「郵送してください」がけっこうツラい

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「青森市の人って、車でごみを捨てに来るんです」

これを他の土地の人に言うとみんなたいがい噴き出します。

「うそでしょ?」って。すみません。うそではありません。事実です。

私も、青森市に引っ越して来てから最初にその光景を見た時は目を疑いました。と言うか、しばらくは

「出勤の途中で捨てに寄ったのだろう」

くらいに思っていました。違いました。

ジャージ姿の奥さんが、歩いて2分くらいしかない家から車に乗って捨てに来て、そのままそのお家に戻っていく。

なんてところに頻繁に遭遇するにおよび、それがこの青森市の「普通」なんだ、と気づきました。

まあしかしそれだけなら笑い話でもいいんです。でもこれほどに「車を使って動くのが普通」の人たちが住んでいる街ということは、同時に「車に乗らない人にはなかなかしんどい街」ということでもあるんです。

私が青森市で最初にその「しんどさ」の洗礼を受けたのは、就職活動でした。

免許を持ってないと、そりゃーもう仕事に就けないんですわ。と言うか、そもそも応募資格もないことが多いんですよ。

面接にこぎつけても、どう考えても車が必要ない内勤なのに「免許ないのは何で?」と詰問されたり、「いや、何かあった時に運転を頼むかも知れないので、それは困る・・・」と言われたり。

早い話が、この街では「車が運転できないと人間扱いされない」のです。

さて、そんな感じでバスのコースもかゆいところに手が届かない感じだし、街づくりのいろんな点が車中心社会になってしまっています。

ところで、私たち「在宅中心物書き」ってよく「請求書はこのメール添付のものに捺印して郵送してください」って頼まれることが多いんです。

これがツラい。

ここから地方都市の現実を書きますね。

私が住んでいる場所って、まず最寄りのポストが徒歩10分かかるんです。そして、そのポストは一日に一回しか回収に来ません。最寄りの郵便局は徒歩20分以上。

ちょっと買い物に出るついでにってわけにはなかなかいきません。ついでに言うと、最寄りのコンビニも徒歩15分です。あああ。

あまり歩かなくていいような郵便局まで行こうと思ったら、バスか電車で外出する羽目になります。そうすると、往復の交通費がかなりかかります。

それくらい仕事なんだから歩いて行って出しなよって思いますよね。まあ、自分でもそれはめんどくさがるなよとちょっとは思います。

でも青森市にはもうひとつすごいハンデがあるんだなあ。

それは、雪です。

雪が降らない春から秋にかけてはいいですよ。でも、青森の雪はほんとパねえんですよ。いつもは10分で行けてたところが、15分から20分はかかるようになります。外に出るのも重装備になりますし、傘も必要です。そして、大雪の中を長い間歩くのは、かなりの疲労です。

と言うか、玄関周りの雪かきをしないとそもそも出かけられなかったりもします。

県庁所在地のちょっと郊外で、もうこんな感じです。それ以外の地方都市とかだと、もっと推して知るべしですよね。

その会社ごとにルールがあるのはわかっているので、もちろん従います。

ただ、こうも思います。私は個人的に、これからもっともっと地方在住の物書きさんたちが増えていくと予想しているんですね。そして、そうなればいいとも願っています。

地方発でも面白いことはできるっていう時に、一番物理的な障害がないのが「文章を書く」という仕事だと思うので、まずはそういう人たちがどんどん地方に移住してガンガン仕事をやるようになるのでは。

で、そういう世の中になった時、同じ「郵送してください」は都会に住む人と地方に住む人では全然違う意味を持ってくるんです。特に北国、雪国では。

歩いてすぐのところにあるコンビニで切手とハガキを買って書いて、目の前にあるポストに入れたらいいってわけにはいかなくて、ちょっとした外出になっちゃうんです。

それって、家にこもって仕事をしがちな職種にはけっこうツラいんですよ。忙しくて、できるだけ書く作業から離れたくない時なんかは特に。車を持っていないと、なおさらです。

その「えっ、たったそれだけのことが?」という、都会の人との感覚のギャップは「青森市では車でごみを捨てに行く」のインパクトくらい大きいと思うんですよ。

なので、できたら請求書はメールで返送か、振込先情報を訊くだけになって欲しいなあと。あと、個人的な郵便も都会の人と同じようなレスポンスを期待されるとツラいです。単なるわがままなんですけど。

地方在住で、車なしで、在宅仕事だと郵送依頼がしんどいという話でした。これもまた地方のひとつのリアルとしてお見知りおきいただければ幸いです。

このコラムは投げ銭制です。応援してくださった方は、この先の「青森市の雪が一番きつかった年の話&青森市内ツアーのアイディア」をお読みいただけます。よろしくお願いいたします。

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「郵送してください」がけっこうツラい

オラシオ

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オラシオ

ライター、コラムニスト。青森市在住。『中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド』(DU BOOKS)監修。コンピCD『ポーランド・ピアニズム』『ポーランド・リリシズム』(コアポート)選曲・解説。ご依頼はaladyhasnoname@yahoo.co.jp

コメント2件

しかし、毎年思うんですがあの雪はどこに行ってしまうのでしょうね。新潟県民より。
マジレスすると、融けて側溝に流れて行ってるんですけどね。あの膨大な何かを、もっと何かに活かせないかなあと思いますよね。って何書いてるのかわからないですけど(笑)
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