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農家さんがホームページを作る前に考えておくべきこと

最近、農家さんからホームページの相談を受ける機会が増えてきました。マルシェなどへの出店により、直接販売の機会が増えた人。いままでとは違った販路を開拓したい人。自分たちの育てている野菜のことをもっと知ってもらいたい、思いを伝えたいと考える人。体験農業など新しい取り組みをしたい人。理由は様々ですが、農業の担い手が新たな取り組みを始めるとき、多くの人に知ってもらうためのツールとしてホームページを作ろうとするのは自然なことかもしれません。しかし、ホームページを作る前に考えておかなければならないことが実はたくさんあるのです。

ホームページを育てていく手間をかけられるか

畑に苗を植えてから収穫までの作業が大変なのと同じこと。ホームページも公開してからのケアがとても大事です。定期的に更新をすることは当然のことですが、掲載したページ(記事)がどの程度見られているのか、見てもらえないのか、その理由を見つけて今後の運営方針を検討、改善・実行していく作業が必要です。日々の農作業と並行してやっていけるでしょうか?

ホームページを作ることで、何を得たいのか(得ることができるのか)

自分たちの野菜作りに対する考え、作っている野菜のことを知ってもらう。このこと自体に価値があると考える農家さんもいます。しかし、その理解を得るために必要な作業量と理解してもらうことによって生まれる価値は見合っているでしょうか。ホームページを構築し、運営することで得られる成果。そのために必要な作業と時間。このバランスが取れるでしょうか?

成果を得るために、本当にホームページが必要なのか

1人でも多くの人に何かを伝えるため、インターネットの活用は必要。しかし、インターネットの活用=ホームページを作ること、ではありません。SNSを有効に活用することが「正解」の場合もあります。正しい手段を選択するためには、「得たい成果」を明確にし、成果を得るために必要な規模感(どのくらいの人に知ってもらう、動いてもらう必要があるのか)をつかむことが重要です。

ホームページを作るだけでは、誰にも見てもらえない

ホームページを作っただけでは、誰もその存在を知ることはできません。誰にも見てもらえないのです。ホームページの存在、掲載している記事の存在を「見て欲しい人」に知ってもらうための努力が必要。「こんなにおいしい野菜を作っている、だからその記事を作れば見てくれる人がいるはず。」思いはとても大切なことですが、思いだけでは残念ながらホームページの存在を伝えることはできません。

ここまで書いてしまうと、農業とホームページの関係性がとても悪いように思われるかもしれませんが、決してそうではありません。ホームページを作ることに意味がないと言っているわけでもない。

現在、農業や食に関する人々の興味は高まっています。横浜でも多くの地域でマルシェや直売が開催され、新鮮な農産物を使った加工品も多く販売されています。インターネットを使って様々な取り組みにチャレンジする人がもっと増えて欲しいと思っています。しかし、ホームページを作る以外にも「インターネットの活用方法」はあります。そして一番重要なことは、ホームページは育てていくものだということです。

Webの仕事のかたわら、食・農業に関わっています。最近、ついに畑を借りてしまいました…。本業が…、