今、ポーランドがおもしろい会!at UPLINK(未発表テイクつき)

ポーランドの独立記念日にあたる11月11日に渋谷の映画館UPLINKさんで行われたポーランド・カルチャー紹介イベント「今、ポーランドがおもしろい会!」にトークで出演してきました。

写真家マチェイ・コモロフスキさんのポーランドの歴史紹介、ケルセンの鳴川睦さんによるポーリッシュ・ポタリー(ボレスワヴィエツ、ポーランド陶器)紹介&販売、パウラさんによるポップ・ミュージック紹介&DJ、ポーランド映画祭広報のValeriaの小倉聖子さんによるポーランド映画祭の紹介。

その他ポンチキ屋や秋田のポルミートのお菓子やソーセージ、リンゴのお菓子シャルロトカの販売もあるという盛りだくさんコンテンツで、初の直行便就航で注目も集まりはじめているポーランド・カルチャーの今をかんたんにご紹介というイベントでした。私は、今いちばん売れてる音楽ライターのひとりと言ってもいい柳樂光隆さんとの対談で、YouTube動画を見ながら現代ジャズをご紹介しました。

この日は盛りだくさんな一方、各出演者のひと枠が短くて、私たちふたりも25分しかありませんでした。というわけで、当日かけられなかった曲も残り半分くらいあります。それも含めて、対談でご紹介したアーティスト&曲をこちらに掲載します。来れなかった方もこちらでお楽しみください。

一人目
Wojtek Mazolewski ヴォイテク・マゾレフスキ

ベーシスト。1976年生まれ。パンクやロック、エレクトロニカなどをミックスした独自の音楽で若者に人気。自身のクインテットと、ピンク・フロイトの両ユニットで活躍。
オススメ作品『Polka』『Pink Freud Plays Autechre』

歴史が重んじられるジャズという音楽だけど、柳樂さんも私も「今のジャズが本当に面白い」というスタンスで仕事している話。クラブで演奏して若者たちが踊るジャズ。ヨーロッパの方がクラブ・シーンが盛んなので、むしろアメリカよりは充実しているのかもとか。ヴォイテクの指の入れ墨とか「ジャズ・ミュージシャンには見えない」と本人に言ったらむちゃくちゃ喜んだ話など。エスペランサ・スポウルディングなどを例に挙げつつ、ファッションリーダーとしてのジャズ・ミュージシャンの話など。

柳樂さんオススメ一人目
Sławek Jaskułke スワヴェク・ヤスクウケ

ピアノ。1979年生まれ。アラフォー世代の隠し玉的ピアニスト。ヒップホップやポスト・ロックの影響を受けたグルーヴィーなトリオと幻想的なピアノ・ソロの両極端の音楽性が魅力。
オススメ作品『Sea』『ON』

ジャンル分け不可能なピアノ・ミュージックが世界的に出てきているという話。例えば中島ノブユキ、林正樹、チリー・ゴンザレス、アンドレ・メマーリなど。特に「Sea」のような「どうやってこの音を出しているのかよくわからない」という謎を含んだ作品は、音楽関係者の関心を引き出したのではないかという柳樂さんの説。

二人目
Wacław Zimpel ヴァツワフ・ジンペル

クラリネット。1983年生まれ。アルト・クラリネットの若きマエストロ。数々のインプロ・プロジェクトのリーダーを務める前衛ジャズの代表選手。アジアや中近東の民俗音楽の影響大な音楽性が魅力。
オススメ作品『Lines』

すごいことはすごいものの、前衛インプロの人なのでなかなか紹介しにくかった天才だけれど、これはダンスミュージックとしても聴ける傑作。クラ数種にエレピ、オルガン、ラオスのケーンを多重録音。柳樂さんの「ケーンってどんな楽器なんですか?」に答えて↓の参考動画を。縦に持って吹く日本の笙みたいなやつです。

ECMを中心に、フィンランドのカンテレなど古い伝統楽器に新しい響きを求めて使用する音楽が増えているという柳樂さんの説明。ただ、それをこのジンペルみたいに自分の国の民俗楽器ではないものを使ってやる人は珍しいかもという話。

また、ポーランドではポップ・ミュージシャンも音楽大学を出ているパターンがとても多いので、同じ大学で学んでいたジャズやクラシックのミュージシャンとの交流もとても盛んという話。ジンペルがよく録音に参加しているケイト・ブッシュみたいなシンガーGaba Kulka ガバ・クルカのこととか、私たちの前にパウラさんが紹介していたMikromusic ミクロミュージックBovska ボフスカにもジャズ・ミュージシャンが参加していることとか。↓のBovskaにはジャズ・ピアニストで録音エンジニアのJan Smoczyński ヤン・スモチンスキが参加しています。

三人目
Adam Bałdych アダム・バウディフ

ヴァイオリン。真ん中のひとだよ。1986年生まれ。隠れヴァイオリン王国ポーランドの旗手として、ドイツの名門レーベルACTから傑作を続々とリリース。
オススメ作品『Bridges』

ポーランドはなぜか世界的なジャズ・ヴァイオリン奏者をよく輩出する国という話。一番有名なのはマイルスの「TuTu」に参加したミハウ・ウルバニャクと紹介。ほど良く民俗風味が加味された音楽は、やはりヨーロッパの個性だという話。パウラさんが紹介したポップスにも言えるけど、この曲のようにポーランドのジャズはPVもけっこう力入れてるかもという話など。

ここから先は、時間がなくて音が紹介できず、駆け足で写真とかんたんな紹介だけに終わった人たちです。

四組目
Atom String Quartet アトム・ストリング・クアルテット

弦楽四重奏団。2010年結成。クラシック、ジャズ、ポップ・ミュージックなどを股にかけて活躍する若手ユニット。メンバー全員ソロでも売れっ子ミュージシャン。
オススメ作品『Atomsphere』

柳樂さんオススメ二組目
Marcin Wasilewski Trio マルチン・ヴァシレフスキ・トリオ

ピアノトリオ。1991年結成。元「シンプル・アコースティック・トリオ」。10代の頃からプロとして活躍。多ジャンルにまたがったレパートリーの広さも魅力。
オススメ作品『Faithful』『Habanera』

五人目
Rafał Sarnecki ラファウ・サルネツキ

ギター。1982年生まれ。物理オリンピックのポーランド代表という経歴も持つ天才。アメリカのニュースクール卒業後NYを拠点に活躍中。プログレっぽい音楽性が魅力。
オススメ作品『Cat’s Dream』

ここから先は、さらに「時間が余った時用」(笑)に用意していた人たちです。時間なんか余るわけない!

六組目
RGG アール・ジー・ジー(エル・ギェ・ギェ)

ピアノトリオ。2001年結成。2013年に一回り年齢の若いピアニストにメンバー交代したものの、抽象的な美音サウンドにまったく揺るぎなし。日本では音楽関係者を中心に隠れファン多し。
オススメ作品『Aura』『One』

七人目
Nikola Kołodziejczyk ニコラ・コウォヂェイチク

ピアノ、作曲、指揮。1986年生まれ。2年連続でポーランド版グラミーFryderykのジャズ部門で受賞した。ピアノトリオから現代音楽のシンフォニーまでジャンルや編成に関係なく幅広く活躍。
オススメ作品『Barok Progresywny』『A Vista Social Club』

八人目
Pianohooligan ピアノフーリガン

ピアノ。1990年生まれ。2011年モントルー・ジャズ・フェス・ピアノ・ソロ・コンペ優勝。現代音楽とジャズの架け橋的存在。本名Piotr Orzechowski ピョトル・オジェホフスキ名義でも活躍。
オススメ作品『15 Studies for the Oberek』『Bukoliki』

という感じのプログラムでした!

基本的にポーランドのジャズといっても全然知られていないわけですが、その中で起こっていることもちゃんと世界の現代ジャズの動きと呼応していろんな人にアピールするものになっているのを、現代ジャズに詳しい柳樂さんの力を借りてご紹介するという内容でした。閉じた音楽じゃないので、安心して飛び込んできてくださいって感じです。

来場された方、または来られずにこの記事を見ただけの方でポーランドのジャズに興味を持たれた方は、私が管理しているFBページ「ポーランドジャズのはじめの一歩」をぜひチェックしてみてください!
https://www.facebook.com/Polajazz/

投げ銭制です。面白かったという方は、ぜひ応援よろしくお願いいたします。いつもありがとうございます。

この続きをみるには

この続き:0文字

今、ポーランドがおもしろい会!at UPLINK(未発表テイクつき)

オラシオ

100円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

フリーランスのため、みなさまのサポートは取材や執筆活動の貴重な経費とさせていただいております。また、サポートいただくとものすごく励みになります。最高のエネルギーです。よろしくお願いします。

ありがとうございます!SNSでシェアしていただけるとさらに嬉しいです!
13

オラシオ

Music Reviews

CDやコンサート、その他音楽についてのあれこれのレヴュー集です。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。