手乗りサイズのぽらじゃずBOX⑧&⑦

※このコラムは、青森市で10万部発行のフリーペーパーNozacc(現在は廃刊)に連載していたショートコラムPoland Jazz Columnの改題再録です

いつもは掲載順通りに投稿しているのですが、⑦はライターデビュー時の宣伝に近いものなので、本編としてまず⑧を書き、オマケに⑦をつけました。

↓本文

青森市って風の街ですよね。風がたくさん吹くのは、ほこりが目に入ったり洗濯物が風に飛ばされたり、果ては信号を待っている間に車道に突き出されてケガをしそうになったり、ちょっと注意しなければならない環境であると思います。ですがその反面、青森市の豊かな四季を堪能するための、非常に有効な小道具でもあります。そう、我が市を囲む山や海、そして中心部から少し離れただけでエネルギッシュに広がっている緑の豊潤な香りを、風が私たちのもとへ運んでくれるのです。これってものすごく贅沢な香料じゃないでしょうか?

そんな「風の街」青森にぴったりなのがこの曲。ポーランドが生んだ天才作曲家ズビグニェフ・ナミスウォフスキ Zbigniew Namysłowskiの「風の歌を聴け」。この街の風のように体を優しく撫で、あるいは激しく突き抜けて行く切ないメロディは、人生でつかの間心に宿る恋のともしびを思わせる、はかなく甘酸っぱく、それでいて苦い味わいがあります。

紹介アルバム:Zbigniew Namysłowski - Remy Filipovitch Quintet『Go!』

この曲のYouTube音源はなかったので、かわりにナミさんのデビュー作から。このサウンドが1964年です。ヤバくないすか?

オマケの⑦

今ポーランドで人気No.1の女性ジャズシンガー、アガ・ザリヤン Aga Zaryanの昨年(筆者注:2011年のこと)発表の大傑作が国内盤リリースされることになり、そのライナーノートを私が担当しています。執筆にあたり少なくとも100回以上はこの作品を聴きました。発売元のEMIミュージック・ジャパンさん(筆者注:現在はユニバーサル・ミュージック・ジャパンに統合)から依頼を受け書き終えるまでの2ヶ月間は、その回数を重ねて聴くにはそう余裕のある時間ではありませんでした。聴くたびに私は本作やこの国のジャズに初めて触れた時の感動を思い出し、それを味わいたくて義務感ではなくあくまで自分の自然な欲求としてリピートボタンを押していたのです。

多彩なリズムの上にポーランドならではのひそやかに美しく色づくメロディがたゆたい、凛としたヴォーカルと若手の腕利きたちの磨きぬかれた音が響くさまは、さわやかな汗をともなう青森の短い夏のように心地良い興奮に満ちています。ポーランド最高レベルの作品を誰もが気軽に楽しめてしまう凄い作品。7月20日発売です。お見逃しなく!

紹介アルバム:Aga Zaryan『Looking Walking Being』(TOCJ-90071)

この曲は数年前亡くなったベースの名手ズビグニェフ・ヴェゲハウプト Zbigniew Wegehauptの美しいバラード。ポーランドのジャズを代表する名曲だと思っています。

ところで、このアガ・ザリヤンの『ルッキング・ウォーキング・ビーイング』は青森市民図書館に所蔵がありますので、利用者の方はお気軽にお聴きいただけますよ♪

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オラシオ

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