キッズハローワーク:音楽ライター編

先日FBの投稿で、友人のアナウンサーさんが「おしごと体験広場キッズハローワーク」というものに参加したと書いてらっしゃいまして。

要は、来場した子どもたちに仕事の疑似体験をしてもらう職業紹介の催しでしょうね。

弘前市内の私立高校のキャンパス内で行われた催しのようです。
http://seiai.ed.jp/everyday-life/2555/

こういう企画に、いったいどれくらいの子どもが参加するのかわからないですが、いろんな仕事があって、いろんな人生があるということを小さい頃から知るのは、とても良いことだと思います。自分がこれからどういう風に生きて行くのかという選択肢とそれに関する情報は、多ければ多いほどいいですからね。

私は昔から「何かを創る仕事」か「文章を書く仕事」がやりたいと思っていました。と言うか、それしかないと思い込んでいました。結局なんとかフリーランスのライターに落ち着いたので、結果オーライですが、いま冷静に振り返ってみると、他の選択肢をその「妄信」ゆえに見落としていたこともたくさんあるんだろうなあと思います。

結果オーライな私なので、周りの人によく「自分の好きなことが小さい頃から決まっていて羨ましい」などと言われますが、実は「やりたいことがわからない」という人の方が世の中を広く見ることが出来ているんじゃないかなとも思っています。

さてさて、友達が参加したということで、もしこのイベントに自分が音楽ライターとして参加することになったら、どういう風にこのおしごとを子どもに体験してもらうかなあと考えました。

基本音楽ライターの仕事は、

音楽を聴く → それを文章にする

というルーティンです。なので、何かを聴いてもらって、それの感想を書くということをやってもらえばいいのでしょうか?

しかしそれでは「おじちゃん、読書感想文と何が違うの?」を言われてしまいそうです(笑)

まずここで重要なのは「どういう音楽を聴くか」ということだと思います。プロの音楽ライターは、自分の専門ジャンルやよく知っている音楽についての仕事だけを頼まれるわけではありません。

ラティーナやCDジャーナル、intoxicateなどで私の仕事に触れてくださっている読者の方たちはおわかりでしょうが、私はポーランドのジャズについてだけ書いているわけではありませんよね。それはもう、いろんなジャンルの音楽について書いています。一度も聴いたことないジャンルやアーティストのアルバムについてオファーを受けるのなんて、日常茶飯事です。

となると、音楽を聴く → 文章にする というコンボの中に、

リサーチする

という行程が挟まってくることになります。

子どもに音楽ライターのおしごとぶりを伝えるには、まずこの辺が足掛かりになるのではないかと思いますね。音楽を聴いてもらいつつ、レーベルの紙資料やライナー、ジャケなんかを見せて、

「じゃあ、何を調べたらいいかなあ?」

という感じでリサーチ(図書館で言うレファレンス)のやり方を一緒に考えていくという感じでしょうか。とりあえず与えられた情報からアーティスト名などキーワードを拾って、ググったり、関連しそうなミュージシャンのアルバムにあたったりするわけです。

この辺は、メディア・リテラシーの話でもあると思いますね。

典型的なジャンル音楽の音源を用意しておいて、ジャンル名を知ってもらい、それをレヴューなどでどう使うのかとか。

文章が同じ内容なのに、これとあれでは制限字数以内に収まる・収まらないが変わってくる話とか。国語パズルみたいなものでしょうか。

穴埋め設問みたいな感じで、模範解答をたくさん用意しておかないと、抽象的過ぎて子どもにはなかなか伝わらないかもですが。

わざと字数オーバーしている原稿を見せて、いろいろ考えて字数内に収めてもらう

という作業体験をしてもらうのもいいかも知れません。

まあそんな感じで音楽ライターに限らず、ライター全体に通じる話もあれば、音楽ライターならではのトピックもあるでしょう。

子どもに教えるってものすごく重要な思考過程だと思っていて、改めて「自分の仕事って、どういうものなんだろう」というのを見つめ直すきっかけになります。子どもに何かを伝えるのって、厳選されたピンポイントのわかりやすさがないとダメなので、時折自分の仕事のやり方がわからなくなった時、仮想キッズハローワークを頭の中でシミュレーションしてみるのは良いかもしれませんね。

まあカタギな職業じゃないしまともな仕事扱いされていないものなので(笑)こういう企画に呼ばれることはないんですけど、ちょっと考えてみたという話でした。

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オラシオ

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オラシオ

ライター、コラムニスト。青森市在住。『中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド』(DU BOOKS)監修。コンピCD『ポーランド・ピアニズム』『ポーランド・リリシズム』(コアポート)選曲・解説。ご依頼はaladyhasnoname@yahoo.co.jp
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