見出し画像

ダノンプレミアム引退。いちファンとして彼のキャリアを振り返る。

皆さんこんにちは!

梅雨でジメジメした天気のなか、ダノンプレミアムの引退が発表されたとの知らせが。

個人的に現役で一番好きな馬ですし、なんとか彼に2つめのG1タイトルを!と思い続けてもう3年になりますか……。

とうとうその思いは叶うことなく終焉を迎えてしまったことは、端的に残念に思いますが、これまで彼を応援し続け、期待し続けてきたいちファンとして、彼のキャリアを振り返ってみようと思います。

※この記事はあくまで個人の見解であり、同馬の動向に関することにおいて厩舎関係者やオーナーを否定・批判するわけではありません。

ファンになった背景

彼がデビューした2017年当時、僕が一番好きだったのはキタサンブラックでした。
ちょうど、ダノンプレミアムの新馬戦が終わって夏を迎えたころの話ですが、キタサンブラックの年内引退が発表されました。
いま思うと、あの時も何とも言えない寂しさがありましたが、僕としては『次世代のキタサンブラック』ではないですが、そうした推し馬を1頭持ちたいなと思っていたんですよね。
(別に1頭に拘る必要はないのだけれど)

僕としては豪快な差し脚を武器にする馬も嫌いではないんですけど、やはりレース終盤まで前に居る先行馬のほうが、何となく楽しめる感じがして好みではあります(笑)
そこで、目ぼしい先行馬を漁っていたところ、ダノンプレミアムの新馬戦を見る機会がありました。
正直言って、当時のレースぶりは『ふーん、まあ、重賞でもやれるかな?』くらいに思った程度で、そんなにゾッコン……というほどでもなかったのを覚えています🤣
しかし、その次のレースで僕は衝撃を受けることになります。

サウジアラビアRC 2人気1着

当時の1人気は、ルメール騎手騎乗のステルヴィオ。まあこれがダノンプレミアムの最初のライバルとなるわけですね。
予想としては、ダノンプレミアムを本命にしていたんですが、当時の東京競馬場は、雨の影響が少し残った『稍重馬場』であり、尚且つ、やや差し傾向があったのを今でも覚えています。
ダノンプレミアムはレース序盤から先行するスタイル。これは引退した今日まで基本的には変わりませんでしたね。
直線で難なく抜け出すと、あっという間に他馬を引きちぎり、最後の最後で追い込んできたステルヴィオにコンマ3秒差をつけての圧勝劇でした。
あの頃の僕は、予想ブログを書き始めて3カ月弱程度でしたが、このレースは今でも衝撃的でした。
『2歳コースレコード』のおまけ付きだったわけですけども、先にも書いたとおり、良馬場ではなく稍重馬場でしたから、より一層驚いたわけです。
JRAのコースレコードは、2歳と3歳以上に振り分けられていますが、各競馬場の各距離別の芝コースレコードは全部で『103』の数字が残っています。
しかし、稍重でレコードというのは、このうちの4つにしか過ぎません。
簡単に想像できることですが、良馬場ではないのにレコードが出るというのは通常はあまりありませんからね😅
今でこそ、サリオスに塗り替えられた記録とはいえ、レコードの価値そのものは、ダノンプレミアムがマークした1分33秒0という数字のほうがあると思っていますし、レースぶりの印象そのものも、サリオスよりダノンプレミアムのほうが上だと未だに思っています。
これは次走朝日杯FSでも同じようなことが言えますが。
この日から僕は完全に『ダノンプレミアム推し』になりました(笑)
新馬戦はそうでもなかったので、"二目惚れ"でしょうかね😂

朝日杯FS 1人気1着

サウジアラビアRCのレースぶりから、今度はステルヴィオを、押さえて1人気に推されたダノンプレミアム。
好位から抜け出して、上がり最速、そしてレースレコード。
(このレースもまたサリオスにコンマ3秒更新されたw)
有名な話ですが、今あらためて考えると、当時のメンバーはとてもハイレベルと言えます。
2~5着は全て、のちのG1を制することになったわけですからね。
ステルヴィオ、タワーオブロンドン、ケイアイノーテック、ダノンスマッシュ。
ちなみにですが、朝日杯FS(前身の朝日杯3歳S含む)において、2着馬に3馬身以上の着差をつけたのは、あのナリタブライアンしか居ません。
それだけに、翌年のクラシックがとても楽しみになった記憶があります。
トビがキレイで雄大なフォーム。カッコいい。

弥生賞 1人気1着

年が明けての緒戦。
当時は、ワグネリアンとの『無敗対決』が話題になっていましたが、これを難なく退ける堂々たるレース。
4コーナーで、川田騎手が敢えて少し外を回しましたが、それだけ余裕があったことと、次に予定していた皐月賞の予行演習の一環でもあったんじゃないかなと思います。
皐月賞は、4コーナー出口で横にズラっと広がりやすいですからね。コーナーワークが下手というより、外を回すことを練習したと解釈しています。
当時の実況(中野アナ)
『悠々と、コーナー4つの2000メートルも、力の違い見せつけました9番ダノンプレミアム、さあクラシック制覇へ王手です!

そう、もうクラシック制覇はすぐそこにあると思っていました。
正直いま考え直しても、皐月賞に出れてさえいれば……と。
しかし結果的には、挫跖のためこれを回避。
あのニュースが飛び込んできたときは、残念すぎて仕事が手につかなかったですよ、ほんとに(笑)

日本ダービー 1人気6着

冷静に考えると、頓挫があって、弥生賞から直行になってしまった馬が『1人気』に支持されるってそうそう有り得ないことだなぁと。
まあ1枠1番というのも、それを助長したと言えますけど、ダノンプレミアムが皐月賞を回避したことで、皐月賞組そのものが疑われてしまったのも事実としてありますね。
現に、2人気は毎日杯から直行したブラストワンピースですから😅
レースは結果的に6着に終わりました。
初めて敗戦を喫するわけですが、現地で観てた僕としては『仕方ないな』と。ダービーはそんなに甘いもんじゃないと思い知らされると同時に、神様はなんて残酷なんだと思ったものです。
確かに直線で進路は狭かったですが、正直言ってその間を割るほどの余力が無かったと見るのがホントのところだと思うし、潔いかなと。いま思えば、あそこで福永騎手がワグネリアンで勝ったからこそ、コントレイルの三冠はあったとも思うし、今年のダービーでシャフリヤールが勝てたことにも繋がっていると思いますからね。競馬って不思議なもので、偶然に偶然を重ね、いつしか必然になっていくんですよねぇ。

ダノンプレミアムファンの僕にとっては、ここからがもどかしい日々が始まるわけですが……

金鯱賞 2人気1着

蟻洞の回復にかなり手間取ってしまったがこれは仕方ない。
秋には入厩して調教を積むなど、レースへ出走する可能性を模索しながらだったものの、蹄の状態は一進一退。
結局9カ月半の休みを要してしまったが、しっかり治すことを優先したのは正解だったと言うほかにないですね。
古馬初対決となったわけですが、この時のメンバーがまた凄い😅
アルアイン、ペルシアンナイト、リスグラシュー、モズカッチャンといったG1馬たちが叩き台で臨んできた一戦。
このレース、1人気になったエアウィンザー(当時4連勝中)とダノンプレミアムにとっては試金石という格好。
終わってみればなんてことは無い。圧勝。
正直、半信半疑だった僕としては
『あーあ、心配して損した(笑)』とホッとした記憶がありますね。
蹄のこともあるし、間隔的に大阪杯は無いだろうなぁとは思った。であれば安田記念かな?と。
しかし次走に選んだのはマイラーズC。
更にそのあとに安田記念を使うということだったから、何とも言えない『嫌な予感』があったんだけど……まさかああなるとは。

マイラーズC 1人気1着

同い年のインディチャンプと初めて対決したレース。
まあここはさすがに崩れようがないと思いましたけどね。
ハエが止まるんじゃないかぐらいの超ドスロー😅
レース上がり32秒3って……普通は拝めない数字(笑)
ただ、やはり安田記念に向けてはローテーション的に相性が悪いし一抹の不安は拭えない部分も確かにありましたねぇ。

安田記念 2人気16着

あんまり振り返りたくないレースではあるんですが…。
まず、スタート後の不利以前の問題として、焦れ込みがいつも以上に激しかったです。現地で観ていましたがパドックでも普段より更にテンション高いし、馬場入りの際には、後退りするような仕草を見せていて明らかに様子がおかしかったのを鮮明に覚えています🤔
すぐ近くに居た観客が茶化すように『いいぞー!飛べ飛べ~』と言っていて、物凄く腹が立ったのも覚えていますね(笑)

心の声→『人の気も知らないでこのヤロー!💢ぶん◯ってやろうか!』
……いや、これマジで思いましたから🤣🤣

アーモンドアイとの世紀の対決でもあったし、スタンドの盛り上がりかたも、おおよそ安田記念のそれではなかった。
このレース後、なかなか次のG1タイトルを手に出来ないダノンプレミアムに対してモヤモヤした僕は、Twitterで『無観客でやれればなぁ』なんてつぶやいたんですが、当時はもちろんコロナ騒動の前の話。
"無観客"なんて有り得ないからつぶやいたつもりだったんですけどね……ある意味これも今となってはまさかですよ。

結果はご存じのとおりで、レース後に川田騎手が下馬する様子が遠目に見えました。
ああいうの目にすると……どうしても最悪なケースを想像してしまうんですよね…。
物凄く心配しましたし、帰り道、門を出たところで1時間くらい呆然していました。
その後どうなったのか気になるじゃないですか??
Twitterで情報を探すわけですよ。
そしたら予後不良だのとガセ情報が流れてるわけ。
ホントの情報なのかなんなのか全く分からないから、余計にこっちはパニックですよ…。あれも腹立ったなぁ…(。・´_`・。)

天皇賞(秋) 3人気2着

悔しくもあり嬉しくもあったレース。
僕個人的には、現地観戦したダノンプレミアムの出走レースの中では一番といえるものでした。
安田記念のことがあったから、パドック、そして返し馬はとても心配しながら観てたなぁ。
ただ、姿を見て『今日は大丈夫だ』とも思いましたけど。

直線でアーモンドアイ、アエロリット、サートゥルナーリアと4頭が並んだ瞬間は応援に熱が入ったし、あの瞬間は僕が観戦したレースの中で最もテンションが上がりましたねぇ✨
結果的に、アーモンドアイのとてつもない強さを感じることにもなったんですが、あれはあれで清々しい気持ちになれましたね。
安田記念のことを思い出して、ボロボロと涙が出ました。
何とも言えない感情だったなぁ、あのときは。

マイルCS 1人気2着

初めての中2週でしたけど、まあレースとしては悪くなかった。
ただ川田騎手が言っていたように『勝てなかったということだけが悔やまれます』。うん、まさにそれだ(笑)
たらればは良くないんですが、このレースに関しては上位半分がほとんど内枠で占められていたし、力は示したけど…という感じ。インディチャンプには完敗だった。
天皇賞(秋)の激戦のあとであるを考えれば、頑張ったと思いますけど、2つめのG1が近いようで遠いなぁと感じましたねぇ。

QES 1人気3着

スタートは悪くなかったんですが、何故かズルズルと下げていき、ドスローの中を捲って捩じ伏せようという無茶苦茶なレース😅
3着には頑張ってくれたけど……この時はコロナでなかなか陣営と騎手の間でコミュニケーションを取りづらかっただろうし、実際のところ、綿密な打ち合わせが出来ていなかったと思います。
コロナさえ無ければ川田騎手が騎乗してたんじゃないかな?
もし実現していれば、結果は間違いなく違ったハズ。

何かこう……毎回噛み合わないんですよね。この馬って。
巡り合わせが常に悪い。ホントにこの時期くらいからは、特にモヤモヤしてましたね。。

オーストラリア式『HEAVY8』という不良馬場のなか、頑張ってるんだけど、うまくいかないなぁと。
当時、メンバーが薄いから勝つのが当然みたいな風潮もありましたけど、勝ったAddeybbは今年も連覇したし、イギリスでもG1を2つ勝つ馬ですからね。普通に強い馬。

安田記念 4人気13着

2年連続の出走となったわけですが、結局のところ海外帰りで調整がうまくいかなかったのかなぁと思わざるを得ない負けかたですね。
レーン騎手は『馬場に脚を取られて』と言ってましたけど、個人的には社交辞令的なものと解釈してます。
チークピーシズを初めて着用していましたし、正直メンタル面で怪しい部分もあったんじゃないの?って。
でなければ馬具なんて付けませんからね。

天皇賞(秋) 6人気4着

前年より人気を落とす結果になりましたが、悪くは無い走り。
ブリンカーを着用した時点で、精神面では明らかに良い頃のバランスには無かったなかで、想定どおり逃げ4着。
この馬が良い時は、直線での手前替えは1度きり。
しかしここで左手前→右手前→左手前と2度替えていたし、粘りという点では物足りない部分もあったのが正直な感想。
ただ、負けた相手がアーモンドアイ、フィエールマン、クロノジェネシスの3頭というところがミソで、『この3頭が居なければ…』という期待感を中途半端に持ってしまうんですよね。
もちろん、毎回期待していましたけど、これがもどかしさを生む原因でもある。全く足りない馬ならこんなこともないんですけどね………。

香港C 2人気4着 

このレースは逃げはしなかったものの、直線の粘り腰の物足りなさは天皇賞(秋)と同じで、やはり直線で手前を2度替えている。
正直、改善が見られなかったし、ぶっちゃけこれで引退かな……と思いましたね。個人的にはもう心が折れかけていましたから😅

安田記念 6人気7着

なんでここ出るのよ……と当初は思ったんですが、メンバーが出揃ってみれば、スローになりそうだしチャンスはあるかな?と。
ただ、精神面が心配ではあったので追い切りでそのあたりは確認。昨年よりかなり良くなっている感触はあったし、レースもほぼ想定どおりのスローペース。
ようやく、それっぽいレースにはなったんですが、結果は全く伸びず。
過去2年が諦めのつかない内容だっただけに、ある意味では清々しましたね。ただ、安田記念は合わないとキチンとした結果がでるまで3年掛かったのはあまりに遅すぎた。
『時既に遅し』とはこのことかと思う節もあります。
精神面は戻ってきたけど、肝心のフィジカル面が良い頃と比べて落ちたと言わざるを得ない部分も正直あるのかな…と。
もちろん、馬場の悪い内を敢えてセレクトしてしまったのもあったにせよ。

そして、引退

恐らく使うとすれば天皇賞秋になるんでしょうし、ホントのホントにラストチャンスがあるとすればそこなんでしょうが、このタイミングでの引退発表。
良いか悪いかは我々が判断すべきことではないし、彼の今後の幸せを祈るばかりですね。

朝日杯FSを勝ってから約3年半に渡り、煮え切らない思いを繰り返したまま、2つめのG1タイトルを獲ること無く(アイドルホースが発売されることも無く)引退となるのは残念ですが、正直個人的には昨年の香港Cで一度覚悟していましたし、現実は受け入れています。

モヤモヤした日々も今日で終わりです。

今後は種牡馬になるようですが、繁養先は未定とのこと。
昨今、ディープインパクト産駒の種牡馬は飽和状態になりつつあるし引退しても厳しい世界であることはたしかです。
(もしかしたらオーストラリア?と思わなくもないですが)
しかしながら、彼の子供がターフを駆ける日を、そして彼が成し得なかったクラシック制覇を、更には古馬G1での活躍を!!
祈りたいと思います。


以上、彼のキャリアを長々と個人的観点で書いてきました。
ファンの戯言をお読みいただきありがとうございます(笑)

最後に一言。


ありがとう

ダノンプレミアム

お疲れ様でした‼️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?