見出し画像

プロ野球、平成の名勝負について

ニュース速報を追い掛けただけだが、ドラゴンズがタイガーズに逆転勝ちで連敗を3で止めたらしい。ビシエドさんや大島さんなど主役が活躍し、ここ数年ピリッとしなかった又吉さんが中盤を締めた。しかも一点差の勝利。こういうゲームができるとドラゴンズは強い。今年は間違いなく優勝に違いない!(毎年シーズン前に豪語して撃沈しているんだけどね)

サッカーも好きだけど、僕は野球から多くのことを学んできた。
野球部に所属していたことも影響しているが、わりと人生観の多くを野球選手の言動から学んできたように思う。

いよいよ元号が変わる。
「平成最後」という蔓延し過ぎた言葉ももう使えなくなる。使用期限が切れる前に、野球という軸に平成最後を語ってみたいと思う。プロ野球、平成の名勝負について。

僕が「平成の名勝負」として選ぶのは、2011年9月24日のドラゴンズ vs スワローズ@ナゴヤドームの一戦だ。
というのも、僕はこの試合を現地で観戦したのだ。本当にたまたまなのだけど、東京から車で5,6時間かけて名古屋を訪ね、最終的に谷繁元信さんのサヨナラヒットで試合終了。ドーム全体が信じられない盛り上がりを見せて、控えめに言って僕は感動し、勝利の瞬間膝から崩れ落ちるほどの喜びを味わった。

2011年のドラゴンズは、特別な年。
その季限りで、チームを指揮していた落合博満さんが監督を退任したのだ。
優勝争いの最中に決定されたファン無視のニュース(しかも後任監督まで内定しているという)、やりきれない想いを抱いたファンを、選手が最高のパフォーマンスで熱狂させてくれた。

2011年は東日本大震災があった年。
3時間30分を超えるゲームは「引き分け」となる特別規定が定められていた。この日も9回裏が終了したら、時間的に引き分けになってしまう展開。9回裏2アウトである。そこで勝負を決する単打を放った谷繁さんの勝負強さに感嘆したものだけど、今思えば、あれは何か別の力学が宿ったのではないかなあと思う。(谷繁さんは捕手としては超一流であるけれど、お世辞にもバッティングに優れた選手ではないからだ)

イチローさんを見て、松井秀喜さんを見て、ダルビッシュ有さんを見て、田中将大さんを見て、大谷翔平さんを見て思うことだけど。日々の地道な積み重ねと正しい努力は、大きな結実として顕れているから美しい。

本人の力量が100%だとして、120%なんてあり得ないんだけど、往々にして実力以上の結果が出てファンは興奮する。「まぐれ」という言葉が相応しいのかもしれないけれど、時にスタンドインする打球を眺めると、「まぐれ」だけで語れるような代物ではないと感じるのだ。

考えてみれば、僕の人生において、平成をずっと彩ったのは野球だった。
もうかれこれ30年近くドラゴンズのファンなわけで、身体中にはドラゴンズブルーの血が流れている。令和はどんな名勝負が繰り広げられるだろう。

野球であろうがなかろうが、本気の勝負はいつだって楽しい。
願わくば僕も、そんな舞台でいつまでも勝負していたい。

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。