コドモダマシの自己陶酔

夕暮れ時にけえってくるおやじ
毎日かならず土産さ持って
びいびい泣く子も黙らす土産
おれの土産は世界一
おれのけちさも世界一
こどもが喜ぶ顔が浮かぶが、
同時にがっかりするのも浮かぶんだ
おやじの気苦労しらないこどもは
はてさてもう寝ちまったか

12月、
クリスマスイブに家にいないおやじ
今日こそ必ずまともな土産さもって、
子供の寝床に向かうものの
おやじの足は途中で止まる
大事な土産を何に入れるか
朝まで考え、おやじはおやじの靴下へ、
大事なかわいい子供の寝顔を見ながら
その小さいあたまの傍に、
ふくらむ靴下置いて出る
こどもが起きたそのときには、
おやじはもう家にはいない
子供の喜ぶ顔を想像するため
いつもより早めに出勤する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?