ウンザ!ウンザ!クストリッツア!開催記念 Pieces of Balkan Music

旧ユーゴ(サライェヴォ)出身の鬼才映画監督エミール・クストリッツァの代表作6作品を上映する映画祭「ウンザ!ウンザ!クストリッツア!」の前評判がすごいことになっております。

1/23から開催されるこちらが話題になっているのは、映画としてだけではなく、音楽方面からもものすごく熱い視線が注がれているのです。なぜか。カンヌ映画祭「パルム・ドール」を受賞した傑作『アンダーグラウンド』『ジプシーのとき』などで大フィーチュアされるジプシー音楽やバルカン・ブラス、さらに彼が息子のバンドに参加して繰り広げるロードムーヴィー『Super8』でそのバンド「ノー・スモーキン・オーケストラ」がかき鳴らす独自のミクスチャー音楽「ウンザ・ウンザ」の魅力が世界の人たちを虜にしたからです。

音楽ライターとして見ても、個人的にも、バルカンの音楽ってジャンル問わずヤバいんですよ。というわけで、映画祭開催を前に勝手に応援ってことで、私が個人的に好きなバルカン音楽をご紹介したいと思います。基礎知識としてのものは、1/27のトークイベントで登壇されるこの分野の研究の草分け、関口義人さんのご著書の数々が詳しいので、そちらをご覧ください。この記事で紹介するのはあくまで個人的な趣味です(笑)

Ivo Papasov イヴォ・パパソフ
バルカン音楽と言うと、ブルガリアの伝統ダンス・ミュージックを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。ブルガリアって言ったらやはりクラリネットのイヴォでしょう。これぞバルカン。ひところ、彼の日本盤も出ていましたよね。私も高校時代にそれで彼にはまりました。

Goran Ivanović ゴラン・イヴァノヴィッチ
私はバルカンって言うと真っ先に彼のことを思い浮かべます。旧ユーゴ出身のギタリストで、現在はシカゴを活動の拠点にしています。彼の『Goran Ivanovic Group』というアルバムは個人的にオールタイムベスト10級の一枚。オレゴン+バルカンという感じの傑作です。

Duško Gojković ドゥシュコ・ゴイコヴィッチ
日本ではダスコ・ゴイコヴィッチという読み方をされている超ベテランの旧ユーゴ生まれジャズ・トランペット奏者。数年前「オラシオさん、ユーゴのアーティストでいいの、知ってます?」と訊かれ咄嗟に出たのが彼の名。それくらい、ユーゴって言ったら彼というのは鉄板なんです。とは言え、普段の彼は基本メインストリーム系ジャズであまりバルカン・ムードはないですが。これは彼の代表作『スウィンギン・マケドニア』に収録の5拍子のユーゴ風ジャズ。

Vlatko Stafanovski ヴラトゥコ・ステファノフスキ
旧ユーゴのマケドニアを代表するスーパー・ジャズ・ロック・バンドLeb i Solのリーダーでギタリスト。モダン・バルカン・ミュージックを聴いて行けば絶対に行き当たる超VIPアーティストです。

Miroslav Tadić ミロスラフ・タディチ
こちらも有名なギタリスト。オーディオ・ファンを中心に高音質レーベルとして評価が高かったM・A Recordingsというレーベルの御用達アーティストとして日本ではおなじみ。上のヴラトゥコとのバルカン版スーパー・ギター・デュオとか、若い頃にはギンギンのアヴァン・ジャズ・ロックやったりとか、間口の広い人です。

Lala Kovačev ララ・コヴァチェフ
女性みたいな名前ですがオッサンです。ララはBronislav ブロニスラフの愛称みたいですね。バルカン・ジャズの先駆者のひとりで、ドラマーとして世界中のジャズVIPと共演しています。

Bojan Zulfikarpašić ボヤン・ズルフィカルパシッチ
ボヤンZの名前でも活躍しているジャズ・ピアニスト。90年代からフランスに移住して、名門Label Bleuをはじめとした欧州ジャズ最前線で大活躍中。

Milcho Leviev ミルチョ・レヴィエフ
国営ビッグバンドなどを率いて成功していたブルガリアから家族を捨てて亡命し、アメリカ・ジャズ・シーンで再度成功した苦労の人。マンハッタン・トランスファーのアレンジの仕事でグラミーも獲っています。80年代に凱旋公演も無事果たし、今では国民的な英雄なんじゃないでしょうか。下は彼がドン・エリス楽団に持ち込んでヒットした超変拍子のブルガリア民謡。

Goran Bregović ゴラン・ブレゴヴィッチ
クストリッツア映画にブレゴヴィッチあり!と言われる、バルカン・シーンの中でも最高の作曲家のひとり。旧ユーゴを代表する人気バンドBijelo Dugmeのリーダー。オーケストラからごった煮ロックまで何でもやる人なので、一言で紹介しにくい(苦笑)。個人的にはそんなに聴いてないのですが、ここはやはり紹介しておくべきでしょうってことで最後に。

というわけで、主にバルカン・ブラス系以外の、個人的に好きなバルカン音楽を少しご紹介してみました。とても奥の深いシーンで、この映画祭でもその音の魅力が垣間見えると思いますので、ぜひ観に行ってみてください。

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オラシオ

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