか…もうある!股になんかある!」

と咄嗟に叫んでました。「大丈夫だよ、見てみるね」と助産師さんが優しく落ち着いて、よくドラマとかで見るM字の体勢へ。でも足が痺れてぷるぷるなんです。それにM字の体勢になるとまた陣痛がきそうで怖くて、なかなか足を広げられませんでした。この時点で顔も手も血管がモリモリ込み上げてきている感覚があり、どこもチリチリと痺れてました。

 股を広げて確認した助産師さんが、空間へ向かって「もうお産に入ろうか!!」と言いました。すると看護師さん2人が追加で駆け寄ってきて、分娩台の高さが変わり、みるみる自分の周りが動き始めます。「今ね、赤ちゃんの頭がもう出てお股に挟まってるから、準備できたらすぐ出しちゃおう!!!」

 『赤ちゃんの頭が出てきて挟まってる』?!

 一回頭の中で繰り返してようやく理解しました。もうすぐ出てくるのか…終わるのか、この痛みが。速く、速く。一気に周りが準備をしているこの間にも、何回も陣痛の波がきます。
 思いきり力を込めたい、いきみたい。でもまだ待って待ってと言われ、「もう無理だ、出そう」とパニックに。助産師さんが「大丈夫、今までできてたんだから!できるから!」と優しく叫び返してくれます。なんとか呼吸をしていきむのを回避しました。

 そして先生が満を持して登場。そこで、出血が長らくあったこと・破水をまだしてないがお産に入ることを助産師さんが説明しているのを聞いて、私も状況を把握しました。
 あとから自分で調べたのですが、破水をしていない=まだ膜の中に赤ちゃんはいる状態だそうで。つまり、『膜に包まれたままの赤ちゃんが頭の上だけ私の股からこんにちはしている』…と。
 ふと赤ちゃんが元気か気になって、「赤ちゃん元気ですか?」と確認したのを覚えています。「元気いっぱいだから大丈夫よ!」の回答のあと、助産師さんから説明をされました。

 「今から先生が膜をやぶって破水をさせるから、次の陣痛がきたらお股を切るね。もう今まで我慢してたウンチをドーンと出す感じで目いっぱいいきもうか。目をグッと開いてね。一気に出そう。もう終わるから。朝ごはん食べられるね!」

 「もう終わるから」
 ずっと聞きたかった言葉でした。
 そこからは速かったです。

 先生が絶妙なタイミングで破水をさせる→会陰切開(ここは全く痛くなかった、陣痛の1/10000くらい)→全いきみ全集中。頭が出た感覚がありました。そのままいきみ続けて出すぞ…!と思ったら『まだまだまだまだまだ!!!』と自分以外のその場全員から言われました。
 助産師さんが、「まだいきまないで!短く呼吸しよう!一緒にこれやって!ハッハッハッハッ…」と慌てていいます。私はいきみかけていたので、慌ててハッハッハッと短く息を吐きました。(これも後から聞いたところ、臍の緒が1回首に巻き付いていたそう)
 「よし!もう一回力入れようか、せー」くらいで、私は耐えられず2回目の全力いきみをしました。ドゥルルルルルルルルンと生まれて初めての感覚のあと、「「「おめでとうございます!」」」のコールとともに、血で真っ赤な赤ちゃんが元気に泣いているのが見えました。

  3/14(木)朝5:30
  3048gの男の子が産まれました。

私の胸元に防水シーツが敷かれ、産まれて10秒後くらいの赤ちゃんを置いてくれました。本当に真っ赤でした。(やっと会えたね…)と涙したりするのかと思っていたのですが、私の頭は「やっと…終わった………疲れた…」でいっぱいいっぱいでした。それでも、元気に泣いている赤ちゃんを目の前にすると「かわいいなぁ」とつぶやいていました。

●産後処置〜放心モード

*5:30〜 産後の処置
 ①胎盤を出す
 ②股を縫う
  の2つをこれから先生がやるね、痛いよ
  と声をかけられ。
 「陣痛に比べればへっちゃらよん!」と無双状態だった私ですが、①がめちゃくちゃ痛かったです。上からお腹をおされて、股からぐにょぐにょされて…呼吸とか気にしなくてよくなった反動で、痛い!痛い!と言いまくってました。
 ②も終わった後(縫うのは麻酔が効いていたので痛くなかったです、縫われてる感覚はずっとありました)、胎盤と、もう一つ目視できるくらいのレバーのようなものがトレーにのり、運ばれていくのが見えました。先生から「胎盤のとなりに血腫があって、それも綺麗にしました」と説明されます。(だからぐにぐに、時間がかかったらしい)この血腫が、出血の原因だったということでした。血腫が何でできたのかは、これから病理に回して調べてもらいます、とのこと。

 何より無事に産まれてきたこと、お産も上手でした。と先生から言っていただいたきました。助産師さんに産まれるまでの時間は妥当か聞いてみると、「初産婦さんなら速いほうだったね!」との回答で「これで…速い………?!だと?!」と驚愕しました。

*6:00 全工程終了
 ここで、元気に泣いていた赤ちゃんが綺麗に拭かれて、スマホをあずけ写真を撮ってもらいました。多幸感でいっぱいだったのですが

 『呼吸が苦しそうだからNICUに入るね』

と新生児科の先生から説明がありました。まだ何が原因か分からないから調べるためにも…とのことで、一気に不安になります。聞きたいことはいろいろあったけど、元気だから、大丈夫だからね、と言われて、安心してお預けすることにしました。

*〜9:30 身体が全く動かず、分娩室で待機

 そのあとしばらく、頭はぼんやりしていました。動こうとしても、顔と手足が痺れて上手く動かせません。スマホは触ってよくて、指も使えたのでとりあえず連絡できるところには産まれたと連絡をしまくりました。
 しばらくは動かないで、ここで寝ていていいからと言われて、お願いして電気を暗くしてもらい目を閉じました。めちゃくちゃ眠いはずなのに、アドレナリンがすごく出ているからか、さっきまでの出来事をずっと脳内で反芻してしまいました。朝ごはんも、そのまま分娩台の上で食べました。

●NICUでの面会

 入院部屋までは車椅子で運んでもらい、そのまま午前中はとにかく身体を休めてくださいと言われました。最短で14時くらいに新生児科の先生から説明ができるけど、疲れていたら無理せず、一旦ご主人にだけ説明を…とのことでしたが、車椅子でも聞きにいきたいです、と伝えました。そして午前中は、そのことで頭がいっぱいになりました。
 もしも何かあったらどうしよう…という気持ちが2割くらい、いや、きっと元気だよ!という気持ちが8割くらい、というのが本音です。「私が上手く産めなかった(呼吸やいきむのが下手だった)からかもしれない…」というようなことが一瞬だけ頭をよぎったけれど、そんなことを私が思うのは誰も望んでないだろうと分かって、考えませんでした。ポジティブなことを一生懸命考えました。

 赤ちゃんは「肺気胸」でした。
 回復にむかっていることが分かって安心したし、何よりその日のうちにまた会えることが分かって、本当に嬉しかったです。

 面会にいくと、保育器の中で点滴や鼻チューブ、心電図…たくさんの線に繋がれたわが子が眠っていました。まだ胸が不自然にペコペコ動いているのが分かりましたが、それよりも可愛さが何倍も強かったです。保育器のふたつの小さな穴から自分の手を入れることができて、右手で太ももを撫でました。左手の自分の小指は小さな手にあてて、余った親指でやわらかいおでこを撫でました。

 「○○(候補だった名前)、えらいね、がんばったんだよね」と声をかけると、赤ちゃんがあてていた私の小指をキュッと握って目を開けてくれました。

 担当の看護師さんが、わ!初めて目をあけた!と声をあげ、「ママの声が分かるんだね」と教えてくれてたとき、産後はじめて涙が止まらなくなりました。

 これほど強い「生命力」を感じたのは生まれて初めてだったのです。これまでの誰の、どんな言動よりも命が溢れていました。まだよく見えない目で、私を見つめようとしてくれているあどけない眼差しが、圧倒的な いのち そのものでした。

●出産直後の体調(常位胎盤早期剥離だった)

*出血の理由
 …症例名として「常位胎盤早期剥離」がつきました。私でも聞いたことのある、ネットでググれば凄く不安になることが書いてある事例で、赤ちゃんと子宮をつなぐ胎盤が先に剥がれてしまうことを言うそうです。ただ今回は、「妊娠中」ではなく「分娩中」の剥離であること、剥がれた箇所が僅かであることから一般的な危険度とは違うと説明を受けました。(胎盤と一緒に取れた血腫は、剥がれた胎盤と子宮の間にできたものでした。)

*会陰切開のあと
 しばらくは出血が続くそうで、やはり痛いです。歩き方も変になります!痛み止めを処方してもらいました。課金して個室を選んでいたのですが、トイレが部屋の中にあるのがとてもありがたかったです。
 「帝王切開だったら10センチくらいお腹を切るし、お腹だけじゃなく子宮も切ってるからね…」と病院の先生が言っていたのをふと思い出して、やっぱりどんな形でも出産は命懸けだと実感しました。

*とまらないアドレナリン
 14日のうちは、上手く眠ることができませんでした。どうやっても目が冴える!その勢いでこの文章も書いているくらいです。私自身がペースメーカーを入れている関係で常にモニター心電図がついていたのですが、産後もしょっちゅう脈拍が100オーバーになってアラートがなり続けました(通常時の脈拍設定が60〜70くらい)。陣痛中の脈拍は常に140〜200をキープしていたので、本当にペースメーカーもよく私の心臓をフォローしてくれたなと思います。相棒、戦友だ!

*後陣痛
 妊娠、出産によって大きくなった子宮が元の大きさに戻るときの収縮で痛みを感じることを後陣痛、というそうです。私も初めて知りましたが、定期的にキリキリキリ…と下腹がいたくなりました。今も痛い。しばらく続きそうです。あと、お腹の皮が全体的にぶよぶよしている感じがします。

*筋肉痛
 産後12時間経っても、顔と手足はずっとピリピリ痺れたままでした。そのあと、筋肉痛に変わっていく感覚があり、今に至ります。

 「貧血」「股と下腹が常に痛い」「脈拍は不安定」「慢性的な筋肉痛」「身体の痺れ・浮腫み」「なんだか分からないけどガタガタの腰」……これらが『産後の身体は交通事故』と言われる所以かと思い知りました。ヒトの身体ってなんという仕組みなのだろうか…!!!

●よかった

もうこれ以上は語れない、
無事でよかった、生きててよかった!!!
それに尽きる!

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