僕らの選択が選択肢扱いされないのは、「しない」という言い方のせいなのかもなあ、という話

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僕はこれまで「結婚しない人が、しないことでしあわせになる」という内容のことを、自分の体験をまじえてたくさん書いてきました。

この「結婚」の部分には恋愛とか出産とかを当てはめてもいいと思います。とりあえず言いたかったのは、世間的には「する」のが当たり前だと思われていることも、当たり前かどうかは人によるので、自分にしっくりこなければ「しない」という選択もありなのでは、ということでした。

でも、僕の発言やコラムに触れて、こういうツッコミをしてくる人もけっこういるんです。

「するもしないも、人によるのはわかるんですけど、なんでわざわざすることに反対するんですか?」

こちらとしては反対しているつもりはなかったのですが、どうしてもそう見えてしまうようなんです。その現象に「なんでわかんないのかなあ」と暖簾に腕押し感をずっと感じてきたのですが、それはこういうことなのではないか、とわかってきました。

「結婚しない」は、選択肢扱いされていないのではないか。

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何も選択しないという段階が「ゼロ」、何かを選択するが「イチ」だと仮定します。僕はこれまで「結婚しない」というのはイチだと思っていたのです。結婚しないという道を選んだのだと。でも、とりたてて結婚しないほうがいいと考えていない人にとって、結婚しないはゼロ扱いだったんですね。

もうちょっと整理してみましょう。僕が考えるに、結婚という切り口で人を分類すると大まかに4つの種類に分かれると思うんですよ。

1)結婚したくて結婚した。そしてしあわせになった
2)結婚したいが、相手が見つからず(うまくいかず)、こじらせてる
3)結婚するつもりはなかったが「そういうもの」だから、した
4)結婚したくなくてしなかった。そしてしあわせになった

この4つを、上に書いたゼロとイチに分けるとすれば、2と3がゼロで、1と4がイチですよね。1と4のどちらも、自分にとってベストだと思う関係性を選んで、しあわせになった。そうじゃないですか?

対して2と3は選択肢をつかみ損ねているか、自分よりも世間とか常識とかのほうを選択基準にした「疑似選択」です。3の場合は、結果としての幸福度は、それこそ人によるでしょう。また2と3の間の2.5的な「ただ状況に流されてる」みたいな立ち位置もありそうです。

でも、どうも世の中では4)「しない」は選択していない、という意味に映っているのではないでしょうか。

目の前にある「する」という選択肢を、思い切りの悪さとか何がしかの理由で手に取っていないだけなのでは。結婚しないということによるしあわせは、積極的に取りに行った成果(イチ)ではなく、偶然の産物(ゼロ)に過ぎないのでは。

「しない」という選択肢を、そういう風に捉えていると理解すれば、「なんでわざわざ、しないをオススメするのかわからない」という反応になるのもなるほどと思うのです。

たとえば、一人暮らし経験のあるあなたが、実家暮らしの友達と「一人暮らし、するかしないか」話をしたとします。最終的にその友達が「やっぱり一人暮らししな~い」って言ったら、「なんだよ、しねえのかよ」って思いますよね。そう言わずにいっぺんしてみたらいいのにって、言いたくなりますよね。

僕が「結婚しないのもいいもんだよ」って言う時に、結婚するのもいいもんだよ派の人が思わずツッコんでしまうのはそういうことなのかなあと。

でも、それでも、結婚という関係を選ばないって、僕たちのような人間にとってすごく積極的でポジティヴな選択肢です。自分なりのしあわせを考えた結果、その選択にいたっている。ところが、なかなかそのニュアンスが伝わらない。

それはなぜかと考えたら、結婚しないという言葉が、結婚する/しないの文脈から生まれた言葉だからなのではと思ったんです。するがイチだから、しないがゼロ、という感覚の問題。

逆に言うと、社会はまだ「結婚しない」という選択肢が「結婚する」と同じだけの積極性を持つものだと表現する言葉を獲得していないのでは。「しない」という言葉を使うがゆえに、「する」をただ見送っている、受動的、優柔不断かつネガティヴなニュアンスが出てしまう。

確かに、LGBTQの人たちの「恋愛、結婚する!」とか不妊治療に頑張る人たちの「出産する!」などの「する」「したい」という願いや運動にくらべて、「結婚しない」「恋愛しない」「出産しない」人生もありだよって問いかけはついてくる人はまだ少ないし、運動にもなりにくい気がします。

「しない」という言葉に、人を引っ張る力がないんでしょうね。じゃあ、どうすればいいんでしょう。どんな言葉だといいのかなあ。

たとえば、「未婚/非婚を選択する」とか「シングルでいる」という言い方ならありでしょうか。うーん、「結婚しない」よりはいいのかもですが、やっぱり若干言葉の持つ力じたいが弱い気もしますね。いまいちポジティヴに響かない感じもします。

ごめんなさい、答はまだ出てないです。言葉、キャッチフレーズ、コピーって、すごく大事です。時には社会を変える力を発揮します。だから、僕は考えたいんです。

「結婚しない」という選択が、「結婚する」と同じくらいポジティヴで積極的なものなのだと、はっきり表現できる新しい言葉を見つけたい。その言葉を誰かが見つけた時、もっと自由に結婚を捉えて、するもしないもどちらもしあわせだという新しい社会が、きっと生まれるはずです。

その言葉、みなさんも考えてみませんか?

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