見出し画像

2024/1/31

ガムラスタン。
斜陽に照らされた古壁が昨晩とは異なる表情を見せる。
ただ古いだけでは無いのだと、主張を強めるように。

名も知らぬ教会。
月を見上げる鉄の少年。
回廊の奥に覗く海と新市街。

一歩一歩、踏み締める。
砂利が靴底に擦られる音を聴きながら。

ストートリ広場の石畳はまるで流氷。

急に鴾色の壁をもつ教会が目の前に。
扉は閉まっている。

私は救いを求めているのか?

いや、違う。

私はここに、自分の人生の終わり方を探しに来たのだ。
しかし私はここで足を止めている。

怖いのか。
もう詩も絵も創ることができないのが。
もう大切な人に会うことすらできなくなるのが。

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?