ポーランドの大衆食堂で話しかけられた話

4月後半に取材を兼ねて2週間ポーランド旅行に行ってきました。

2014年の晩秋に続いて二度目の訪ポだったのですが、今回は「前回やろうとしてやれなかったこと」をコンセプト?にしていました。

そのうちのひとつが「大衆食堂にひとりで入って食事を楽しむ」だったんです。2014年に行った時は、ミュージシャンへのインタヴューの通訳をやってくれたポーランド人女性のKさんと一緒に行ったので、言う通りにしているだけで済みました。

しかしそろそろそれも卒業したい。ということで、まず最初に、ワルシャワで比較的外国人観光客も来るようなオシャレなお店で慣らしてみました。その様子はこの写真集↓でどうぞ。

ポーランドで朝食を。大衆食堂Bar mleczny
https://note.mu/horacio/n/nc8602782dca5

なにしろ、私はポーランド語はほんのちょっとしか喋れず解せず、英語もまだまだ微妙なのです。いきなり地元の人たちだけのお店はきつい。

ということで、いったん「優しめ」のお店で慣らした後は、お次に訪ねた西部の都市ポズナニ(ポズナンとも)の宿のすぐ近くの大衆食堂へ行ってきました。今度こそ、地元の人しか絶対行かないようなお店です。

さて、そのお店で印象深いことがあったので、そのことも併せてここにお知らせします。

今回入ったBar mleczny(バル・ムレチュヌィ。ミルクバーみたいな意味)は、入り口こんな感じ。入りにくー。

このお店がある通りはこんな感じです。宿もこの通りにあります。こじんまりしていいムード。ポズナニはちょっと地方っぽい落ち着いた感じがいいんですよ。大好きになりました。

さて、壁に貼られたメニュー表を確認しつつ、カウンターに行く。これ鉄則。

ワルシャワで行ったお店はメニューがかなり豊富だったのですが、ここはそうでもなかったです。やっぱり下町の食堂はそんなものなんですかね。

そのかわりこのお店には、ワルシャワのオシャレ食堂にはなかった↓こんな感じのものがありました。下から二段目にあるピンクのものはChłodnik フウォドニクというビーツの冷製スープです。

あと、日本とは違いお水とかは基本出ませんので、飲み物が欲しい時は注文する必要があります。

13時ちょい過ぎに入ったんですけど、14時から別の場所で人と待ち合わせの約束があったので、軽くササッと食べられるものを選びました。と言っても、ポーランド料理は一皿がやたらでかく、侮れない。ということで、スープがいいだろうと思いました。

そこで頼んだのがこちら。えっ、これは何?ですって? これは・・・・

Pomidorowa z makaronem ポミドロヴァ・ズ・マカロネム。マカロニ入りのトマトスープです。シンプルにして飽きの来ない奥深い酸味。ちなみにスプーンはセルフサーヴィスでプラスチックです。

このお店がある通りの向こう側では青空市場も開かれていました。そこでもこんなおいしそうなトマトが! これがこのスープになるわけです。

さて、このお店でスープのお皿を受け取ったあと、食べる席を探してお店の中をふらふら歩いていると、よぼよぼのお爺さん、そしてその次にちょっと危ない感じの目がうつろなおじさん(と言っても私より若いかもしれない)に何かポーランド語で話しかけられたんです。

2014年に行った時はそんなこともなかったんですけど、今回の訪問時は明らかに、いわゆる「物乞い」的な人に遭遇する率が高まりました。明確にお金を要求して来ます。お店で会ったこの人たちも、要するにそういうことなのかと思って「Nie rozumiem わかりません」と言って無視して席に着きました。

するとおじさんの方が諦めきれないらしく、もう一度話しかけてきました。私はもう一度「Przepraszam,nie rozumiem ごめんなさい、わからないです」と答えて、スープをすすりはじめました。

私の向かい側の席には青年とそのお母さんらしき二人組がいて、私と目が合うと青年の方がニコッと笑いました。地元の人たちだけのお店にいきなりアジア人が闖入してきたので、超じろじろ見られ少々緊張していましたが、彼の笑顔には救われました。

さて、このお店は食べ終わるとお店の真ん中あたりにあるワゴンに食器を置いて帰るようになっていました。さっき話しかけてきたおじさんは、そのワゴンのすぐ横にあるテーブルに座って何かを食べています。

すると、食べていたものを半分ほど残したまま、ニコッの青年親子がそのお皿をワゴンに移して出て行きました。私はその時初めて「ああ、あそこに返すんだ」と気づいたんですが、親子はもうひとつ教えてくれたことがありました。

親子が出て行ったあと、おじさんがその残り物がある皿をぱっとワゴンから取ってそれも食べ始めたんですね。その時やっと、彼が私に何を言ってたのか理解したんです。彼は、

「もしご飯が余るなら、僕にくれないか」

と言ってたんですね。なるほどなと思いました。トマトスープはとてもおいしかったのですが、そろそろ行かなきゃいけない時間ですし、私も親子に倣って食べているものをおじさんに差し上げることにしました。

片言で「言ってたこと、わかりました。これどうぞ」と言ってスープがまだ半分入った皿を彼に直接渡すと、おじさんは私にしっかり目を合わせて「ほんとうにありがとう」とお礼を言ってくれました。

別に施しをしたとか、いいことをしたとか思っちゃいません。でも、この時確かに相互理解というか、心の交流というか、そういう温かい何かがあったと思うんです。

お店に入ってから、ほんの10分くらいの体験でしたが、すごく印象に残る思い出になりました。

このことも含め、ポズナニでは楽しいことばかりがあって、荷物になるのについこんなでっけえ写真集もお土産に買ってしまいました。はじめてポーランドに行く方にもオススメの街でした!

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オラシオ

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オラシオ

ポーランドの旅

2014年11月後半&2017年4月後半の二度のポーランド旅行で見聞きし感じたあれこれをつづります。
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コメント4件

読んで幸せな気持ちになれました。
ありがとうございますー。なんか、貧しいなりに生きる知恵みたいなのを見た感じです。ワゴンのを黙って取るだけでもいいのに、わざわざちゃんと「くれない?」と訊いてきたのがこのやりとりのきっかけですね。ありがとうと言ってくれた時の彼の笑みは、なんかいい感じでした。
良い話。スープや市場の写真もとっても素敵です!
ありがとうございますー。言葉もままならないのに単独取材に行くなど、無謀以外の何ものでもないのですが、それゆえにたまにこういう思い出も生まれます。ちなみに市場ではストッキングや古本、傍目にはボロボロに見える中古の靴とかも売っていました。
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