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映画「タクシー運転手」を観た


映画「タクシー運転手」を見ました。



1980年の光州事件にて起きた、実話をモチーフにした映画です。
推しの出身地だし、Ma cityの歌詞にも出てくる事なのでいつか見たいなと思っていたのですが運良く時間が出来たので見ることができました!アマプラで観れたよ!


凄く良いと聞いてたので期待していました。
私としては色々考えさせられる映画でした〜。
テンポ良くて最後まで引き込まれたまま一気見出来ます!ぜひ見てほしい!
光州事件がどんなものかとか一切知識がなくても大丈夫!わかりやすく教えてくれます!


ネタバレ含みで書きますので、ネタバレ避けたい方は気を付けてください!

最初にざっとストーリーを書きますので、飛ばして★から読んでも大丈夫です!



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最初はテンポ良く楽しい感じで始まって一気に引き込まれる。

いつもの平和なソウル。
事件で人が死ぬなんて有り得ない、ただ毎日仕事をこなす日々。家に帰れば大好きな家族がいる。給料は決して高くないし人生色々とあるけど明日も明後日も街は平和だし仕事がなくなることはない、そんな日々。

私達にも当てはまると思う。

仕事めんどくさいな。自分のいる場所が事件に巻き込まれて明日生きてるかわからない状況になるなんて有り得ない、そう思える幸せで平和な日々。

タクシー運転手の主人公はそんな幸せな日々からひょんな事で大事件の現場に足を運ぶことになる。


お客さんを乗せて、光州へ移動。
何故か高速道路が通行止めになっていて、軍隊がここから先は来るなと言う。

現地まで送り届けないと料金は払わないと言うお客さん。それは困るのでうまく軍の人を誤魔化して光州へ入ることができた。

そのお客さんは光州の民主化運動が過激化すると知って映像を撮るために危険を承知で韓国に緊急入国したドイツ人の記者だった。戦場カメラマンみたいな感じかな。



街に入ってみると、どうも街の様子がおかしい。ビラが街中散らばっているし、大学生の民主化を求めるデモトラックが沢山。

お客さんはどうやら記者らしく、現地の大学生に気に入られてデモトラックに乗って行ってしまった。

大学生ジェシクはどうして当たり前の行動をしているだけなのに軍に止められないといけないんだと純度100%の表情で言う。タクシー運転手は苦笑い。

私はそれを聞いて、この時タクシー運転手と同じ反応をしてしまった。自分の正義を信じて命をかけてまでデモに参加するって意味わかんないって思った。


なんだか全部変だけど、現場の把握もそんなにしようとせず生命の危険は感じていない主人公。ここがリアルだった。


人の良い主人公は病院まで連れて行ってくれというおばあちゃんを拾い病院へ行くと
何故か血だらけの怪我人が沢山。


やっぱりおかしいと思い料金はもういいから帰る!と言う主人公。



でも車が壊れてしまった。


現地で知り合った大学生のグループは車を直してくれて、泊めてくれる事に。

幼い一人娘を連絡なしでソウルに残すと言う最悪な事態になってしまったが車がなければ帰れない。


大学生グループのうちの1人のジェシクは、英語が少し話せて歌手になりたいという夢を持つ普通の子だった。

光が漏れないよう窓をカーテンで隠し、正しいニュースが流れているか一応テレビを付けるが、政府誘導の現場とは全く異なるニュースが放送されている。デモに参加する沢山の市民を政府が殺しているのに、軍の犠牲者10名以内と。市民の被害者も10未満で確か言ってた。 まるで昔見た戦争の映画のシーンみたいだった。


大きな爆発音が聞こえて現場に向かうと、
光州の新聞社が軍から攻撃を受けていた。

真実を書いた新聞を刷っていた最中だった。
それを政府が止めようとしたのだ。
沢山の人が棍棒で殴打されたり、目の前で撃たれていく。

普通に生きてきたのに目の前がいきなり戦地みたいになって恐れ慄く主人公がリアルだった。



情報流出を避けたい政府がドイツ人の記者が現地入りしている事を知り、つまみだそうとしていた。

簡単に見つかってしまい、10秒数えるまでに出てこないと人質の大学生ジェシクを殺すと言われた。


ジェシクはドイツ人の記者が生き残って真実を世界中に報道してくれる事が優先だと思い、俺は良いから逃げろと言う。


その後、銃声が聞こえた。




戸惑うタクシー運転手。
ボロボロになり、明け方命は無事なまま泊めてくれた家に帰ることが出来た。

娘のいるソウルに帰ろうとすると、大学生グループの1人がソウルナンバーだとすぐ怪しまれるからと、フェイクの光州ナンバーのナンバープレートを渡してくれた。


高速を飛ばしてソウルに向かう主人公。
途中、道の駅みたいな所で娘と連絡がつき娘に土産を買う。

食堂でまた光州民主化運動の事実と異なるニュースがやっている。
店員さんが政府がそう言うならそうなんでしょうねと言う。

これは私達が住む日本でもよく見る光景なのかもしれない。


でも主人公は知っている。もっと沢山の人が殺されて、それでも今尚戦い続ける現地の人がいるということを。



主人公は大粒の涙を流し、あと一泊帰れないと娘に電話で告げ車をUターンした。

あのドイツ人記者をピックアップしてソウルに帰り、録画したテープを世界に真実を届ける為に。

強い正義感で戦地に戻る主人公。

娘がいるのに!娘が死んだら娘は一人ぼっちなんだよ!?普通に考えてあんな銃弾が行き交ってる場所に向かったら生きて帰れるかなんて分からないんだから、そのままソウルに帰りなよ!!とも思った。
そっちを選んだとしても、彼らを見殺しにした罪悪感が一生付きまとうだろうから最悪なのは間違いない。でも自分の命は助かる。彼は偉い。



現地の病院に着くと、大学生ジェシクは死んでいた。ベットに乗り切らない程多くの遺体が転がっている。

悲惨な状態に正気を失った血まみれのドイツ人記者もいた。でも生きていた。

怪我人を病院まで乗せるために多くの現地のタクシー運転手が頑張っていた。

銃弾が飛び交う中自分も身体を剥き出しにして現地のタクシー運転手と共に怪我人を運ぶ?作業を手伝う主人公。タクシーはもちろん撃たれてボロボロになった。主人公は貧乏で修理費なんてないから大切にしてるタクシーなのに、車体まで剥き出しにして闘った。


そうしてドイツ人記者を乗せて、ソウルに向かった。





光州を出る時の軍の検問。
ソウルナンバーのタクシーはドイツ人記者が乗っているだろうから絶対逃すなとの辞令。

いつもみたいにうまく言葉で誤魔化そうとする。車の中を見せろと言われ、トランクまで確認される。

奥に隠してあったソウルナンバーのナンバープレート。それを軍人は見つけた。



まばたきをして、
軍人は数秒後 何も問題はないと言った。
行け、と。


若い兄ちゃんだった。
彼も政府の人間だけど、この事実を世界に報道してほしいという気持ちがあったのだろう。

ここ、鳥肌シーンでした。




その言葉を聞いて全速力で逃げるようにスピードを上げる主人公。

その数秒後、すぐに異変に気付いた他の軍人があの車をすぐに捕らえろと叫んだ。


逃げるタクシー運転手。
追いかける軍。

発砲されたりと超ヤバい状況の中逃げまくるタクシー。


すると、自分の車じゃない車に当たった音が聞こえた。
後ろを見ると山から数台もの光州プレートのタクシーが援護で来てくれた。

👍のサイン。

この辺から急にワイルドスピードみたいなカーアクションになる。最高である。


助けに来てくれたのは、光州で助け合った現地のタクシー運転手達。激アツう!!!


何台も犠牲になって軍とカーチェイスをして、最後の一台も光州で一番お世話になったおやっさんみたいな運転手が「俺は良いからお前は行け」みたいな感じで言ってくれた。


多分その援護軍ほぼ全員死んだ。

そこで軍を撒くことが出来て無事ソウルに戻ることが出来たのだ。



そこからは映画らしく、絶対国からマークされてるはずなのに便の時間をずらしただけで
ドイツ人記者は簡単に出国できた。

ドイツ人記者がタクシー運転手とお別れする時、名前を聞いたが主人公は偽名を書いた。

そして、命からがらで撮った映像が世界に広まったのである。


物語の大筋としてはこんな感じ。



でも、この後現実とリンクしてきて粋で切ないラストシーンがあるんだけどそれは書かないでおくね。そのシーンを見るためだけの為に、映画見ても良いと思う。それだけでもう1記事必要な位語れる。

そこの部分でさらに感動する人も多いと思う。私としてはそこよりその他の部分が気に入ったかな。



最初のコメディタッチな部分、主人公の人情、光州の人達の人情、正義、報道とは、物語としての面白さ、映画としての演出、実在の人物のストーリーだということ、最後のシーン。
色んなフックが用意されているから、見た人はどれか引っかかると思う。


もちろんフィクションだから、
現実だったらそんな上手くいかないよ!!って突っ込みたくなる部分もあったけど、そこをフィクションでうまーーく繋げた事によって映画としてエンタメ度も高まり面白くなっている。


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★ここから読んでも大丈夫!


ここからは実際に起きた光州事件とは別で、映画内で描かれた光州事件の感想を書きますね。

平和に暮らしていたタクシー運転手がいきなり巻き込まれて、市民が光州で普通に生活していたところにいきなり戦車がやってきたり、民主化を訴える為に戦って、正しいことをしているのに撃たれて多くの人が死んで。ほんとに何が起こるかわからないって思った。こんな風に一気に目の前の景色が変わる映像を見るのは初めてだったし演技が上手くてリアルだった。


ウクライナがドイツに攻撃され始めたあの日、戦争なんてありえないと思っていたのに本当に戦争が始まった。(もちろん世界中で悲しい事に毎日戦争は行われているけど、新しい戦争が始まったと言う意味で)


ウクライナに住んでいる人達も、まさかこんな事になるとは思ってなかったであろう。
SNSをやって、旅行して、家族とお正月を過ごしたり、毎日仕事をして当たり前に今の生活が続くと思っていたと思う。

そしてその後の戦地の激化も、経済の悪化も、ここに書ききれないほど多くの信じたくない事実が今も更新され続けている。



そして報道について。

これも、何を信じたらいいか私には正直昔からずっと分からない...。
知る事は大事だし真実に近づく手だと思うので調べるようにしているんだけど、その調べる先が偏ってしまったら意味はないし。
色んな文献や歴史や各社各国のニュースを見るようにしているけど、私はいつも不安だ。
ニュートラルな人間でいたいと思う。
そして、知った所で私が変えられることってないんじゃないかと落ち込む。

ぼんやりと悩み続けていることがこの映画を見てまた顔を出してきましたw


色々考えさせられる良い機会になった映画でした!




この映画を観た後本当の光州事件がどうだったのか私なりに調べて、映画との相違点を比較したり、実話なので実際のドイツ人記者とタクシー運転手の方がどこまで本当に描かれているのかとかも気になって調べました!

光州事件に関しては語れるほどの知識がまだまだ足りていないので、ここでは語れませんm(_ _)m

そんな感じの私の感想でした〜!
政治的な事少し話しちゃったりしてドキドキしてます😭

おわり

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