本当に女性をバカにしてないのか、もういっぺん考えてみた ちょいワルジジ問題

いやー、ちょいワルジジ、超炎上ですね。

参考記事
「ちょいワルジジ」になるには美術館へ行き、牛肉の部位知れ
https://www.news-postseven.com/archives/20170610_561363.html

この参考記事を読んだ私の反応は、まあこういうもの↓です。

この気持ちと考えは少し経った今でも変わらないし、もう何からツッコんだらいいのかわからないくらい呆れました。やっぱりこの「ちょいワルジジ」さんは女性を完全にバカにしていて、自分たち男・年長者より知識も感性も足りない存在だと頭から決めつけてますよね。

私はこの手の「教えたい」ばかりで「人と教え合う関係になれない」人が大嫌いでして。無意識に自分が教える側だと思っている人、自分の言うことが人を変えると信じている人、自分が下と見た人からは徹底して教えを受けない人。

教えるという行為は教わる側の自主的な教わりたいという気持ちがあってはじめて成立すると思っているので、こういう「オレが教えてやるよ」的なのはほんと、ムカムカします。

加えて「おめえ、女とやりたいだけじゃん」っていうね。知識人、文化人を気取ってはいても、それに触れる目的が性欲という、身も蓋もない話。とは言え、こういう意味での「色ごと」を肯定するのが人間賛歌というか、大人の粋みたいに言われていた時代が確かにあったのでしょう。男の風俗通い礼賛とか。

ツイートでは、あまり人を批判しないようにしているのですが、今回は思わず書いちゃいました。

しかし、この機会に改めて考えてみようと思いまして。ほんとうに、自分の中に女性をバカにする感情が全くないのかどうかを。ちょいワルジジ思想?に対して「こいつ!」と言葉の拳を偉そうに振り上げはしましたが、しかし自分が「あっち側」でないと無条件に信じてしまって良いのでしょうか?

一瞬私の頭の中にそのような懸念が生まれたのです。

私は以前、公共図書館で働いていました。ざっくり言ってしまうと、図書館は女性が多い職場です。自治体直営なら必ずしもそうではありませんが、私の元職場のように民間が業務を請け負っている館だと、スタッフ募集に応募してくるのが女性が多いため、そうなります。そして、年齢制限とかも特に設けていないので、けっこう主婦の方とかも入ってきます。

はっきり言って、私はけっこう仕事が出来たほうだと思います。また、個人的な趣味もありましたし、図書館員の知り合いもいましたので、図書館業界についてはけっこう独学で勉強を重ねていたんですよ。

まあそんなこともあって、3年間は現場主任を務めることになってしまいまして。男性がトップに立って、いろいろ教える側にまわる。そういう関係性が、自分の中で日常になるんです。

それまでただの同僚だった人たちを、管理の対象として見る視点が加わる。

みんなに気持ち良く働いてもらおうと思ったし、意見は出来るだけ聴き取ろうと思ってはいましたが、「ちゃんと図書館について勉強しているオレは、みんなよりわかってる。おとなしくオレの言う通りにしてくれればなあ」と心のどこかで考えたことが、皆無だったとは言えません。

私のほうからみんなに提案するようなこともよくありましたが、時々そういう「上から目線」みたいな姿勢があらわれてしまっていたかなと反省とともに当時を思い出すこともあります。

そして、その「自分が上」という気持ちは、スタッフのほとんどすべてが女性だったからなのではと今でも疑っています。

それを特に強く意識したのは、辞めた同僚がどんな人だったのか、あとで人づてに聴く時でした。

一週間に2~3日だけ出勤するという方はやはり主婦の場合がほとんどなんですが、私はどこかでその人たちを「普通の主婦枠」として見ていました。つまり、砕けて言うと「ごく平凡なおばさんたち」です。

ところが、その人たちが退職された後に「あの人は○○の免許を持っているから、そちらの業界で職に困らないはず」とか「◇◇さんは、ここに来る前は▼▼というキャリアで、前の仕事は△△だったのよねえ」とかを聴いて、私みたいな中途半端人間なんか太刀打ちできない立派なスペックをお持ちなのに驚くことが何度もありました。

図書館ではたまたま後輩、一スタッフとして私の管理下にいたけれども、その人たちは別の世界をちゃんと持っていて、私などよりよっぽど優れた職業人だったのです。

辞めた元同僚たちのそうした側面を知らされて、自分が心のどこかでみんなをバカにしていたことに気づき、正直そんな自分の愚かさにかなりショックを受けました。

女性が働きやすい職場を、とか、働くのに男も女も関係ない、とか偉そうなことを言いつつ、内心では女性の同僚たちのそれまでのバックグラウンドや資質をまるでないもののように錯覚し、図書館業務の枠組みを通してしか彼女らを見ていなかった。

なぜそんな思考回路に陥ってしまったかと言うと、その枠組みの中でなら、自分が上にいられるからなのかもしれません。自分がこの現場を引っ張っているんだというようなヒロイズムに酔っていたのかもしれません。

もちろん、その人のキャリアがどうとかで何かを語ろうとするのも愚かなことですし、逆に「平凡な主婦」をバカにすることにもつながってしまいますが、少なくとも、みんながそういう立派なスキルを持っている可能性にまったく思い至らなかった自分がいるわけです。そんなわけはないと思い込んでいたのでしょう。

元図書館員・図書館ライターとして「いろんな人が集まる方が、いろんなスキルが活かせるようになるから、民営化も悪いところばかりではない」という考えを主張してきたくせにね。

ちょいワルジジのように女をバカにする男はけしからん!許せん!と憤るのはまあ当たり前の反応だと思うし、そう考える男性はやはりある程度ジェンダー問題に対して良心的なのでしょう。

でも、この機会にもう一度考えてみるのも悪くないんじゃないでしょうか。ほんとうに自分は、女性をバカにしているところが全くないと言い切れるのかどうかを。ちょいワルジジのダメさはそれはそれとして、男性がそういうことを改めて考える良い機会になるんじゃないかと思いました。

少なくとも、私は図書館時代のあれこれを思い出して、改めて「自分にもそういうとこあるんだよな」と反省しています。その反省はきっと、自分がより良くあるために活かされるはず。いや、そうであるべき。

誰かがダメなことを言うと「ダメじゃん!」と言いたくなるのが人情であり、世の常です。私もツイッターでつい言ってしまいました。

でも、同時にちょっと立ち止まってそのダメさが自分の中にも眠っていないかどうか考えてみるきっかけにするというのも、悪くないんじゃないでしょうか。ちょいワルジジに憤った男性のみなさん、どうでしょう?

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