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『news zero』で語る、「赤」の櫻井翔

 2019年1月28日放送の、『news zero』を固唾を飲んで見守った人は少なくないはずだ。筆者もその一人である。

 筆者なりの観点で、『news zero』への感想を述べる。筆者はそこで、「赤」を背負う櫻井の姿を観た。

赤いネクタイを締める櫻井

 櫻井が勝負服として選んだのは、赤色のネクタイ。嵐での彼の個人カラーである。

 アナウンサーの有働から「どこまで聞いていいですか?」と問われたら、食いぎみに「どこまでも聞いてください。全て話します」と返答。また、先日に行われた記者会見に対しても、「5人が考えていたことを話せた」と断言した。

 「大野抜きで嵐を名乗ることは考えられられない」、「一人でも欠けたら嵐ではない」、「解散もチラついたが、避けなければならない。その役割は自分である」、「嵐を守りたい」等といった、強い言葉をたくさん語った。

 嵐のリーダーは大野である。しかし、櫻井からは「赤」を背負うものとしての気迫のようなものを感じた。

 戦隊モノの中心は、常に赤である。
 ジャニーズでは、赤色を担当するのメンバーは、そのグループの顔であったり、エース的な存在であったりする場合が多い。
 『news zero』において、櫻井は、嵐の「赤」としての役割を全うしたと感じた。

 櫻井は、今回の記者会見で「無責任ではないか?」と投げかけた記者に対しても、感謝の気持ちを持っているという。
 あの質問があったからこそ、気持ちをより、伝えることが出来たのだと。

 あの質問をした記者に対しては、怒りの声が殺到していた。
 しかし、その記者のことさえもフォローする櫻井。櫻井がこの番組内で、例の記者に、感謝の言葉を述べたことで、ファンの憤りも少し収まったのではないだろうか

 櫻井は、どこまでも思慮深い人間だ。

 また、櫻井は、自身が30歳を迎えた頃、他のメンバーに対し、「いつかキャーキャー言われなくなるかもしれない」、「成熟した大人のグループになっていきたい」と提案したと発言した。
 それには有働も、「人気絶頂の中にいて、そんなことを考えるのか」と驚きを隠せない様子だった。

 しかし、櫻井は有働に対し、「山の頂には下りしかない」と告げる。
 彼は、自らやグループの、先の先まで見据えているのだ。

 まさに、「赤」だ。

 今回の活動休止に至る話し合い等は、櫻井が中心となっていた。
 「リーダーの想いを受け入れたのではなく、メンバー一人一人の考えを、5人全員の着地点にした」、「グループ内のリーダーである”権力者”の鶴の一声ではない」とも発言。
 嵐は民主主義なグループであること、そしてなにより、櫻井の求心力・信頼性の強さを感じられた。

櫻井にとっての嵐とは

 そんな「赤」の櫻井は、メンバーのことを、中学生の頃からずっと一緒にいる幼馴染みであり、友人であり、家族であり、ビジネスパートナーでもあると考えている。

 芸能活動を休止する大野にも、もちろん今後も、連絡を取り合うつもりでいるそうだ。
 釣りに熱中していて電話に出てもらえなかった場合、留守電を残すと発言し、ファンに笑顔を与えることも忘れない

 他のメンバーが活躍しても嫉妬する人は、嵐には存在しないらしい。
 シングルのジャケットの真ん中が誰であっても成立するようなグループを目指していたからこそ、妬みや嫉みは生まれないのだ。

 メンバーカラーによって、立ち位置が固定されているアイドルも多い時代だ。

 そんな時代に、「いつも中心であってもおかしくない櫻井」から、嵐は誰もが中心になり得るグループであるという言葉を聴くことにより、発言の重みがグンと増す。
 嵐は結成時は個人カラーが設定されていなかったという背景を踏まえてもなお、「嵐は5人で一つ」であるということが、ひしひしと伝わってくる。

 櫻井にとっての嵐は、平等な関係性を保った、絆の強いグループなのだ。

櫻井が示す「希望」

 2020年以降は「一時的に」それぞれの活動を行うことになると述べた上で、「嵐の復活はある」と断言
 この言葉に救われたファンは、数え切れないだろう。

 2020年12月31日以降も、「嵐」のファンとして過ごしていいかという問いに対しても、「もちろん嵐のファンでいてもらえたら、我々はこんなに嬉しいことはない」と即答した。

 「嵐は活動を一時的に休止するだけであって、解散ではない」という明確な意思表示とともに、「嵐のファンを続けていい」という、居場所も残し続けてくれる

 これは正に、櫻井が番組内で述べていた、「温かみを感じる線香花火のようなもの」の象徴ともいえる。

 二日間に渡り、嵐に関する記事を書いてきた。
 その中で、どんどん嵐に対する想いが強くなってきている自分がいる。

 ああ、嵐のファンになってしまいそうだ!

【了】

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