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文狂区武装図書委員の日報

風雨にさらされ波打ったページが開き、桃色の肉塊があふれ出す!
『有害図書』だ!

「ヒッ…!」

ブラックホールめいた縦長の暗黒が男子小学生を呑み込もうとした瞬間!

「どっちかっつーと健全な方だが…お兄ちゃんにはまだ早いな?」
青いツナギの男が『図書』の前に立ちはだかる。

「武装図書委員会だ!お前を所蔵させてもらう!」
男の鞄から銀色の機械触手が伸びて肉塊を押し返す。触手の根元もまた本!

突如、死角から火炎!竹林が焼け『図書』の角が焦げる!

「青少年健全育成教会です!ただちに有害図書から離れなさい!」
火炎放射器をかついで現れたのは特殊カソックの若者だ。

「焚書屋は引ッ込んでろャ!」
ツナギの男が吠える。

「子供達の性嗜好にトラウマを残す訳にはいきません。有害図書はすべて駆除します」
「前半には賛成だがなァ、すべての本には読まれる権利があンだよ!」
「異常性欲者め!」

焼けた青竹が爆ぜ、三つ巴の戦のゴングとなる!

【続く】

#逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞 #小説

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