痴漢問題を「男」が考えた その4

「君が仕事ができるのは、男だからだよ」

たぶん、これは私が今まで自分に向けられた中で最も性差別的な発言だと思います。東京で最後にバイトとして働いた会社でよく一緒に飲んでいた男性社員の言葉です。

この言葉、二重の意味で失礼だと思いませんか。まず「女は仕事ができない」という思い込み。しかもこれ、この人の奥さんも同席する前で言ったんですよ。女性に対して、ずいぶんな非礼です。奥さんはこの時どう思っていたのかなあ。そしてもうひとつは、私個人の能力ゆえにではなく「男性だから」仕事ができるのだという決めつけ。私が仕事ができたのはひとえに私という人間の努力の賜物なのであって、男性だからではない。

その時は、内心憤りを感じながらも喧嘩は好きではないので、怒りを飲み込んで黙っていました。まあのちに結局彼とは大喧嘩をすることになるのですが、それはまた別の話。ここからは、このエピソードのもやもや感を残しながら、読み進めてください。

このシリーズ・タイトルには「男」という風に男に「」をわざわざつけています。それはなぜなんでしょうという話を今回、痴漢問題に絡めつつ書いてみようと思います。

去年行った痴漢問題に関するトークイベントに行った際、出演者のおひとりの小川たまかさんにご挨拶したら「男性として、今日のような内容はいかがでしたか?」と訊かれてちょっと言葉に詰まったんですね。意見を言えないからではありません。トークをお聴きして、自分なりにいろいろ考えたことはありました。しかし、はたして私がここで言う「自分なり」が「男性発」の意見になるのだろうか?という疑問が瞬間的に頭をよぎったからです。

当日質問コーナーで「彼氏を誘ったけど、来なかった。それで喧嘩した」と憤っていた女性のお客さんがいらっしゃいましたが、それが象徴するように、その日参加した男性陣は、この手の問題に理解がある人だけだったのではないかと私は思いました。

開催時間は2時間くらいと短かったので、当然わかりやすい「男性=加害者・女性=被害者」が前提で話は進みます。もちろん男性も被害に遭ったりするというデータも提示され、それが全てではないというフォローはされます。でも、やっぱりほとんどが男性による犯罪であるという流れになる。私は小川さんに、どうしてもそうなってしまうことの難しさを感じたと感想を伝えました。

きっとあそこにいた男性客の全員が、痴漢をどうやって減らしたらいいのかいろいろ考えつつも「自分は違うのにな」と感じていたと思います。その人がそういう風に思えるようになったのは、その人なりのそれぞれのストーリーがあったのでしょう。逆に言うと、そういうストーリーがなければ「スカートめくりを何となく許されていた子ども時代」からあまり成長のない性意識を持ったまま、社会の中で「男」になっていくのではないでしょうか。

どうしてそんな世界になっちゃったんでしょう。そんな世界の中で、どうして私はこんな考えにいたったんでしょう。そして、その認識はほんとうなんでしょうか?

ここからは一人称を「僕」で書きます。普段私は自分を「僕」と言ってるので、その方がリアリティがあるかと思います。しばらく自分語りが続きますが、お付き合い下されば幸いです。

僕は、昔から「男らしい」ということの意味がよく解りませんでした。

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オラシオ

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オラシオ

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コメント3件

ありがとうございます。
朝から泣いてしまいました。オラシオさんのような男性もいらっしゃるとわかって良かったです。
これから、こういう男性はきっともっと増えると信じています。
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