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右野マコ『田舎の美少年』

 この漫画の1巻を数ページ読んだ時点で、わたしは心の中で叫びました。

 「この作品を今すぐ川端康成先生へお届けしたい…! どうやったらプレゼント出来るの!? 〝Amazonあの世便〟とか無いかな!?」

 と…!

 読み進めていけばいくほど、その思いは強くなり、

 「三島由紀夫先生にも送りたい…! 間違いなくお好きだと思う…!」

 と、どんどん贈りたい文豪が増えていきました。

 なぜか?

 それはこの作品に美少年が出てくるからです!

 Amazon様、どうかこの世からあの世へ宅配が出来るシステムを構築してください…✨

 …思わずテンションがおかしくなってしまいました。

 さて、この漫画がどんなストーリーなのか、あらすじをご紹介します。

 まず、男子高校生:一成(かずなり)が田舎に引っ越してきます。

 う…うーん…なクラスメイトたちの顔を見て、一成はテンション下がり気味。

 そんな中、一成は発見します。

 美少年を!!

 その名は宏伸(ひろのぶ。愛称ひろ)。

 一目見た瞬間。

 雷に打たれたような衝撃!

 100000000000のダメージ!

 一気に「魅了」状態に!!

 テンションが異常に急上昇した一成は目をひん剥いて、ひろにガッと詰め寄り、

 「えっ」

 「えっ」

 「ねえ君どうしたの?」

 「ここで何してんの??」

(右野マコ『田舎の美少年』第1巻P4から引用)


 と、ひろにガンガン話しかけます。

 …そう。

 人は、好みにどストライクな人が現れるとおかしくなるのです。

 一成のように…。

 ひろと出会ったことで、一成の人生は一変します。

 毎日大忙し。

 なぜか?

 出来たからです。

 朝も昼も夕方も、ずーーーーーーーーーーっとひろを至近距離でガン見し続けるという推し事が…!

 ひろにはさらさらストレートの髪、華奢な体、陶器のお人形さんのような整った顔立ちに、ぱっちりおめめが搭載されています。

 だから、一成はひろをガン見せずにはいられないのです。

 1秒たりとも無駄にはしません。

 ガン見です。

 両親は都会育ちの一成が田舎に馴染めるか心配しますが…、そんなの無問題。

 一成、物凄くイキイキしていますから。

 ひろの隣こそが一成の居場所。

 引っ越して来て良かったな♪ ウキウキウキウキらんらんらん♪ …と歌い出しまではしませんが、心の中は満開のお花畑。

 しかも、ひろも、その周りの人々も、ひろが美少年であることに全く気づいていないのがポイント。

 そのため、ひろは純粋そのもの。

 素直で人懐っこいひろのきらめく笑顔に、一成はハマりまくり!

 そんな一成は、ひろの魅力を独り占めしていることに罪悪感を覚え始め…、なんと、ひろがアイドルデビュー出来るよう目論みます。

 勿論、自分も一緒に。

 同じアイドルグループのメンバー兼ファン兼ひろ専属の敏腕マネージャー代わりとして。

 いつでも一緒。

 どこでも一緒。

 くっ、これが沼というものか…!

 …この感覚、きっと川端康成先生や三島由紀夫先生はお気に召してくださるはず。

 美少年を描くことに定評のある文壇ツートップなら…!
 (わたしの個人的な意見です)

 というわけでわたしは勝手に〝Amazonあの世便〟の爆誕を期待します。

 贈りたい…!

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