口絵1A

クマムシ博士のむしマガ Vol. 78【クマムシの水分量をどう量るか(その1)】

 おはようございます。クマムシさん、ITmediaに取り上げられてからだいぶ注目が集まってきており、twitterのフォロワー数ももうすぐ1万人にせまろうかという勢いです。

 昨日はある読者の方からクマムシさんてぬぐいのご注文をいただいたのですが、こんなメッセージもいただきました。

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 いつもクマムシさんのtwitter、見させて頂いています。仕事が終わった後の毎日の楽しみです。堀川さんの思惑通り、クマムシの生態に興味津々なこの頃です。

(中略)

 乾眠しなければ生きていけないような劣悪な環境に、この地球がならないこと、未だ多くの人たちが飢餓や栄養失調で苦しんでいる地域の状況が、少しでも改善されることを祈っています。ただし祈るだけでは何も変わらないので、堀川さんのように行動に移している方々を応援していきたいです。

(中略)

 生まれ変わったらクマムシに、この人生ではクマムシさんのような人になりたいと思っています。

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 いやー、嬉しいですね。本当に。どうもありがとうございます。

 クマムシの能力は本当に人類を救うポテンシャルを秘めていると思うので、本当に何とかしていきたいところです。

 臓器はもとより卵子や幹細胞もiPS細胞など、凍結保存が難しい細胞の保存がクマムシ研究を通じて実現できるかもしれないと考えています。もちろん、これを実現させるのがいつになるか、それはまったく分からないのですが、この目標を旨に日々精進していく所存でございます。

クマムシトリビア その26

 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。

◆ 質問:

 クマムシの体の水の量についての質問です。クマムシは乾くと水分が85%から0.05%まで減るそうですが、これはどのように計測したのでしょうか。クマムシを顕微鏡で見るととても小さく、どうやって水分の量を知れるのかとても不思議です。なにかハイテクなマシンをつかうのですか?

◇ 回答:

 まず、クマムシが乾眠に入ると体内水分含量が0.05%になるという点について。Wikipediaのクマムシの項目にこの記述がありますが、このような数字が報告された例はありません。どこからこの噂が広まったのかも良くわかりません。

☆緩歩動物:Wikipedia
http://goo.gl/WzWW6

 Wikipediaのこの部分、あとで私が修正しておこうと思います。あと今思いついたんですが、むしマガのクマムシトリビアのシリーズからもWikipediaに転載できる部分はしてみても良いかもしれませんね。

 さて、どのようにしてクマムシの体内水分量を量ったのか?ということですが、この方法はとてもシンプルです。通常の活動状態のクマムシと乾眠状態のクマムシのそれぞれの体重を量って比べるのです。

 通常の活動状態のクマムシについて考えてみましょう。話を分かりやすくするため、クマムシが人と同じくらいの大きさだと仮定します。クマムシ1匹を量ったところ、60キログラムだったとしましょう。

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