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藤井風沼に落ちた私をすくい上げてくれたのは藤井風さんだった

風さんの魅力は言わずもがなであり、それぞれ風さんに惹かれていった経緯は異なると思います。『NHK MUSICSPECIAL 藤井風』も放送されて、これから更に沢山の人が風さんに助けられるはず。ありふれた私の沼落ち話を少しだけ。

風さんの存在を知る

藤井風さんという存在を認識したのは、一体いつだったのか。

色々なところから「とにかくすごい」という声が聞こえてきたが、最初の記憶は、DJ松永さんがTBSラジオのACTIONで話していた内容。

このラジオを聞いて気になり、初めてYouTubeで観たMVが「もうええわ」。最初の印象は「ワイルドでレゲエチックで強そうな人だな…」と見た目の印象でちょっとコワイ気持ちになりその先には進まず。この頃は、見る度に印象が変わる藤井風七変化のことを全く知らなかった。

その頃、ANN0を頻繁に聞いていた私は「藤井風のオールナイトニッポン0(多分3回目)」も一応radikoで聞いた、はず。それなのに記憶があまりない、非常に悔しい。

そんな感じで最初はそんなに心動かされることなく「ほぅ、こんなアーティストさんが出てきたのねー」とのんびり構えていた。改めて考えると自分の見る目・聴く耳の無さに愕然とする…。

もう一人の天才に導かれる

その後も、風さんの名を目にしても深掘りしない日々が続き、迎えたのは令和3年1月17日放送の関ジャム 完全燃SHOW。私が以前から尊敬するもう一人の天才、川谷絵音さんが2020年1位に挙げていた「罪の香り」の武道館ライブの映像。

昭和歌謡のような雰囲気の中に漂う不思議な色気に目を奪われた。これを観て『あぁ、これはもうしっかり聞かざるを得まい…』と覚悟を決めた。

そこからHEHNを聞き、YouTubeで過去動画を追い始める日々が始まった。

YouTube三昧で眠れぬ日々

風さんに惹かれると必ず陥るYouTube動画三昧の日々。邦楽・洋楽カバー、MV、BTS。何でこんなにピアノが上手いの?何でこんなに深い良き声?何で見る度にこんなに顔が変わるの…?

この時点でも夢中になって観ていたけれど、現在とは質の違う夢中だったと感じる。

私が本格的に藤井風沼に落ちていったのは、Piano Live Streaming Day 1・2、あけおめ配信、Artist on the Riseがきっかけだったと思う。

Piano Live Streamingのラフな雰囲気の中で楽しそうに歌う姿や、あけおめ配信「死ぬのがいいわ」の拳の振り上げやお化けさんポーズを観るのが大好き。長い指で自由自在に奏でる楽曲は何度聴いても飽きない。

Artist on the Riseは、里庄町の風さんと東京の風さんの語りがまとめられ、神映像である「何なんw」Live Short Movieまで入っている。毎朝の忙しい時間に浴びる風映像としても最高だった。

独自のペースの岡山弁で語る言葉は、失礼かもしれないけれど愛らしくて愛嬌があって、どうかしそうやこの胸は何とかしてや!となった。

私の沼落ちは、配信ライブを通じて風さんの存在そのものに惹かれていったことがきっかけだった。時間を惜しんで曲を聴いたり、動画を観ることが日常となった。それは至福の時間だった。一方、睡眠不足でやるべきことが少しおざなりになっている状態だったように思う。

沼からすくい上げられる

そんな日々を過ごしながら、ふと気づいた。「あれ?私、風さんからもらってばかりで何もやってないよ…」

日々、家事や仕事は何とか行っている。でも、これでいいのかな?私は自分がやりたいことをやれているかな。小さい頃から努力を重ね技術を身に着けて、みんなのために音楽を作ってくれているこの人から幸せをもらうばかりでいいのだろうか?

配信ライブでの風さんの何気ない言葉、HEHNの数々の名曲が私を沼からすくい上げ始めた。

「風さんみたいにはなれないけれど、ピアノを弾いてみたい」「今更無理かな?でも、やってみなくちゃ始まらない」

新しいことを始めるにはエネルギーがいる。けれど、思い切って電子キーボードを購入した。小学生の時にバイエルで挫折した身なので、とにかく簡単な曲からチャレンジ。そしてSimply Pianoのアプリで練習すること約半年。

劇的に上手くはならないけれど、ほんの少しだけ弾けるようになった自分が嬉しくてたまらない。

仕事に対する気持ちも変化があった。ビルボードジャパンのインタビューを読んで自分がやるべきことが定まってきた。

『いい道具であり続けられる限りは精いっぱい、いい道具であろうと思います』

自分に与えられた環境で出来ることを精いっぱいやることが、私の仕事だと思えるようになった。

風さんは、さりげなく手を取って人をすくい上げてくれる。この人のことは死ぬまで好きだろうと思う。

少し心配なこと

『NHK MUSICSPECIAL 藤井風』で語られた「デビューしてアーティストとして活動していくことがどんなことかっていうのを知らなかった」の言葉には衝撃を受けた。知らなかったんかい!とツッコミを入れると共に、先行きに不安を感じた。

風さんファンが増えるのは喜ばしいことだけれど、風さんが外へ自由に出られなくなったり、ファンやマスコミからストーカーのように追い続けられたらどうしよう。目をマスクで隠しても対応出来ない日がすぐそこまで来ている気がする。

もしも、風さんが普通に歩いていたら、声を掛けずにそのまま通り過ぎたい。「いつもありがとうございます!」と心の中で大声で伝えるだけでいい。元気に過ごしていることを喜びたい。

こんなの綺麗事だと笑われるだろうけれど、風民さん達は近い気持ちであるような気がする。

沼に落ちた先

これまでに特定のアーティストを追い続けるということがなかったので、これが沼落ちと言うのか正直よくわからない。沼落ちとは、どんどん引き込まれて、毎日がその人で埋め尽くされるものだと思っていた。

確かに風さんのことで埋め尽くされる日もある。でも、当の風さんは、傾倒しすぎるのは望んでいないような気もする。風さんの言葉や姿勢を見るたびに「自分の生活を楽しく、健やかに過ごしてくれればそれでええ」とだけ思っているように感じる。

そうやって、沼からすくい上げてくれるから、私は以前よりもちょっと幸せに過ごせている。

好きの在り方は人それぞれ。Twitterで風さんを思うみんなの“好きの表現”を見ることもとても楽しい。「わかる!それな!」と同意できる仲間が大勢いることもとても嬉しい。

私は藤井風沼にドボンと落ちたけれど、そこからすくい上げてくれたのも藤井風さんだった。こんな人がいるなんて、信じられないよね。

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