しぐれの自己陶酔

酔っても寄らない
あの家にだけは
しぐれの音をききながら、
わたしは今にも倒れそう

だれか、毛布をもってきてちょうだい
道端にふとんがしいてあるように見えるが、
あれは違うの?
ここは公園ね 
あすこの砂場がふとんに見えたようだ
ああ、誰もこないようね 
私はもう疲れ果てた
あのように次々と注ぎ足されるビールの泡は、
まるで儚いこのわたくしの命とおんなじ。
ぱっと消えてしまうの うふふ

ねえだれか、私をバイクに乗せてちょうだい
行き先なんて決してつくらないで
目的なんて決して決めないで
風をきって、わたしの存在なんか、
吹き飛ばしてちょうだい

とにかく家にかえりたくないの
あすこの土管の中で今晩は過ごすことにするわ

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