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MURALのススメ (ワークショップにもデジタライゼーションが必要だ:第2回)

連載にしては、非常に間が空いてしまいました。
今回はポストイットデータ化した後にMURALというクラウドサービスを利用しながら、思考を収束させるプロセスのデジタライゼーションについて書いていこうと思います。
https://mural.co/

ちなみに前回の記事はこちらです↓
https://note.mu/hos_255255255/n/nf8c2185ac23a

MURALとの出会い

私がMURALと出会ったのは昨年のUX DAYS TOKYO 2018でマッピング・エクスペリエンスの著者であるJames Kalbach氏のワークショップに参加した時でした。
彼のワークショップはJobs To be Doneの実践的な使い方を学ぶものでしたが、JTBDsを活かしたサービスアップデートの一例として彼が起こしたサービスであるMURALが取り上げられていました。

MURALの特徴

マッピングエクスペリエンスの著者である彼が作ったサービスなので、
役に立つマッピングテンプレートがいっぱいです。
無料会員の登録を済ませてからCreate New Muralを開くと50を超えるデザインシンキングで利用可能なテンプレートが表示されます。
カテゴリーにもJTBDの考え方が活かされており、下記のように「何がしたいか」でテンプレートを絞り込めます。

・問題について深く学ぶ
・誰のためにデザインをするかを理解する
・チームとブレストするときに
・ソリューションの評価とデザイン
・チームのプロセスを反映する
・プロジェクトの計画

このように目的に応じてテンプレートがカテゴライズされていると
使ったことがない手法への選択肢が増え、最適な手法を選択することができます。例えばフィッシュボーンを選んでMURALを作ると、
・どういう時に使ったらいいか
・どのようにこの手法を使っていけば良いか
がテンプレート内に記載されています。

詳しく知らなくても手順が書いてあれば、どういうことを発見できるのかがわかるので、今抱えているプロジェクトに最適な手法をこの場でも見つけることができます。

また、空白のMURALを立ち上げた後も、単なるグリッドからリーンキャンバスなどの用途が明確なものまで、必要になればフレームワークを呼び出して配置することができます。


MURALが得意なこと

やはり付箋の作成に特化していて、
空白部分をダブルクリックするだけで、直前に使った付箋が出現します。
実は、思いついたらすぐ書き込むということが、デジタル上でも可能です。
元あるデータから付箋を作りたい時は、
改行されたテキストをコピペすると一行=一枚の付箋になってくれます。

付箋と模造紙でできることはほとんどできると言って過言はないです。
図やイラストなどを記入するのもデバイスにさえ慣れていたら可能ですし、
もちろん前回のアプリで取得した画像データをまとめて貼り付けることも可能です。



MURALがもたらす変化

・何度でもはり直せる
付箋の粘着力がなくなることがないので、
まとめていくうちに違和や疑問を感じたら簡単にやり直せます。
ここが意外と重要で一度とりあえずまとめてみて、
違ったらやり直そうと最初の取り掛かりへの心理的負荷が少なくなります。

・複製できる
一つの付箋を色々なパターンで順位づけ・グループ分けをする場合、
紙であれば、写真をとって組み直すか一枚一枚付箋を複製しなくてはいけませんが、MURAL上だと簡単に複製できるので、
みんなで出し合った付箋を個人ワークでそれぞれが思い思いの形に並べてからディスカッションに入れたり、
途中結果を残しながら、別のまとめ方にチャレンジすることができます。

・フィジカル空間の場所を取らない
メンタルモデルマップなどを作成しようと思うと何日にも作業が及びます。
そのために会議室やオフィスの一角を借り切る、もしくは模造紙に貼り付けたものを保管して貼り直してなど準備・保管に手間がかかりますが、
MURAL上での作業をすれば、片付ける手間もなくすぐ始められますし、
クラウド上で集まれるので、時間場所を問わずに集合することができます。

まとめ

なんだかテレビショッピングみたいな内容になってしまいましたが、
ポストイットの便利さはそのままに不便な点をデジタル化によって
解消することで、作業の効率化につながります。
作業が効率化されれば、考える時間が相対的に増えるので、
提供できるサービスのクオリティも自ずと上がってきます。

必要な時に必要なサービスを使っていくことで
「サービスデザイン・UXデザイン会社 = 付箋をいっぱい貼った壁」
からどんどんと脱却していきたいなと思っています。

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