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「学校は休んでいい」ということ

子どもが二人いますが、どちらも学校が辛い時期がありました。
特に長男は完全不登校を経験していますが、
ここでは長女について書こうと思います。


1、腹痛を訴える

期待で胸を膨らませた小学一年生の春。
素直で控えめな長女はしばらくは楽しく通学していました。

しかし5月、運動会の練習が始まると途端に表情が曇り始めました。
そしてある日、朝起きると「お腹が痛い」と言い出したのです。
その頃、フルタイムで働いていた私は焦りました。
「今から病院?」「今日休めるかな?」「とりあえず様子見る?」
数分で今日の予定を決断を迫られる焦りを抱えつつ、それぞれのパターンでのシミュレーションを行い、目の前の苦しむ我が子の背中をさすり、、。
戸惑う親に娘は「大丈夫。行って来る」

そんな日が数日続き、
とうとう学校を休ませることにしました。

2、学校が辛くなるまで

実は、娘は腹痛を訴える前から、先生の指導の厳しさを漏らしていました。
特に大きな問題を起こさない彼女の隣にはいつも、ちょっとおとなしい子や、集中力が保ちにくい子が配置されていました。

そして、運動会の練習が始まると、いつも前の子が遅れるため、何度もやり直しになったり、注意がされるようでした。
娘は「見てたら(心臓が)ドクドクする」と言いました。
見ていることが耐え難くなった娘は、いつも背中に合図を送ったり、声を掛けたりしていました。そして、それは日頃の教室では求められてはずのこと。
しかし、ある日「おしゃべりしない!」と叱られたのです。
そして、解消できない苦しさが腹痛につながっていきました。

3、親がしなければならなかったこと

まず、私が娘に言ったことは、腹痛を先生に伝えることでした。
娘の体調について気付いてもらうことで、その後の対応につながると思ったからです。

しかし、実際に娘が実行して返ってきたのは、
先生からの「今、そんな話聞いてません」「お大事に」という言葉。
学校に伝えたい情報がこんなにも伝わらないのものなのか、と予想外の出来事に驚き、怒りを通り越して娘と共にくじけそうでした。

この時、夫は激怒しており、すぐにでも学校へ言いに行こうか、と言ったことがかえって私を冷静にさせました。

そこで慌てて、隣の先輩お母さんの元へ走りました。

すると、体調不良を伝えたいなら、第一に親が連絡帳に記入しなくてはならないこと、第二にだからどうしたいのか、伝えなくてはならないのだと、教えてもらいました。

小学生の子どもの言うことはあまり信頼がなく、親のサポートによって、その主張がとおるという事実は、悲しくもあり、親の力量を試されているようにも感じました。しかし、幼稚園や保育園のように、毎日先生と顔を合わせないのだから、連絡帳が大切な情報共有ツールであることを再認識し、また情報収集の大切さが身に沁みました。
初めての連絡帳は、先生に娘の辛さをどうして伝えればよいか、何度も何度も書き直し、なるべく事実を伝えました。
そして、無視され続けたその辛さが、伝えるためにも学校を休ませることにしました。

4、学校を休んでどうなったか

学校を休んだ日は結局たった一日でした。
それまでも「休む?」と聞くと、娘は「行く」と繰り返していました。
親の「できれば行ってほしい」という気持ちと、休むことへの抵抗感があったのだと思います。

私が「休んでもいいよ」と言った日、明らかにほっとしたようでした。
翌日には、すっきりとした顔で登校しました。
先生は、腹痛を訴えた時には保健室の利用を認めるとのことでした。

そして6年後。
ふいに娘が、「あの時学校休みたかった」と言ったのです。
どうしてその時は言えなかったのか、についてはまた書こうと思います。

とりあえず、まだ6年間続く学校生活。
私はすぐに教育相談の予約をとりました。
そのことを次回書きます。

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