共働きで子どもがいないふたりが考える「4つめの選択肢」

いきなりですが、ちょっと長い前置きを。

男女の社会的な性役割を「ジェンダー」と呼びますが、近年そのジェンダーの固定観念のあり方に疑問を投げかけるような本がたくさん出ています。

例えば最近僕が読んだものだと『「専業主夫」になりたい男たち』(白河桃子)とか『子の無い人生』(酒井順子)とか。

なぜか興味があるのでその手の本をたくさん読んでいるのですが、いまひとつズドン!と心に刺さるものが少ないんです。もちろん、どの本もジェンダーに対して柔軟な考え方と社会のあり方を提言していて、すごく刺激的だし啓蒙もしてくれます。読むことで世界が広がったような本は数え切れません。

でも、やっぱりどこかに「これは僕たちのような人間について書いてある本ではないんだな」というちょっとした不満があるんですね。その不満を呼ぶ原因を長年言語化しようと考えてきました。で、答が出ました。

はっきり言っちゃうと「結婚を望もうが望むまいが、仕事に生きようが生きまいが、女性は出産したいというのがマジョリティ」という前提が気に入らないんです。

だって、そこを前提に話を進める本が圧倒的に多くて、そうすると「子どもは生みたいと思ったことがない。別にパートナーがいなくても良くて、出会いの機会がなければ独りで生きていくつもりだった。仕事が生きがい」という僕の彼女のような女性は完全に対象外になってしまうからです。そして、そういう女性と人生をともに歩んでいる僕も同時に対象外です。

仕事が生きがいと言っても、彼女は別に仕事のために「出産をあきらめている」わけではありません。自分が子どものころから「私は子どもなど欲しくない」と思っていたそうです。ただ単に自分の欲求としての「子どもが欲しくない」です。

近年「未婚」女性の他に「未産」の女性をテーマとして取り上げる本も増えてきています。そのこと自体にはとても心強さをおぼえはしても、決して僕たちの気持ちを代弁はしてくれない。

だって、そこで取り上げられている女性たちのほとんどは「本当は産みたかったけれどあきらめた」か「キャリアの邪魔になるので要らないと思った」のどちらかだけだからです。

産めないのであれ産まないのであれ「女性は産みたいもの」という前提は変わらない。僕の彼女は、その双方に当てはまらない女性です。

いつも疑問に思うんですが、本当に僕の彼女のような女性はマイノリティなのでしょうか。「それはあなたが女性じゃないからだよ」というツッコミも当然あるとは理解していますが、世の中の「産みたい」と言っている女性のどれだけが本気で子どもを産みたいと思っているのか、よくわからなくなる時があります。

なぜって「だって、そういうものだから」とか「姉が産んだ子を見て、かわいいと思ったから」とか言う女性が周りにあまりにも多すぎるんですもん。

もちろん、そういう理由で産みたいと思うのが「本当に産みたい」ってことなんだという意見もあると思います。きっかけはそんなものなんだと。それはそれでいいのですが、じゃあこう問い直してみましょう。

本当は別に産まなくてもいい、とどこかで考えている女性は、世間でイメージされているよりもっと多いのではないでしょうか?

僕はいつも「社会が作りだす欲望」と言ってるのですが「そういうものだから」とか「友達がみんな産んだから」とかって、巷で言う「本能的な欲求」と言うよりはもっとふわふわした感覚のように思えます。なんとなく社会の流れとしてそう思っているものを、自分自身が強烈に欲していると思いこんでしまう

もちろん、子どもを産んだ後ちゃんと育ててひとりの人間としてしっかりと向き合いさえすれば産んだ動機などどうでもいいので、別にそうした感覚について是非を問うつもりはありません。

ただ「子どもを産みたい」というのはそんなに当たり前な欲求じゃないのではないか、という問いかけはしたい。

さて、そんな僕たちなので、ただ単に自分の思うような生き方の延長線上に「子ども要らない」がある自分たちに刺さる本がなかなかないんです。というわけで自分で自分に向けて書けばいいんじゃないかと思いました(笑)

はい、ここまでが前置きです。なげー。すみませんでした。

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コメント8件

初めまして。前置きも、面白かったです!
4つめの選択肢、アリですね。「自分ばっかりやっている」という気持ちがあると不仲になってしまいますからね。参考にさせてください。
>りんさん ありがとうございます。気持ちを楽にして暮らすのが一番ですよね。私たちの場合はとにかく「義務感」「ノルマ感」が嫌なので、なにも決めずにやってます。もともと口が達者なふたりなので、規律を作ると絶対ツッコミ合いになるのが目に見えていますし(苦笑)
はじめてコメントさせていただきます。とてもおもしろく、共感できることばかりでした。特に、お付き合いの仕方や、4つ目選択は自身も実行していることです。とても興味深い記事ばかりなので、楽しみにしています!
>cooさん
ありがとうございます。今、取材で外国にいるのでお返事遅れてしまいました。すみません。
相方も私も、単に怠け者なだけなんですけれど、ひょっとしてみんな「ちゃんとやる、以外の方法」を意外と知らないんじゃないかなと思って書きました。へこたれないためにさぼるって、ほんとに大事だと思います。これからもよろしくお願いいたします。
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