自分ルールを決めることとギャラ交渉の話

つい最近、kakeruさんの呼びかけにより、東京でイラストレーター15人ほどが集まる会がありました。意見交換を兼ねた交流会ということで、大阪から出席することにしました。

そこで出た話の中で一番みんなが相談しにくい/悩んでいると言っていた話。それが依頼をいただいて受ける仕事の原稿料について。お金の話ということもあり、相談しにくかったり、相場がわからないということでした。

この問題については、僕もイラストレーターとして活動し始めて今4年目。ずっと悩み続けてきました。けれど、幸い僕にはWebを中心にイラストの仕事をしている友達と情報交換できる環境にあり、赤裸々に受けた仕事の原稿料の相談や報告をしていました。なので、どうにかそういった環境のない人たちに少しでも情報を発信することはできないかと思っていました。

だって、同じ仕事でも交渉次第で10万円近く原稿料が違っていたから。



3年で原稿料が60倍になりました

いつも勉強させてもらってます塩谷 舞先生の記事。

塩谷:確かに。現に、Instagramのライフスタイル系インフルエンサーだと、地方在住の方も多いですしね。ただそういう方だと、影響力はすごくあるのに、広告業界の単価を知らなさすぎて「安く買い叩かれる」ということも多いなぁと思っていて。
碇:ちゃんとビジネスの仕組みを理解して、自分の価値を理解しないとね。ただやっぱり、地方だと、東京とは予算が1ケタ違うこともザラなんですよね。

まさにこの状況でした。僕もまだ4年目でド新人みたいなもんなので、経験も浅く偉そうなことは言えないし、自分に自信があるわけでもないので企業に言われた"言い値"でずっと仕事受けてたんですけど。

2017年7月に2人目の子供が生まれ、会社も忙しくなっていく一方で自分のイラストを描く作業時間が睡眠時間を削って作るしかなくなってきている現状になりました。体力的にも厳しいのと、家族で過ごす時間を犠牲にしていたときもあったので、2017年末に集英社でのWeb連載を含むすべての連載を一旦全部辞めました。


そこで2018年からの活動を見直しました。それがこの4つ。

・原稿料が高くても興味のない/好きじゃないものの仕事は受けない

・仕事を詰め込まず、自分がリラックスしてアウトプットする時間を作る
・土日や子供が起きている時間は仕事をしない
・自分の価値を高める

これを自分ルールにして、2018年からお仕事を受け直すことにしました。

興味のない仕事は受けないってのは、自分をもっと信用してもらえるようになるため。これはゆうこす西野亮廣さんがよく言ってることなんですけど。好きじゃないものを仕事で好きって言ってしまうと、ウソを言ってることになるし、いずれ信用を失ってしまうことになるから。

僕は音楽や雑貨やお菓子と自分の好きなものは、他人にオススメしたい性格なのでそこはやっぱり譲れない部分なのかなと改め、徹底することにしました。


やっぱりお金はあればあるほど生活に余裕が生まれるんで、すごく欲しいんですけど、それ以上に子供との時間が大事なのもあるし、やっぱり自分の好きなことをしっかりとアウトプットする時間も必要だと感じました。なので、2018年に入ってから依頼を断ることが多く、受けてる仕事の数は1/5ぐらいになりました。

なので、収入もドドドっと減る覚悟をしていたんですが、その代わりに意を決して、いただく依頼に対して原稿料の交渉をすることにしました。

今まで『原稿料を上げてくれ』って言うと、『お前みたいなやつが』って思われてもう二度と仕事もらえないんじゃ...って不安になるので交渉はしてこなかったんですけど、冒頭に書いた同業の友達に相談するとガンガンしたほうがいい!と言われたので、してみると。

PR漫画1ページが先方から提示された金額から、あっさりと6.5倍に上がりました。え。そんな上げれんの?嬉しい半面、めっちゃ足元見られてたやんって思いました。(その案件は納期が合わず断ったのですが)

今までちゃんと交渉してたらよかったー!!!!!!!!ってすっごい悔しくなって(でも、もしかしたら底値で受けていたから何度も依頼してくれていたって企業さんはあるかも)。で、こうなると単純に今までよりも受ける仕事の量が1/5でも、今までと収入が変わらないんです。

もちろん、SNSのPR案件なのでフォロワー数とかが原稿料に比例してくるとは思うんですが。そもそもイラストレーターにバズるようなコンテンツを期待するのがどうかと思うんです...インフルエンサーってくくりになってしまうとそこは期待されるかもしれないんですけど、そうじゃない場合、企業と広告代理店がバズるコンテンツを練ってそれをイラストにするってのがイラストレーターの役割じゃないのかと...。違うかな。

去年よく『(企業)様の商品PRの案件がきました!好きに描いてもらって結構です!そしてバズってください!』みたいな雑な依頼をいろんな広告代理店さんからいただきました。バズれるようなら普段からしてるよ...。
で、自信ないけど原稿料欲しさに受けてみると、代理店の人は企業からのメールをそのまま転送してくるぐらいの仕事しかせず。最終的には好きに描くことも許されず、自分のコンテンツとは遠くかけ離れたものが完成し、すごく後悔しました。その代理店の方ともケンカしてもう仕事も受けてません。

こういうことがあってから、バズってください案件を受けるのはやめました。それからは純粋に自分の"イラスト"を求めてくださる案件のみ受けるようにしています。なので、交渉するときもフォロワー数とかバズらないと...みたいな背徳感に負けることもなくなりました。

あとは、自分が作業できる時間や自分のイラストの価値をしっかりと把握して、そこを明確にして交渉すれば相手側もちゃんと検討してくれます。
とは言っても、やっぱり今でも相場がわからないので

『●●円になりませんか?厳しいようでしたら相談していただけると...』

と、一言添えておきます。そこでちょっとずつお互いの状況を話し合って、すり合わせていきます。こうして少しずつですが、自分の価値を相手に理解してもらい、原稿料の相場も上がってくるようになりました。

2018年今年に入ってからまだ3ヶ月ですが、いただいている案件は自分にとって良い仕事だけで、相場がグググっと上がり、作業を減らして収入を今までと同じぐらいにすることができました。グラフにすると。

具体的な数字は書いてませんが、こんな感じです。案件の内容にもよるんですが、全部右肩上がりです。PRレポート漫画に関しては3年前から比べると60倍になりました(※1番高かった原稿料です)。PR案件も自分の好きなものを好きなように描かせていただくもののみに絞っています。

雑誌などの挿絵はそんなに上がりませんが、やりたい仕事なので原稿料が安くても喜んで受けます。あと、今まで言ってなかったんですが、バンドのグッズデザインに関してはほぼ無料で受けてます(企業からの依頼はいただいています)。バンドマンお金ないの知ってるんで。僕が描くことで少しでも応援になれば嬉しいし、それを買ってくれる人が会場で身につけてくれるだけで、僕の宣伝にもなるし。お互いウィンウィンです。あ、これも絶対にしたいと思ったバンドしかしないです。

あ、あ、Webでのお仕事も僕が始めた頃からずっと依頼をしてくださる企業さんやカツセマサヒコさんの案件は交渉しないし、よっぽどでないと断らないです。金額も聞かないです(むしろ一番最初に提示してくれます)。こういう方々はちゃんと自分を求めて仕事くださるのですごくありがたいです。あと、やりたい案件/一緒に仕事すると面白そうやな〜って方からの案件は安くても受けます!


こんな感じです。あくまでも僕は会社員との兼業なので、できることかもしれないですが、逆にうまくいけばフリーランスの方が確実に稼ぐことができるはずです。
どちらにせよ、僕みたいな経験の浅い人間の話になりますが、この記事が少しでもクリエイターの背中を押せればと思います(もっと良い方法があれば誰か教えてください)。

また、何か思ったことがあれば書きます!


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この記事は『ぼくがイラストレーターになるまで』とマガジンで、イラストレーターとして活動して4年目でまだ経験は浅いですが、クリエイターのブランディング方法など...だれかの参考になればと思い不定期に更新しています。
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ぼくがイラストレーターになるまで

2014年にネットで活動を始め、今こうしてイラストレーターとしてご依頼をいただけるようにまでなれました。『自分めちゃくちゃすごいでしょ!』ってことではなく、だれかの参考になればと思って書いていきます。ただの経験談なので参考になるかわかりませんが...
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コメント3件

いやー、勉強になりました!
>大川さん
大川さんならもう全然知ってる話ですよね...w
フリーランスで活動をしようと進めている中たまたま記事を見つけ、タイムリーな話題で、業種は違いますが参考になりました。ありがとうございます。
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