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英語が出来るということ

4年前に英語講師として独立した当初から、ストアカというスキルシェアサービスを利用して英語を教えています。TOEIC、発音、英会話、といった真面目な内容からバスツアーやカラオケに至るまで、様々なレッスンをご提供しているのですが、昨日は今年に入ってから毎月開催しているEnglish Speaking Clubの日でした。2時間のレッスンのあいだ、英語だけで話しましょうというコンセプトの会で、参加費は3000円。

何十人という自分の生徒さんを日々教えていてなんとなく思ってきたことばかりなのですが、昨日の会で「英語が出来るということ」についてかなりハッキリと見えてきたことがあるので書いておこうと思います。

世の中には色々な資格試験があり、TOEICや英検もその一つですが、語学力というのは世界的にはCEFRという(ヨーロッパ言語共通参照枠 )という、言語能力を評価する国際指標で測ります。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠 )スケール

日本人の平均はどのレベルだと思いますか?実はA1〜A2レベルです。

先に現実を言いますが最後まで読んでくださいね。

どんなに自分で「この一年間何十万も費やして英会話スクールに通って頑張った!」と思っても、A1からA2まで上がっただけ……Aレベルの枠を抜けられない!という人が、実はたくさんいます。もちろん一個でもレベルが上がれば素晴らしいのですが、ガッカリするということは、もっと行けると思われていたのだと思います。

そんな人たちを慰めるかのように出来た日本だけの基準があります。それはこちら。

CEFR-Jとは

その名前CEFR-J。

要はより小さなさ成長を感じられるよう、Aレベルをさらに細かく分けたわけですね。

それはそれでいいのですが、日本国内でしか通用しない独自のスケール。ちょっと悲しいですよね。

私も一英語講師として、「どうしたら日本人の英語が世界に認められるレベルになれるだろう」ということを日々考えているわけですが、ホテルのコンシェルジュなど接客業の経験が長いためか、私自身がやりたくないことをやれと言われることが好きではないためか、どうも生徒さんが気が進まないことをやらせることに抵抗がありまして。結局はご本人が納得しない限り「英語が出来る」状態にはならないのではないかと、この4年間、どちらかというと顧客満足を第一に考えてきたところがありました。

でも、やはり世界で言う「英語が出来るとは」ということを示してあげることも大切だなと思うようになったのです。どうせなら世界に通用する英語を話していただきたいですからね。

このビデオを観てください。ケンブリッジ英検PET(B1レベル)のスピーキングテストのサンプルビデオです。

CEFR B1レベルの英語力

小さいのにすごいなあ〜と思いますよね。

完璧ではありません。正直、間違いもたくさんあります。

でも、「話せるふう」とでも言いましょうか。少なくともこんな人がいたら、英語でコミュニケーションが取れる相手だな!と思いませんか?旅行先で困ったとき、助けてもらえる可能性が少しはありそうだと思いませんか?

B1レベルとは日本の英検で言うと2級程度だとされていますが、2級を持っている人がここまで話せるかというと、疑問だと思います。また、TOEICに関してはSWまで受けないと比較も出来ません。

ではどうしたらB1レベルのスピーキング力になれるのか?ということを考えてみたとき、私はこんなことがポイントだという結論に達しました。

B1レベルの英語力に必要なポイント

1. 相手の目をきちんと見られる
2. 「これを言ったら恥ずかしい」「こんなことまで言う必要はない」という考えは捨てる
3. 一言で終わらせず、必ず「何故そう思うか」まで説明を試みる(because...)
4. 英語の韻律(英語らしいメロディー)を奏でる←ぶつ切りにせず、流れるように話す特に語尾は少し伸ばす
5. 英語が好きそう。話しているのが楽しいのが伝わる
6.自分が出来る範囲で一所懸命伝える努力をしている

B1レベルに関して言えば、難しい言葉を使う必要は決してありません。まずは上記の6個のポイントを押さえるだけです。

海外留学経験がある人たちが「英語が出来て羨ましい」と言われがちなのは、なんだかんだ言ってこんなポイントを押さえることが重要だと気づく機会に恵まれただけではないかと思います。決して、海外に住んだら英語が自動的に上達するというわけではないと思うのは、何十年海外に住んでも、ネイティヴと結婚しても、中級者の枠から出られない(Bレベルより上には行けない)という人もたくさんいるからです。

要は、そのとき、そのとき目指すべき姿があるということですね。

さて、実はこの中で、2.の「これを言ったら恥ずかしい」「こんなことまで言う必要はない」という考えは捨てる

という項目が一番難しいという方が多いようなのですが、これに関して「何を言っても受け入れてくれる相手……母国語であれば家族や身近な人がする役割を担う人が、とことん練習に付き合ってくれる環境」が不可欠だと思っています。

「中学校の英語の先生が大嫌いな担任だったから英語も嫌いになった」という方も実にまた多いのですが、このことからもわかるように、やはり「なんでもしゃべりたくなるような大好きな先生」の存在は必要だと思うのです。そして、週一回の英会話クラスでしか会わないのではなく、日頃からメールや電話で日々連絡しあえるような関係性があれば理想的です。

レッスンメニューに関しても、対面、スカイプ、電話、メール、日記、などなど多数ご用意しているのは、「あっちがダメでもこっちは出来る」を拾うためです。本当は方法なんて何でもよくて、とにかく思いをぶつけて欲しいからです。

どんなに頑張っても身は一つなので出来ることに限界がありますが、それでも、出来るところまではやってみたいなと思っています。




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