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令和とRとヘボン式

4月1日11時41分くらい。新元号が発表された。
菅官房長官が掲げた額が、手話通訳者のワイプにかぶる瞬間を、私は職場で見ていた。

職場で耳にし、そのあとTLでも、さらにはヤフーでも見たのがこの問い。

Reiwaなの? Leiwaなの?

私は、発表後即「Reiwa」とわかっていた。

日本語の固有名詞は、ヘボン式ローマ字で表記される。
このルールを知っていたから。

ヘボン式ローマ字では、ら行はRなのだ。例外は無い。

日本語の固有名詞というのは、ちょっとわかりにくい。
一番身近なのは標識に書かれた地名(KyotoとかOsakaとか)、あとパスポートに書かれる氏名だろうか。

ヘボン式ローマ字

著名人の名前を借りて例を出そう。
女優の新垣結衣(あらがきゆい)さん。
Aragakiであり、Alagakiではない。

ヘボン式にはややこしいルールがある。
そのうちの一つが「ず」「づ」問題。
俳優の窪塚洋介(くぼづかようすけ)氏。
塚と書くのだから、濁ってもひらがなでは”づ” と書く。
だがヘボン式ローマ字では"du"ではなく"zu"と書く。"ず"と区別はない。でも”じ”はjiだ。

櫻井翔(さくらいしょう)氏。
Sakurai Shoだ。Sakulai Syoではない。「ら」はRaであり、「しょ」はShoなのだ。これもヘボン式ローマ字のルール。

翻って、元号はまちがいなく日本語の固有名詞だ。
昭和(しょうわ)はShowaであり、Syowaではない。これもヘボン式の表記による。大正(たいしょう)はTaishoなのも同様だ。

Lemonはどうするんだ!と言われても、あれは英単語なので。


ちなみに

蛇足ですが、ヘボン式ローマ字のヘボンについて。

ジェームズ・カーティス・ヘボンという、米国人宣教医のこと。
江戸末期に来日し、横浜で医療活動を行う傍ら、「和英語林集成」という日本初の和英辞典を編纂した人。
この時に用いた表記法が、現在のヘボン式ローマ字につながっている。

ヘボンはヘボン塾という男女共学のミッションスクールを開く。これが明治学院、フェリス女学院の前進。

James Curtis Hepburnと書き、オードリー・ヘプバーンと同じ苗字。
ヘボンは日本での活動時に、日本人にも発音しやすいようヘボンと称した。漢字で書くと「平文」。

なぜ私がヘボンに詳しいかと言うと…横浜育ちだからです。

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