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話題の新刊『「守礼の光」が見た琉球』の書評を書いてみました!

こんにちわ、ホリーニョです。

沖縄タイムスに掲載(3/30)された『「守礼の光」が見た琉球』(ボーダーインク)の書評をこちらで全文掲載します〜

今回お話いただいて、初めて書評というものを書いてみました。こんな大役のご依頼ですので、めちゃめちゃ緊張しながらお受けしました。先日、大阪から沖縄へ旅してる時、沖縄県立図書館下にあるスタバで目をギラギラしながら必死に書いてました。サポートしてくださる心強い仲間にもめぐまれ、なんとか完成しました。。泣

良かったらぜひ読んでみてください〜

少しでも気になる部分があれば、書店でぜひ書籍を手にとってみていただけると嬉しいです!


書評「守礼の光」が見た琉球
(ボーダーインク編集部編・古波藏契監修)


「亡くなった祖母を思い出した」以前、自分にそんなコメントをいただいたことを思い出す。

ページをめくると、沖縄の戦後をカラフルに写した貴重な写真が目に飛び込んでくる。どれも魅力的な沢山の写真たちだ。笑顔で写り込む人々の生活や人生に想いを巡らせ、ドキドキしながら見入ってしまう。同時に、これらの思考や感情の正体は、アメリカの政治的な思惑に巻き込まれた結果なのかも…という「怖さ」も感じる、そんな構成となっているのが本書の特徴だ。

米統治下の沖縄では、米軍の心理作戦部隊が大量に無料配布したプロパガンダ雑誌が存在した。月刊誌「守礼の光」だ。膨大な量のこの雑誌から当時撮影された写真を抽出し、解説を加え再構成したのが本書である。

私は兵庫県出身、大阪府在住の会社員で、趣味で沖縄の戦前〜戦後の白黒写真をカラー化し、交流サイト(SNS)に投稿する活動をしている。これまで着色してきた300枚以上の写真は、米軍が撮影したものが大多数だ。

カラー化写真はSNSで広く効果的に注目を集められるため、写真を見た方から「昔の祖母の生活を想像できた」など、様々な嬉しい感想をいただく。一方で、米軍がある意図を持って撮影した写真を使用するため、アメリカの印象操作に加担する可能性を危惧し、迷いながら活動を続けてきた。

こうした活動をする私にとって、本書監修の古波藏契さんが書かれた「守礼の光」の的確な解説や素晴らしいコラム、写真ごとの丁寧なキャプションに非常に強い感銘を受けた。本書は米軍が撮影し続けてきた沢山の沖縄の写真についてどの様に受け止め、考えればよいかという補助線を与え、道しるべとなる重要なテキストである。 

これから本書を手に取る方にオススメしたいのは、まずは身構えずに好奇心を解放して沢山の写真を楽しんでほしいと思う。その上で解説文を読み、再度、写真を眺めて受け止め方の変化を堪能してほしい。魅力的な写真たちが、戦後の生活史について、家族や大切な人たちと対話するきっかけを必ずつくってくれると信じている。

(白黒写真カラー化プロジェクト ホリーニョ)


※書評冒頭の《「亡くなった祖母を思い出した」以前、自分にそんなコメントをいただいたことを思い出す》は、こちらのカラー化写真をTwitterで投稿した際にいただいたコメントでした。

1951〜52年の沖縄 孫を抱く笑顔の女性

白黒写真を、人工知能+手動補正でカラー化してます。
元の白黒写真はこちら

(the gail project ⇒gailproject.ucsc.edu/items/show/142)

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