2024/1/31
ガムラスタン。
斜陽に照らされた古壁が昨晩とは異なる表情を見せる。
ただ古いだけでは無いのだと、主張を強めるように。
名も知らぬ教会。
月を見上げる鉄の少年。
回廊の奥に覗く海と新市街。
一歩一歩、踏み締める。
砂利が靴底に擦られる音を聴きながら。
ストートリ広場の石畳はまるで流氷。
急に鴾色の壁をもつ教会が目の前に。
扉は閉まっている。
私は救いを求めているのか?
いや、違う。
私はここに、自分の人生の終わり方を探しに来たのだ。
しかし私はここで足を止めている。
怖いのか。
もう詩も絵も創ることができないのが。
もう大切な人に会うことすらできなくなるのが。
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