ロミオの現実逃避
うぬれの細胞を、溶かしてやるぞ!
ロミオは言った。
理科の実験の気分で、ジュリエットの細胞を
扱いたく思ったんだ。
「それはだめよ」
と、かたくなにジュリエット断る。
ロミオはどうしても細胞が欲しい。
欲しくて欲しくて、まるでサイボーーグの様に逞しい体になっていくロミオ。
「いいかい、ジュリエット、君の未来は保証しよう。だから細胞をよこすのだ。」
「未来とは何ぞや」
ジュリエットには未来がなかった。
未来が欲しかった。
だから、細胞を、ロミオにくれてやってもいいと思った。
ロミオはジュリエットの細胞(一部)を
特殊な液体の入った容器に入れ、溶かした。
するとやはり予想通り。
ジュリエットの細胞は溶けると共に生き返る。生まれかわる。
そして・・・ジュリエットの命も、これで保証された。
ジュリエットは病気だったんだ。
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