他人をこき下ろしても、自分の力は1ミリも上がらない

会って話をするたびに、誰かに対するダメ出しという話題に持っていく人がいます。

そういう人たちの特徴のひとつは、敵味方ラインをはっきりと引こうとすることでしょうか。敵カテゴリーに入れるために、相応の理由が必要だから、ダメ出しをするのかもしれません。

もうひとつ特徴があって、そういう人たちの分析はけっこう的確で、聴いているとなかなか面白かったり、参考になったりするということです。

仕事に勢いがある人がそういう風になるパターンもかなり多いので、売れているなりの審美眼の鋭さってやっぱりあるんですね。そういう人の話は、たとえ他人に対するダメ出しであっても、それなりに聴くべき何かを持っているんです。それがゆえに、話の内容自体は否定しにくいんですよね。

でも、他人の批判はやっぱり聴き続けると疲れるんです。その疲れには2つの理由があります。

1つは、聴いている私たちの中で、自分に対するあら捜しがはじまっちゃうんですね。この人の言う「ダメ」カテゴリーに自分が入ってないかどうか、つい考えてしまう。目の前の人に否定されるかもしれないというひりひり感は、神経を疲弊させます。

あ、あともうひとつダメ出し族の特徴を見つけました。緊張感を持った会話や人間関係を築くことがカッコいいと思っているフシがあるということですかね。まあ、いちがいに悪いことではないと思うのですが、ただ、みんながみんなそういうスリルを求めているかというとそうではないので、臨機応変にやって欲しい気もしますよね。個人的には、リラックスした状態で会話したいです。

さて、ダメ出しを聴いていて疲れる理由の2つ目です。

なんか、エコじゃないんです。すぐれた能力が無駄に浪費されているように感じる。鋭い観察眼が、ドブに捨てられているのを目の当たりにする虚しさとでも言いますか。

というのも、他人をこき下ろしても、自分の力は1ミリも上がらないからですね。

そのダメ出しが的を得ているかどうかというのは、その人がすでに持っている力の披露にしか過ぎないわけです。確かにすごい分析なのかもですが、正直言うと、その類まれな分析力は自分の未来に対して使ってくれと思います。

この人は、せっかくの能力をなぜ他人の批判などという無駄な時間に費やすんだろう、とイライラしちゃうんですよね。

とにかく、なんかすごくもったいないです。人にダメ出しして、周りがふんふんとうなずいてくれるのはなるほど気持ちいいものなのかもしれませんが、その気持ち良さは、その人の未来にとってあまり有益なものではない気がします。

ただ、ダメ出し族はダメ出しを「世界が見えている自分の義務」みたいな使命感からやっている場合もあるので、悪気があるわけでもないというのがまた始末が悪い。

でもとりあえず、その人が他人をこき下ろしている間、その人の前進はストップしているのは間違いないです。

私は普段、人に対するダメ出しや批判をわざわざ発信しないようにしているのですが、それは、ただでさえ少ない能力を無駄遣いしたくないからです。そんなことに時間や感情を割くくらいなら、もっと自分の益になることに活かします。もちろん、波風を立てたくないという小市民的な臆病さもありますが。

ただ、発信するのと内面で考えるのとは別のことですからね。内心でも他人にダメ出しするなとは思いませんし、誰だって心の中でいろんな批評をしています。でも、考えたことをアウトプットするのは、どんな内容であってもある程度労力が必要なんですよね。

能力のある人ならなおのこと、その力をダメ出しの際のちっぽけな満足感のためになんか消費して欲しくないじゃないですか。

人が他人のダメ出しをしているのを聴く時の疲労感は、ただ単に「悪口なんか聴きたくないなあ」という気持ち以外に、上のような2つの原因があると思います。あと、やっぱり会う前に「またダメ出しがはじまるのかな」とげんなりするのもありますよね。

せっかく面白い人なのだから、もっと違う種類の時間を一緒に過ごしたいと感じることはよくあります。

まあでも、よく考えたらここで書いていることもダメ出しになっちゃうのかな。うーん、難しいですね。でも、これからも基本「ダメ出しするくらいなら、他のことに時間を割く」スタンスで行きたいと思っています。

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オラシオ

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オラシオ

ライター、コラムニスト。青森市在住。『中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド』(DU BOOKS)監修。コンピCD『ポーランド・ピアニズム』『ポーランド・リリシズム』(コアポート)選曲・解説。ご依頼はaladyhasnoname@yahoo.co.jp

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