ブラックのイマジネーション

色褪せ、うつろひゆく幻想
ベージュや灰色さへもみえない、
今のおれには

突然目の前がまっくろになった
その色はあのトンネルの黒よりも黒いし
この目のはっきりとした黒色よりも黒い
おまけにあいつの鼻の穴よりも黒いし
俺の腹よりも黒いんだ

甦るブラックのイマジネーション!
光る俺の創造性!
それはまるで突然、
白いうさぎが遠くのほうから元気よく飛び跳ねてくるようにやってきた

黒き世界に吸い込まれて五分
おれはすっかり目が慣れてきたようだ

やがて孤独なヒーローは、
ブラックカラントの匂いで正気に戻るのである


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